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September 01, 2012

2012年 キャロット募集時評価 関東その1

 お待たせいたしました。本日から何日かかけて、2012年キャロット募集時評価をやっていきたいと思います。今日はまず関東のその1として、1番から13番までです。


1 ディスカバリングビューティーの11 ディープインパクト 牡 4,000万
国枝 B B B B

立ち肩でバランスはもう一歩という感じだが、リズム良く歩けていて、まとまりはある。血統的にはそれなりの背景を持っているが、何といっても全兄が2頭とも走っていない。ディープ産駒は今のところ上が走っている場合は、その全兄弟も走る傾向にあるが、上が走っていない場合は下もあまり走っていない。うがった見方をすれば、そういう感じだからこのクラブに回ってきたのかもしれない。ただし希望が持てるのは、全兄達に比べて、この馬が一番トモが大きく可能性を感じる。上が活躍していないのでどのような条件が向くのかは今一つ定かではないが、脚元の感じからすると芝ダート共用の万能タイプと思えるので潰しはきくだろう。また距離の適正は中距離前後がベストかと思う。厩舎も関東では良い厩舎だし、まったくダメの可能性は少ないと思う。


2 クリソプレーズの11 ディープインパクト 牝 3,200万
久保田 C C C C

この馬も全兄が走っていない。全兄も同じだが、首が太く頭が重い感じ。こういうタイプのディープ産駒は今のところ大きく出世していないように思う。全体のバランスとしてはそれなりにまとまりがあって、歩くリズムも悪くはないが、トモの厚みがもう少し欲しい。このトモの形だと、これから調教が進んでいっても、トモは成長してこないように思う。血統的には叔父にアロンダイトがいるこのクラブゆかりの血統で、しっかりした裏づけを持ってはいるのだが、全兄が走っていない以上過度の期待はしないほうがよいかもしれない。血統背景からはダートに向きそうだが、繋ぎの感じからでは芝向きに思う。このあたりもこの馬の取扱いに悩む部分だろう。色々考えると難しい部分が多い馬ということになる。


3 キューの11 ディープインパクト 牝 4,400万
戸田 C C C C

全兄とトモの形は似ているが、やや直飛な分、瞬発力では分が悪そうだ。繋ぎも兄より短めで太め。全兄のイメージで見てしまうと見誤るかもしれない。この馬もやや頭が重く感じるディープ産駒であり、立ち肩でバランスが正直今一つと感じるが、全兄のエネアドもそんな感じで走っているので、その点はあまり気にしないでもよさそうだ。全兄、半兄ともに芝で結果を出しているので、芝向きと思うが、繋ぎが短めな分、芝で頭打ちになった場合はダートでも潰しがきくだろう。色々と考えると、悪い馬ではないが、全兄より上ということはなさそうに感じる。


4 バイラリーナの11 チチカステナンゴ 牝 2,000万
堀 B C A A

色々問題も生じているが、今関東では一番の厩舎に所属。血統的な裏づけが特にないのが残念だが、柔らかい動きでリズム良く体を大きく使って歩けていてバランスも良い。父の産駒としては珍しいくらいのスタイリッシュな馬体。父の産駒についてはまだほとんど結果が出ていないので何とも言えない部分が多いのだが、もしこういうスッキリした馬体のほうが走るのであれば、面白い存在になりそうだ。半姉のバイラオーラはトモが発達していた短距離馬だったが、この馬はそれなりに胴もあって窮屈なところがないので距離はマイルから中距離くらいのほうが向きそうだ。ダートがダメということはないと思うが、普通に考えれば芝向きだろう。血統的に考えると、大きなところまで狙えるかというと少し疑問だが、夢を見たくなる素材ではあると思う。


5 ディアデラノビアの11 キングカメハメハ 牡 5,000万
牧 B C C C

全体のリズムは柔らかくはないが、キンカメ産駒らしい硬さで特に問題はないように思う。一方で、肩がかなり立っていて、はっきり言うとバランスがあまり良くない。またDVDで見ると正姿勢がとれておらず、やや曲飛で重心が後ろ寄りになってしまっている。そのあたりが指定席であったあの厩舎から関東に送られてきた理由なのだろうか。全体の動きや脚元には特に何らの問題はないとは思うし、総合的には悪い馬ではないから、血統的な裏づけによって活躍してもまったく驚けない。アルファベットの評価自体は奇しくも昨年の全姉とまったく同じになってしまったが、その意味合いは大分違っている。正直な気持ちでは昨年のほうが良かったかなと思う。この馬について距離適正云々を言っても仕方がない気がするが、当然クラシックを目指すことになるだろうし、芝のクラシック路線の距離で過不足ないだろう。


6 チアズメッセージの11 キングカメハメハ 牡 4,000万
手塚 B C C C

キンカメらしいほどよい硬さのある馬で、全体のバランスについては、5番よりはバランスがとれている。半兄2頭とも筋肉質でトモの良さがある馬で、ダートで走っている。この馬も兄たちと同様に筋肉質でトモの良さがあるため、ダートに出てしまうのかもしれない。ただ繋ぎの感じからでは芝でもやれそうではある。血統的には特別な良血ではないのだが、首差しから背中のラインが綺麗な馬で、大物感はある。このクラブでG1を勝った厩舎に所属するし、芝でやれるのであれば、当然クラシックに向かうことになるだろう。


7 ファインセラの11 キングカメハメハ 牡 5,000万
久保田 C B B B

キンカメにしては柔らかく、小さな体を大きく使ってリズム良く歩けている。叔父叔母にブエナビスタなどがゾロゾロいる豪華な血統背景で、全兄は2頭とも勝ち上がっている。兄たちは無事ならこの先も勝ち星を伸ばせそうだし、この馬にも期待がかかる。全兄2頭のどちらにも似てはおらず、脚長な馬なので、瞬発力勝負というよりは先行して粘りこむタイプになりそうだ。5月生まれなので、まだ大きくなるだろうし、兄弟の中では一番大きくなるかもしれない。そういう意味では、似ていないのがプラスに働いた場合には、兄たち以上の活躍もあるかもしれない。よっぽどのことがない限り全然ダメの可能性はないだろうし、確実性の高い馬ではあると思う。


8 ベルフィーチャーの11 キングカメハメハ 牝 2,000万
尾形 D D C C

DVDでは正姿勢をとれていないのが気になるところ。やや硬さがあって父キンカメ、母父タキオンらしい産駒と言えるのかもしれない。繋ぎも立ち気味で後にも力を感じない馬。厩舎も今一つ。血統的にも大きく遡らなければ活躍馬は出てこない。母は繋ぎが立っていて、最終的に繋靭帯炎で引退している。この馬もその母の受け継いで欲しくないところを受け継いでしまっているため、脚元も気になるところだ。総合すると割高という結論になりそうだ。


9 スルーレートの11 ゼンノロブロイ 牡 2,800万
大久保洋 C C B B

確かに前後のバランスは取れているのだが、やや背ったる気味であり、これから調教を進めていくうちに腰に甘さが出ないかどうか心配ではある。全体のリズムは悪くなく、筋肉質で見栄えのする馬なのだが、左右に若干のブレがあるというか、あまり安定感を感じない。こういうタイプはできれば成長を見守りたいところだ。筋肉質でやや太目で短めの繋ぎを持つため、母同様ダートのほうが向きそうだ。数を使ってくれる厩舎に所属するので、うまく嵌れば孝行な馬になるかもしれない。


10 トップモーションの11 ゼンノロブロイ 牝 1,600万
木村 C D D C

カタログの写真は良かったのだが、DVDで動きを見ると硬いところがあり、あまり後にも力を感じない。やはり値段なりの馬というところか。繋ぎは細く、芝向きだろう。所属厩舎は若手で見所のある厩舎なので、大事に扱ってくれそうではある。


11 ガヴィオラの11 ゼンノロブロイ 牝 2,800万
萩原 C B C C

肩はかなりの立ち肩だが、前後のバランスはとれており、全体としてまとまっている。母は米国G1の勝ち馬で半兄のメテオライトもすでに2勝している。一つ上の半兄のコメットシーカーも頓挫はあったが素質馬として期待されていた馬だし、母の繁殖能力は期待できる。ただし、この馬は繋ぎが非常に立っていて、クッションが足りない感じなので芝を使うと故障が心配だ。メテオライトもダートで走っているので、この馬も素直にダートに進むなら問題なさそう。このクラブと相性が良く、無理はしない厩舎なので、大事に使ってもらえれば。


12 リッチダンサーの11 ゼンノロブロイ 牝 1,800万
藤沢 D C C C

半兄のホーカーテンペストよりもこちらのほうがやや繋ぎが立ち気味だが、繋ぎ自体は細めなのでやはり芝向きだろう。ダートもダメではないと思うが、そもそもダートをなかなか使わない厩舎であるので、芝だと思っていてよいだろう。特に硬いところもなく、それなりにまとまっている馬。所属厩舎自体はG1勝ちからは遠ざかっているとはいえ、今でも関東で1,2を争う上位厩舎。厩舎が嫌いでなければ楽しめそうな馬ではある。


13 シーズライクリオの11 ネオユニヴァース 牡 2,800万
萩原 D E B B

トモが薄めでカタログで言うようなグッドルッキングとはちょっと思えない。柔らかくバネのある繋ぎを持ち、柔らか味のある動きでリズム良く歩けているが、父の産駒らしく後肢が流れていてやや曲飛であり、あまり後に力を感じない。また右後にちょっと気に入らない部分がある。繋ぎの長さもあり、基本は芝向きの馬だろう。やや腰高だが2月生まれでこの父の産駒だし、仕上がりは早そう。早めのデビューでポンポンといければ楽しめるかもしれない。


(注)左から、トモ-後脚-肩-全体のリズム、の評価です。
トモはトモの大きさ及び迫力で評価しています。後脚はクセがないか、スムーズか等で評価しています。肩は肩の出のスムーズさ、硬さで評価しています。全体のリズムはスムーズな全身運動ができているかを評価しています。


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