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August 21, 2012

一口馬主の金言外伝 1億円馬への道 その4

 一口馬主の金言外伝 1億円馬への道、今回は第4回目となります。

 競馬は血統のスポーツです。わかりきっているけれども、そこが一番の悩みどころでもあります。世の中色々と進歩していますが、遺伝学などの進歩があっても未だにどうやったら強い競走馬が生まれてくるのかについては、はっきりとしたことはわかっていません。

 今日は乱暴な手段を用いて、血統的な視点から1億円馬への道を探ってみましょう。
 ちなみに前提として申し上げておきますが、私の血統の知識はいわゆるダビスタレベルというやつで、競馬好きとしての一般的な知識はあるものの、特に血統知識が豊富なわけではありませんので、その点はあらかじめご了承ください。だからこその難しい血統の話は抜きにした、誰でも理解できる乱暴な理論です。

 まず最初に、一口馬主でG1馬や重賞馬に複数出資している、スーパーひとし君でおなじみのあの方は、ある本で、出資馬を選ぶ際のポイントについて、「母は0勝でもかまわないんですが、近親に走る仔がいるのが絶対条件です。」と語っておられました。私もその通りだと思います。

 ところで、よく聞く、この「近親」というのは一体どこからどこまでを言うのだろうかということが疑問になります。人によって解釈はまちまちだと思います。とあるクラブのカタログなどでは、4代母の兄弟がG1馬で、「G1馬の近親!」と高々に謳っていましたし、人間の世界でいう「親族」が「6親等内の血族」だと考えると、馬の近親も6代母まで遡るのか?いや、これはいくらなんでも遠すぎる。。

 ここでは、「近親」をごく狭く解釈し、以降、「母、兄弟姉妹、祖母、母の兄弟姉妹(叔父、叔母)」のみを「近親」と定義して話を進めたいと思います。私の感覚ではこれくらいが丁度いいのではないかなと思っています。従兄弟になるとちょっと遠すぎる気がします。人間の世界でも、巨人の原監督の甥が入団するとかどうとかいうのは話題になりますが、従兄弟同士で活躍している例とかパッと思い浮かびませんものね。まあここは人それぞれだと思いますが、今回はこの定義で行きたいとおもいます。

 次に、その「近親」が「走っている」という定義はどうしましょうか。これも色々と悩んだのですが、結論として、「G1」を「勝っている」ということを「走っている」という定義にしたいと思います。実際にはG1勝てなかったけどG1級の活躍をしたとか、怪我しなければG1勝てたとか、そういう例が山ほどあるのは重々承知しています。しかし、どこかで線引きしないと複雑になるばかりですし、個人的にこういう統計は単純なものほど意外と真実が含まれていると考えているので、ここは「G1勝ち」で行きたいと思います。
 なおここでいう、「G1」には「JPN1」や「CAN1」などのローカルG1を含んで考えたいと思います。欧州のG2勝ちや欧州のG1の2着よりもJPN1が上なのかよ?おかしいんじゃないか?と思われるのは、もちろんよくわかります。そう言われてしまうと正直理論的な説明は不可能なのですが、少なくとも日本の競馬での適正云々を調べたいのですから、「JPN1」はそれなりに重んじていいのではないかと思います。その他の外国のローカルG1については、まったく知識がないので、とりあえず「勝つのが難しそう」なレースを勝っている馬という理解で含むことにしました。

 これであの方のおっしゃる「近親」が「走っている」という定義がまとまりました。「母、兄弟姉妹、祖母、母の兄弟姉妹(叔父、叔母)がG1を勝っている馬」ということです。

 前置きが長くなりましたが、その近親にG1馬いる募集馬について調べてみました。以下は、社台RHの09産~11産、サンデーRの09産~11産及びキャロットの08産~10産について、近親G1馬の割合を調べたものです。

G1

 全募集馬714頭のうち、近親にG1馬がいた割合は39.1%でした。この数値をどう考えるか。私はさすが社台グループのクラブだけに血統レベルは他の追随を許さないレベルだなと思いました。おそらく日高主体の他のクラブで調べたら、まったく違う数字が出てくると思います。

 で、大事なのは、前回まで調べてきた1億円獲得馬84頭のうち、近親にG1馬がいたのは47頭で、その割合は56%でした。

 この39.1%と56%の差をどう考えるのは人それぞれだし、また、今後時間があるときになんらかの研究を進められたらいいなとは思っていますが、はっきり言えることは、やはり競馬は血統馬から活躍馬が出るということです。

 あたりまえだろう!バカかお前は!と言われそうですが、敢えて、当たり前のことを確認したかったのです。
 当たり前だと思っていることを目に見える数値にしたかったと。

 つまり母方の「血統レベル」が高いほど、活躍馬が出る可能性は高まるということを再度確認したかったのです。
 近親にG1馬がいるだけで血統レベルが高いなんてど素人もいいところだ!とお怒りになる血統に詳しい方もいらっしゃるでしょう。でも、こんな乱暴な統計でもやっぱり差が出るものなんです。

 ただし、この統計はあくまで平均値の比較です。個別の1頭1頭の馬ごとに考えた場合には、近親にまったくG1馬がおらず、重賞勝ち馬すらいなかった、レジネッタ、ドリームジャーニー(募集当時)、オーロマイスター、トールポピー(募集当時)、アルフレードなどのG1馬も存在しますので、近親が活躍していない=ダメ、というわけではありません。

 考え方としては、募集馬の取捨の判断に迷った際に、近親が活躍しているかどうかを一つの要素として考えるのが良いかと思います。

 そしてもう一つ、この表を作った理由は、関東と関西の差をはっきりさせたかったからです。

 表を見ていただければわかりますが、血統レベルは明らかに関西が上です。09年の社台RHのように関東のほうが良いという例外もありましたが、いずれにしても近年益々関西に偏重してきているというのは間違いないでしょう。09年の社台のように、社台RHは伝統的に関東にも気を使ってそれなりにいい馬を入れてきたと考えられます(金言外伝その1の表参照)が、ここ最近は社台RHも関東を見限ってきた感じがします。

 とくに顕著なのはやっぱりサンデーRやキャロットのノーザンファームです。サンデーRの09年産関東の20.0%及びキャロットの09年産関東の17.1%というのは、いくらなんでも差がありすぎると思います。

 要するに、関東は仕入れの段階で良い素材を得られていないので、良い結果を得られない可能性が高いということです。血統馬の割合が低ければ、1億円獲得馬も少なくなるというのが先ほどのデータからも明らかですから。

 もちろん関西の努力の上に今日の状態になったのであり、関西に遠慮しろとか、ノーザンファームは贔屓するなとか言うつもりは全くありません。むしろビジネスとしては当然の帰結でしょう。

 ここでまた関東と関西の違いを持ち出したのは、あくまで「金言外伝その1」で検証した東西の偏りについての裏づけを得たかったからです。

 今日の結論としては、関東馬に出資する場合には、よくよくこれらの動かざる事実を踏まえた上で考えたほうがよいということです。ただし、今年からのルール変更で、未勝利、500万下条件の主場競走には関西馬は現実的には出走できなくなりましたので、1億円獲得ではなく、1~2勝を目指す馬の場合は、むしろ関東馬を狙うのもアリかもしれません。

 関東居住者の私(悟空)としては、なんとか関東の復権を期待したいのですが、データ的には少なくともあと3年は無理だろうなということがわかりました。

 今回はこれで終わりです。次回で外伝のまとめを行いたいと思っています。


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Comments

私も関東の人間ですが、募集馬のカタログが届いても関東馬のページは全く見ません。
もっと言うと同じ価格なら関西馬。
例え勝てなくても東の競馬場に遠征したら勝てるのでは・・・と思っているからです。
実際にこの時期の3歳未勝利戦は各厩舎は必死なのが分かるので実力上位の関西馬が自然と結果を出しているように思っています。

正直、未勝利で終わって欲しくないですからねsign03

Posted by: 。 | August 22, 2012 at 05:59 AM

いやあ、さすが。すでに関西馬方式を実践されていたんですね。私も頭ではなんとなくわかっていても、やっぱり競馬場で応援したいというのもあって、関東馬買っちゃうんですよねえ。私もこれからは最優先は関西馬にすることにします。

ただ、次開催から未勝利、古馬の500万下は関西馬が箱根の山を越えられなくなるので(笑)、今後は1,2勝を狙うなら関東馬もアリかなと思ったりもしています。

Posted by: 競馬悟空 | August 23, 2012 at 12:28 AM

東と西というよりも、走る馬を見つければいいだけのことでは?コストパフォーマンスは圧倒的に関東有利だよ。
マクロ的な指標は、全頭関西馬買うわけでないんだから意味無いんでは?
血統や厩舎で買うのであれば、この指標は参考になりますが・・・
一口馬主もそこそこ走ればいい人とG1狙うんだと言う人で買い方違いますしね。
ヒットの延長がホームランということだと思うんですが・・・
逆にほとんど関東馬を買っている私はありがたいんですが・・・

Posted by: 銀言 | August 23, 2012 at 01:04 PM

銀言さん、コメントありがとうございます!

今回は1億円獲得馬ということで、最初は、コストパフォーマンスも意識できれば良いなと思いながら記事を書いていたんですが、やっぱり無理でした。

なので、コストパフォーマンスや回収率を無視して、1億円獲得に届く馬を探すことにしてみました。言ってみれば、各クラブで1頭しか出資できないけど、それでも高額条件の勝ち馬に出資してみたいという無理難題に対する確率論と言えるかもしれません(笑)。

銀言さんのおっしゃるとおり、コストパフォーマンスで考えるなら関東馬中心の出資も有力な作戦だと思います。秋から未勝利、古馬500万下では、関西馬は関東に来なくなるので、関東馬中心の出資はより有利になるかも知れませんね。機会があったら、その辺のことも考えてみたいと思います。

また遊びに来てください!

Posted by: 競馬悟空 | August 23, 2012 at 08:15 PM

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