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February 22, 2013

クラブ別の傾向(その2)

 さて、引き続いて、もう少しクラブ別の傾向を深く掘り下げたいと思うのですが、今日は、昨日のデータに加えて、募集価格帯という要素を加えて考えたいと思います。

 競走馬は商品ですから値段があります。高い馬もいれば、安い馬もいます。良血馬は当然高いし、下位種牡馬の産駒や近親に活躍馬がいない馬は当然安くなります。
 ただし、この値段というのは神様が決めているわけではなく、牧場(クラブ)の経営者が決定しているはずですので、当然恣意性が入るわけです。基本的には血統的な評価のみで値付けされていると思いますが、高い馬には当然高くなるだけの、何らかの期待値的な要素があるはずです。
 逆に、安い馬には安くせざるを得ないような要素が、期待値の逆の言葉は思い浮かばないのですが、一種のあきらめというか、「安かろう」だから、という要素が含まれると考えます。
 そういったいろいろな事情を含みながら値段が決まっているとは思いますが、そうは言っても、高い馬も、安い馬も、回収率的には、だいたい同じにならないといけません。偏りがでたら、理論上は高い馬だけが売れなくなったり、逆に安い馬だけ売れなくなったりして、商売としてはうまくいかないはずです。

 まあ、上記のようなことを色々考えた結果、一定の価格帯別に、いつものデータを比較してみようとおもいました。価格帯というのは、6,000万以上を高額、4,000万以上を高価格、3,000以上万~5,000万以下を中高価格、2,000万以上~4,000万以下を中価格、2,000万以下を低価格、1,600万未満を低額、とそれぞれ私が勝手に定義したものです。 それぞれの価格帯ごとに比較してみれば、偏りがあるなら、傾向が見えてくると思うわけです。

 あれ、価格帯って、4,000万以上の高価格帯と、6,000万以上の高額帯って完全に重なってしまってるし、また、2,000万以上と2,000万以下って、2,000万円の馬がどっちにも入ってきちゃうけど?と思われるかもしれません。これはあえて、そういう区分にしています。
 価格帯が重ならないように、2,000万以上4,000万未満、4,000万以上6,000万未満とかすることもできるのですが、そういう区分にすると、母集団も限られてしまい、「△△万円台の馬に活躍馬が多い」とか、「xx万円の馬はダメ」とか、かえって、議論が違う方向に進んでしまうことが考えられます。
 あくまで「価格帯」という大まかな枠組みから傾向をつかむのが目的ですので、あえて、重なった区分にしています。1,600万円未満だけ、「未満」にしたのは、過去の調査で1億円以上稼ぐ馬は1,600万円以上の場合がほとんどというデータがあったため、その場合本当に長打率の項目が0に近づくかを見たかっただけです。
 以下で、全体の回収率、打率、長打率及三振率について、各価格帯ごとに見ていきたいと思います。


(注)
・社台RH、サンデーR、キャロット、東サラ及びグリーンの5クラブが対象です。
・母集団は2006年産から2009年産までの4世代の社台グループ生産馬です。
・ここでの社台G生産馬とは、社台F、ノーザンF、白老F及び追分F生産馬のことです。
・パーセンテージでの表記のものは回収率を示します。
・回収率とは、募集価格のうちに獲得賞金の占める割合のことです。維持費などは一切考慮していないため、回収率が100%を超えているからといって、もうけが出ているわけではありません。
・打率とは、募集馬全体のうちに、回収率100%以上馬の占める割合のことです。
・長打率とは、募集馬全体のうちに1億円以上獲得した馬の占める割合です。
・三振率とは、募集馬全体のうちに獲得賞金が0円の馬が占める割合です。獲得賞金0円の馬とは、レースに出走したものの1回も掲示板に載らなかった馬及びデビューできなかった馬の合計となります。
・表中の※は母集団が僅少(5頭以下)であること示します。


1.全体回収率

Zentai

 全体の明らかな傾向が出ました。社台Fグループ(社台RH、グリーン)とノーザンFグループ(サンデーR、キャロット)との間で明らかな差異が見て取れます。
 グリーンの母集団が僅少な部分を除くと、社台RHとグリーンは低価格帯になるほど回収率が上昇します。一方サンデーRとキャロットは高価格帯になるほど回収率が上昇します。
 これを考察すると次のようなことが言えるかと思います。
 「社台Fがクラブに出している馬は、全体としてクズ馬は少なめで、低価格帯でも募集価格に応じた賞金の回収がそれなりに見込める。一方、ノーザンFがクラブに出している馬は、それこそ歴史的な名馬と言えるような馬も含まれており、高額馬からスターホースが現れる一方、低価格帯の馬はまさに”安かろう”という馬が多い。」
 さらに、注目したいのはキャロットの回収率です。前回の記事では、キャロットは5項目で最下位となり、正直データ上は散々な結果でした。しかし価格帯別で見た場合は、実は回収率が高い部分もあるということです。概ね4,000万円以上の高価格帯は活躍できているということになります。逆に中価格帯以下の馬が全体の回収率を引き下げているとも言えます。
 東サラについては社台FとノーザンFの両方から募集馬がラインナップされているため、判断しづらい部分はあります。東サラの低価格帯の馬の回収率が高いのは、レッドディザイア、イタリアンレッドが引っ張っているのが大きいでしょう。


2.打率

Daritsu

 打率に関しても、サンデーRとキャロットはほとんど一次関数に近いグラフになりそうなくらい、高価格帯ほど打率も良いという傾向にあります。高い馬ほど値段分の活躍ができているということです。この2クラブでは、低価格な馬については、募集価格を回収できる馬すら見出すのも難しい作業になりそうです。
 東サラも、打率では高価格なほど高くなっていきます。やはり低価格帯の回収率が高いのは、例の2頭が引っ張っているだけというのを裏付ける内容です。東サラも比較的高価格な馬のほうが打率は高くなるのですが、4,000万円以上の高価格帯の馬は打率0.000と、判断のしづらい結果です。
 社台RHは鍋底型と言ったらいいんでしょうか、3,000万~4,000万あたりの中価格帯において値段ほどは活躍できていない馬が多いようです。6,000万以上の低額馬か、1,600万未満の低額馬の打率が高くなっているのは非常に不思議です。単なる偶然かもしれません。
 グリーンは低額な馬ほど、募集価格は回収できているということです。社台RHとグリーンを合わせて考えると、やはり社台Fは、安い馬でもそれなりには走れる馬を募集してくれているということかもしれません。


3.長打率

Choudaritsu

 長打率に関しては、社台RH、サンデーR、キャロットすべて似たような傾向になりました、高い馬ほど多く賞金を稼ぐ可能性が高いという、至極当たり前な結論です。
 ただし、ここでも、サンデーRとキャロットは4,000万円程度以上の高価格帯でなければ長打は出にくいのに対し、社台RHは2,000万~4,000万くらいの中価格帯のレベルからでも1億円稼ぐ馬をそこそこ出せているということです。社台RHはこの帯域は打率はあまり良くなかったものの、長打が出る可能性はそこそこあるということですね。
 東サラは母集団が少ないので、価格帯別の長打率はあまり参考にならないと思います。
 グリーンに関しては、そもそも長打がほとんどありませんので参考外と思います。
 あと、やはり1,600万円未満の低額馬については、ほとんど長打の可能性はないですね。もちろん、常に例外の馬はいますので、その例外を追い求めるという戦法ももちろんありうるとは思います。


4.三振率

Sanshinritsu

 三振率も非常にわかりやすい結果になりました。長打率と全く逆です。安い馬ほど、1円も稼げずに終わる可能性が高まるという当然の結果です。しかし、社台RHやサンデーRでも、運が悪ければ6,000万以上の高額馬であっても1円も稼げずに終わる可能性もありうるというのは本当に恐ろしいですね。
 もっと恐ろしいのは、キャロットの低額馬の三振率の異常な高さです。1,600万円未満の馬は、ほとんど2頭に1頭の確率で1円も稼げずに終わっているというのはちょっと衝撃ですね。キャロットで低額馬に出資する際には、今一度落ち着いて考えたほうがよさそうです。


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Comments

自分も簡単に勝利した馬の平均価格を調べて見た事あります!

牡は4000万、牝は1600万で予想通りでした・・・

コツコツならいいですがクラシックや重賞出したいなら↑の金額出さないとかな~りきつそうですね(汗)

過去にトランスワープの全弟(いやに安い・・・1200万くらい)とか脚元、体質難にやられましたね(汗)

特にタキオンとかはキャロットでは酷い感じでした。
といいながらジェラルド買った後に気づいて後悔しましたが(笑)

Posted by: 松 | February 22, 2013 at 02:35 AM

松さん、こんにちは!
キャロットは高額馬の活躍が目立ちますよね。アルフレードやゴットフリートなど高額ではない馬からも活躍馬は出ていますが、確率的にはやはり難しいのだと思います。私もキャロットのタキオン産駒では痛い思いをしたことがあります。でも高額馬で外した場合は、運が悪かったと思ってあきらめるしかないですよね。
 一方で低額馬の場合は、半分はハズレなんだと自分を戒めながら検討したほうがよさそうです。

Posted by: 競馬悟空 | February 22, 2013 at 01:03 PM

競馬悟空さん、こんばんは!

今回も勉強させていただきました。
キャロットでは、低額馬に複数出資するより、
一頭の高額馬に出資、
これが三振を避け長打を狙えるということですね!

その馬がこけたら怖いですけど、
今年の馬選びの参考にします。

Posted by: MarsAttacks! | February 22, 2013 at 10:26 PM

競馬悟空さん、こんばんは^^

社台とノーザンでこれほど明確に傾向が違うのもおもしろいですね(^_^;)
もはや同じグループとは言い難いほどの差だと思います。
キャロとノーザンはわかりやすく高額のほうがいいんでしょうけど、東サラは逆に高額よりもその下のほうが良い結果に結びついてますよね(-_-)

Posted by: レプティリア | February 23, 2013 at 01:30 AM

競馬悟空さん、こんばんは。
いつも貴重なデータ分析ありがとうございます。大変参考になります。

キャロは基本一世代3頭以内で高額馬は1頭だけ。ここ数年はたまたまランフォルセ、リアパク、アーデント、クロムレックと満足した結果が出てます。
でも本当はマイティースルー、ダローネガ、フロアクラフトみたいに募集時に一目惚れした馬が走ってくれるのが一番嬉しいです。

Posted by: うりうり | February 23, 2013 at 05:37 PM

MarsAttacks!さん、こんばんは!
そうですね、キャロットでは色んな馬が募集されますが、安い馬ばかりに出資していると、資金繰りがかえって苦しくなる可能性がありそうです。変に低額馬に複数口行くよりは、最優先枠を上手く使って高めの馬に狙いを定めたほうがいいかもしれません。必勝法はありませんが、確率論ではこれが確実そうですよね!

Posted by: 競馬悟空 | February 24, 2013 at 12:25 AM

レプティリアさん、こんばんは!
そうですよね、牧場でこんなに傾向が違うっていうのは、面白いですよね。どちらも一長一短ありだと思うので、こちらも傾向を踏まえて考えたいですね。東サラは、今までの超高額馬については、どちらかというと、値付けがちょっと高すぎたし、本当の意味で高額であるべき馬ではなかったのかもしれませんね。今後ディープ産駒で超高額馬が出て来たりした場合は、素直に信じたほうがいいかもしれませんね。

Posted by: 競馬悟空 | February 24, 2013 at 12:31 AM

うちうりさん、こんばんは!
お役に立てたならよかったです(笑)。うりうりさんは、まさにキャロットの傾向にあった出資をされていたんですね。素晴らしいです!確かに、高額馬がそれなりに活躍したうえで、さらに、自分の思い入れがある馬が活躍してくれたら最高ですよね。データからは自分の思い入ればかりで低額馬ばかり勝ってしまうと難しそうなので、そのへんのバランスが大事になりそうです。

Posted by: 競馬悟空 | February 24, 2013 at 12:34 AM

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