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August 11, 2012

一口馬主の金言その7

今回も厩舎に関する金言の続きです。

【金言その7:厩舎の重要性を知れ(その2:リードホース)】

調教師自身の能力、厩舎スタッフの能力、調教理論、調教技術、その他最新の調教機材などが重要となるのは前回話しました。しかし、結局のところ馬そのものの素質が足りなければ厩舎の成績は上向くわけもなく、どんな優秀な調教師やスタッフ及び機材を使用しても、一定程度のレベルの馬が集まらなければ上位の成績を残せないでしょう。

ということは、結局のところ馬の能力が一番重要っていうことになるじゃないかと。まあ、それはもっともなのですが、その馬の能力をどのように開花させるかが厩舎の大事な役割ということです。

その厩舎を引っ張るのがリードホースです。厩舎一番馬と言っても良いですね。

馬は群れる動物であり、群れには常にリーダーが存在するものです。強いリーダーがいれば、同厩舎のその他の馬たちはそのリーダーから色々と学ぶことができ、それだけで厩舎全体に好影響を与える可能性があるでしょう。逆に絶対的な強いリーダーがいない厩舎は、その強いリーダーから学ぶことができないわけで、厩舎全体の力が相対的に弱まってしまう可能性があります。

人間も群れる生き物ですから、人間世界に当てはめてみるとわかりやすいかもしれません。色々な例があるかと思いますが、一昔前の貴乃花、若乃花がいたころの藤島部屋は多数の関取を抱える最強の相撲部屋でした。貴乃花、若乃花を筆頭に、安芸ノ島、貴闘力、貴ノ浪、豊ノ海などの関取がおり、互いに切磋琢磨していたわけです。やはり横綱を二人も抱える部屋は、それだけ質の良い稽古ができるでしょうし、他の力士に与える影響も多大であったと思います。

一方で、現在は上記の貴乃花が、引退後貴乃花部屋を率いていますが、いくら貴乃花自身が大横綱で指導者として優秀でも、やはり良い力士がいなければ成績は上がりません。現在の貴乃花部屋は関取は十両が一人だけで、あれだけの活躍をした大横綱の部屋としては寂しい感じです。貴乃花部屋もリーダー的な関取ができることによって変わっていくかもしれません。

相撲の話は置いておいて、このリードホースの効用については色々あると思うのですが、藤沢師が厩舎開業時に、地方競馬で活躍していたガルダンをリードホースとして買ってきてもらって、厩舎の立ち上げに役に立てたという話が有名です。詳しいことは、興味のある方は藤沢師の著書を読んでみてください。

リードホース云々を最近の厩舎事情に当てはめるとどうでしょうか。過去4年にわたって厩舎の看板として活躍したブエナビスタが抜けた松田博厩舎は今年は明らかに成績が落ちています。やはりリードホースが抜けた影響があるのかなと思ってしまいます。もちろんこれだけの厩舎であれば、またすぐ新たなリードホースがあらわれると思いますが。

成績が上がった厩舎では、アルフレードがG1を勝った手塚厩舎が挙げられます。アルフレードやアイムユアーズなどが活躍したことにより、厩舎全体が活気付いて、他の馬たちにも好影響を与えているのではないでしょうか。

厩舎の栄枯盛衰も激しいものがありますが、預託厩舎の良し悪しを判断する際には、自分の出資馬の同期や先輩たちがどんな馬たちなのかをあらかじめ調べておくのも面白いかもしれません。


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