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February 25, 2013

クラブ別の傾向(その3 まとめ)

 さて、2回にわたって見てきたクラブ別の傾向ですが、ここでまとめをして完結としておきたいと思います。繰り返しになる部分もありますが、今日は実際に募集時のことを念頭に置きつつまとめたいと思います。


社台RH

 色々な角度から見てきましたが、社台RHは一番死角が少ないというか、金太郎飴のようにどこを切っても、そんなに変わらないというのが特徴です。長打を求めるならば、当然高額馬に出資したほうが確率は上がるのですが、社台RHの場合は、低価格馬でもそれなりに楽しめる馬が多いというのも特徴です。1,600万未満の馬でも3割以上の打率があります。また、関東馬でも100%以上の回収率を保っています。
 社台RHは募集時はサンデーRと共同募集となりますので、第一希望枠が使えるのは社台RHとサンデーRの全馬の中から1頭のみとなるわけです。最近の傾向では第一希望はサンデーRの関西馬に人気が集中する傾向があり、その分社台RH募集馬は、かなりの高額馬でも人気の盲点になりがちです。サンデーRよりは高額馬の回収率、打率及び長打率は低くなってしまうのですが、思い切って関東の高額馬を第一希望で狙ってみるというのもありかもしれません。
 逆に、第一希望はセオリー通りにサンデーRの関西馬に玉砕覚悟で挑戦しておいて、第2希望以下で、社台RHの中、低額馬を狙い撃ちするという手もあるでしょう。サンデーRの高額馬で夢を見ながら、ダメだった場合に社台RHの人気の盲点になりそうな馬を抑えとして考えておけば、出資実績がゼロになることもありません。
 また、場外ホームランは狙わず、1億円稼ぐ程度の長打をコンスタントに狙いたいならば、毎年最初から当選確率が低いサンデーRの高額馬は捨てて、社台RHの良さそうな馬を毎年狙い撃ちにするという作戦もあるでしょう。
 さらに最近の傾向を考えると、想像以上に関東馬は売れ残る可能性が高まっています。しかし、データ上は社台RHに限っては関東馬はむしろお買い得とも言えるので、第2希望に社台RHの高額馬を入れておくという手もあります。実際昨年も、社台RHでは、牡馬の高額馬が1次募集で埋まらずに残っていたということもありました。もちろん先立つものがあることが前提ですが、第2希望に社台RHの関東高額馬を入れるというのは、データから考えた場合の作戦としては大いにアリということになるでしょう。
 あと、最後に、出資実績を積み増したいとか、とにかく今すぐ社台の会員になりたいという方は、サンデーRの残口アリの馬よりも、社台の残口アリの馬に応募したほうが、データ上は断然有利でしょう。残口ありの馬は例外なく、関東馬の低額馬ですので、今まで見てきたデータを照らし合わせれば社台RHを選ぶほうがハズレを引く確率は低くなるはずです。


サンデーR

 一口馬主には必勝法があります。それは、「サンデーRの高額馬を買い続けること」です。これが本当なら、こんなに色々とデータを見たりする必要もありませんし、このブログの存在価値もありません。実際、これは本当の必勝法なのですが、会員の方なら、そうは問屋が卸さないということはすぐに理解できると思います。
 どんな大金持ちでも、理論上は第一希望は一人一枠ですので、仮にサンデーRの高額馬を1頭買えたとしても、その他の高額馬には出資できません。したがって、高額馬を独占することは不可能なわけです。
 サンデーRの高額馬、特に関西の高額馬は非常に魅力的ではありますが、当然人気も集中します。下手すると、何年たっても出資できないという事態もあるわけです。ひたすら10年に一度巡ってくる可能性のあるラッキーナンバーを待ち続けるしかないということになりかねません。
 もちろん、そういう戦法もアリでしょう。先ほど社台RHのところで書いたような作戦を使って、自分自身に合った出資計画を立てれば、結構楽しめるかもしれません。
 サンデーRに関しては、自信がなければ関東馬は避けたほうが無難でしょう。東と西で明らかな格差がありますので、迷ったら関西馬を選んでおいたほうが良さそうです。
 また、サンデーRのほうが活躍しているというイメージに取りつかれて、良く考えもせずにサンデーRの低額馬に出資するのはデータ上は考え物です。あくまで過去の実績ベースの確率論ではあるのですが、低額馬だったら社台RHが安定感があります。


キャロット

 キャロットも、サンデーRと同様、高額馬を中心に考えたほうがいいでしょう。ただ、回収率自体がサンデーRに及ばないので、やみくもに高額馬だけに出資しても、運が悪ければ大ダメージを受ける可能性もあります。
 キャロットの場合はとにかく募集馬の抽選方法等が特殊なので、色んな作戦が考えられると思います。現在は社台RHやサンデーRと同様に、最優先(第一希望)枠が最強になりましたので、最優先枠だけで埋まってしまう馬に一般枠で申し込んでも死に票となり意味がありません。ここまでは社台RH・サンデーRとまったく同様ですが、キャロットにはバツ1最優先とバツ2最優先があるので、さらに話がややこしくなってしまいます。その上、母優先枠もあるので、どのように票が分かれるのかは、最後までわからない状態です。
 今年度以降は、前年の最優先落選でバツ1になった出資者が新たに発生しますので、どのような傾向になるのかを予想するのは難しいです。
 確実に言えるのは、いくら運が悪くても、バツ2になれば、そうそう落選はないだろうということです。なので、3年に1回はほぼ確実に好きな馬に出資できると思われます。無理に毎年出資しないという戦法もありえます。ドラクエでいうところの「気合ため」戦法とでも言ったらいいでしょうか(ドラクエをやったことない方意味不明ですいません)、2年に1回、又は、3年に1回、データ上高確率で走りそうな高額馬に出資するという戦法です。
 ただ、この戦法だと、単純に自分の馬が全然出走しなくて楽しくないという根本的な問題が発生してしまいます。複数のクラブを掛け持ちしている人なら面白い戦法かも知れませんが、クラブはキャロットにしか入会していないという方では、この戦法は現実的ではありません。
 キャロットも当然のことながら最近は高額馬から人気になり埋まっていく感じですので、複数の馬を持ちたいとすると、やはり高額でない馬も視野に入れなければなりません。ただ、その場合は、回収率的にはかなり厳しい戦いを強いられるということです。もちろん、その中からいい馬を選出すればいいだけの話ですが。。
 やはり、データ上はどう考えても良い戦法は思い浮かびません。繰り返しになりますが、本物を見抜く目を試される上級者向けのクラブということになるでしょう。


東サラ

 このクラブは社台Gの傘下ではありませんが、実質的オーナーが社台Gの上お得意様である関係上、社台F、ノーザンF両方から募集馬が登場します。もちろんその他の牧場からも募集馬がラインナップされるわけですが、以前示したように、その成績の差は歴然としています。このクラブでも、素直に社台Gの生産馬を信用するのがセオリーになるかと思います。
 社台Fからも、ノーザンFからも、活躍馬は登場していますが、このクラブを代表する活躍馬であるレッドディザイア、イタリアンレッドの2頭の牝馬はいずれも社台Fの生産馬。そして今年クラシックに進む牝馬のレッドオーヴァルも社台Fの生産馬。これは単なる偶然ではないでしょう。牡馬の有力候補を、身内とは言えないクラブに出すことはなかなか難しいでしょうが、牝馬ならば案外簡単に、このクラブに出てくる可能性は今後もあると思います。ノーザンFはキャロットに加えシルクという傘下が増えましたが、社台Fが募集馬を提供しているのはグリーンのみ。新たな販売経路として、このクラブはそれなりに大事にされるはずと思います。そういう深読みも合わせて、社台F生産の牝馬を狙い撃ちにするという戦法は大いにアリかなと思います。
 次に、セオリー通りに考えるなら、このクラブも高額馬はそこそこの打率・長打率は残していますので、高額馬はそれなりに信用していいのかなと思います。しかし、過去には高額な地雷もありました。そのあたりの見極めには注意したいです。
 そういえば、昨年の募集から、何の前触れもなく最優先枠が登場しました。このクラブでは、特に何の事前連絡もなしに、ある日突然方針が決まったり、プロジェクトが始動したりすることも普通です。なので、最優先枠が突然登場した時も特に混乱はありませんでした。キャロットのように会員数が多いわけではないので、即満口の募集馬は2頭くらいという感じです。したがって、上記の3クラブのように作戦で頭を悩ませることはありません。
 ただ、最近は以前に比べ満口警報が出てから満口になるまでのスパンが短くなってきた気がします。他クラブからの流入も含めて、確実に会員数は増えていると思います。それでも、キャロットとは比較にならないくらい自由に募集馬の選定ができるクラブですので、その良さを生かして出資する側もじっくりと吟味したいですね。


グリーン

 私は会員ではないので勝手なことは申し上げられないのですが、データを見る限り、リーズナブルに楽しめそうなクラブだなと思いました。大物が登場しないのは少しさみしいですが、それでも回収率、打率ともにハイアベレージであり、魅力的なクラブです。
 このクラブもじっくり選べそうなクラブです。様子を見ながら、データ上成績のよい牝馬を中心に出資するのが面白いのかもしれません。


 何だかんだで、社台・サンデーの次の募集までもう4か月ないわけです。募集が近づいてきたら、馬そのものを見るのに精一杯で、こんな作戦だの何だのを考えている暇もありませんので、今のうちにまとめておきました。募集の時期が近づいてきたら、忘れないように自分も見直したいと思います。


 

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Comments

競馬悟空さん、こんばんは^^

それぞれ狙い方が違って、おもしろいですね(^_^)v
キャロは小口クラブの筆頭ゆえ難しいことになってる感じでしょうか(-_-)
僕は40口には参加できませんので、東サラが
一番向いてるのかなという気がします(^_^;)
シルクも徐々にキャロ化していくのでしょうかね~(>_<)

Posted by: レプティリア | February 25, 2013 11:09 PM

レプティリアさん、こんにちは!
キャロットは、やっぱり全体の回収率が77%しかないので、何も考えずに馬を選ぶとほぼ確実に大損失になるっていうところが難しいですね。特に、低額馬を何頭も買ってしまうと、損失が拡大しやすくなるところが難しいです。最優先で高額馬ハズレ→代わりに低額馬を2~3頭買う、というパターンで嵌ってしまう可能性があるかなと。低額馬も、そうそう様子見もできない状況ですので。。
 シルクはまだまだキャロットのようになるには時間がかかるでしょう。キャロットも私が入会したころは今とは全然違いましたし。でも今後着実に会員数は増えていくとは思います。

Posted by: 競馬悟空 | February 26, 2013 01:24 PM

お久し振りです。
やはりクラブの比較は面白く見させて頂いてます(笑)社台・サンデーのカタログが届くと価格や血統で結局8頭位出資候補馬が出てしまい、どの馬を第一候補で書くか本当に困ってしまいます。
結局、1頭しか当たりませんし人気集中馬となると全部ハズレて二次募集馬となります。
年1頭しか入らないので大当たりがないですが、カタログが届くと競馬悟空さんの馬体評価とコメントを参考にさせて頂いています。
今後も面白い情報を待っています

Posted by: 。 | February 26, 2013 06:11 PM

有り難く参考にさせて頂いております。
今年は社台・サンデーに集約されることなく、G1さんにも募集馬が広がるので人気は拡散するんじゃないでしょうか?
今年の募集馬も参考にさせて頂きたいと願っていますので、今後も有為な情報提供をお願い致します。

Posted by: ねこだねこきち | February 26, 2013 09:25 PM

こんばんは。谷中小学校です。この一連の記事、とても興味深く拝見させていただきました。感覚的になんとなく分かっていることでも定量的に見ると説得力もあるし、考えさせられることしきりです。仰るようにキャロは上級者向けのクラブだと思います。写真の見せ方がうまく、会員さんへのあおり方も上手。サービス面では群を抜いていて、興味のある友人を誘いやすい。だから会員数も増える。しかし、私も含め所謂初心者の比率が高いので、「あーこの馬かわいい」で馬を買う。で、虚弱系で失敗するという絵に描いたパターンですね。でも、私、キャロ好きなので、ここで当たり馬を選べるよう、いろんな力を磨いていきたいと思っているのです。社台も仰るように狙い目だと思っています。私は11年産駒はサンデー関東に行きましたが、12年産駒ドラフトはよくよく考えて選馬をしたいなあと思いました。

Posted by: 谷中小学校 | February 26, 2013 11:53 PM

。さん、お久しぶりです、こんにちは!
楽しく読んでいただけたなら何よりです!
社台サンデーはとにかく第一希望がすべてですから、毎年悩みますよね~。強気に行って全部外れたら実績も減ってしまいますから、第一希望で強気に行くのか、それとも確実に行くのか。まだ色々記事として書きたいことは残ってるのですが、すぐに6月の募集時期が来てしまいそうです。今年も馬体については昨年同様に、さらに、その他のデータを加えて募集馬選定の参考になるようにしたいと考えていますので、楽しみにしていてください。

Posted by: 競馬悟空 | February 27, 2013 02:08 PM

ねこだねこきちさん、こんにちは!
確かに今年はG1で募集馬数が増加しますので、分散するかもしれませんね。その辺のことも踏まえて状況をよく見ながらどういう応募をしていくか考えないといけないですね。今年も募集時期には何かの参考になるように、募集馬について書いていく予定です。色々と考えていることはありますので、楽しみにしておいてください。
 あと、ねこだねこきちさんのブログを拝見させていただきました。もし差支えないようであればリンクさせていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか?もしリンクしてもよいということであれば、ご連絡いただければと思います。よろしくお願いいたします。

Posted by: 競馬悟空 | February 27, 2013 02:15 PM

谷中小学校さん、こんにちは!
そうなんですよねえ、おっしゃるとおり、キャロットはサービスが充実しているだけに、どの馬も良く見えてしまうという、幻惑効果があると思います。色々な思いを排して、データだけ見るとキャロットは本当に厳しいクラブだなあと思います。でも、わかっていても欲しくなる。そこがキャロットの凄さ、素晴らしさでもあります。同時に、自分自身を律しないと、大損する可能性もあるということで、やはり上級者向きですね。
 私も11年産はサンデーR関東なんですよね(笑)。まあ1.5次募集だったので満足してますが、先にデータを調べてたら迷ってたかもしれないです。私も今年はデータも踏まえてじっくり考えたいと思っています!

Posted by: 競馬悟空 | February 27, 2013 02:23 PM

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