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April 29, 2013

ネオユニヴァースの実力

短評:「走る馬を見抜くのは宇宙の神秘の解明よりも難しい」

 さて、種牡馬の実力のシリーズも、いよいよ本丸に近づいてきました。今日はネオユニヴァースの実力です。ハズレを出す確率も高いと感じる種牡馬ではありますが、毎年産駒がクラシックに絡んでくる種牡馬だけに無視できません。それでは見ていきましょう。

Neo_2

(注)
・母集団は2006年産から2009年産までの4世代の社台RH、サンデーR、キャロット、東京HR、G1、グリーン、シルク及びウインで募集の社台グループ生産馬です。
・募集馬のうち原則として、社台F、ノーザンF、白老F及び追分F生産馬のみを対象としています。
・馬主・・・社台GO→社台グループオーナーズの略です。
・回収率・・・募集価格に対する獲得賞金の割合です。100%を超えていれば募集価格分は回収したことになります。ただし維持管理費などは考慮されていない値なので、100%超だから利益が出ているというわけではありません。
・表中ピンク色は回収率100%以上、グレーは未出走馬を示します。。
・打率とは、募集馬全体のうちに、回収率100%以上馬の占める割合のことです。
・長打率とは、募集馬全体のうちに1億円以上獲得した馬の占める割合です。
・三振率とは、募集馬全体のうちに獲得賞金が0円の馬が占める割合です。獲得賞金0円の馬とは、レースに出走したものの1回も掲示板に載らなかった馬及びデビューできなかった馬の合計となります。


1.全体の回収率

全体 106.1%

 平均が大体100%ピッタリですから、平均よりはやや良いという感じで、まあ大体イメージ通りかなというところでしょうか。


2.牡牝別

牡馬 102.5%
牝馬 113.3%

 期待を裏切って、牝馬のほうが高くなりました。そんなに目立った差ではないですが、ネオユニヴァース産駒の牝馬はダメというのがほぼ定説と思っていたので、ちょっと意外な気はします。ただ、あくまで回収率をベースに見た場合であって、実際に買うべきかどうかはまた違ってきます。その辺のことは後で詳しく述べます。


3.東西別

東 71.5%
西 136.6%

 西が圧倒的ですね。まあ、こういう人気種牡馬の期待馬は関西に有力馬が集まる傾向にあるので、特に驚くべき内容はありません。


4.生産牧場別

社台F 94.3%
ノーザンF 128.9%
白老F 71.9%
追分F 96.5%

 ネオユニヴァース自身は社台F出身ですが、その産駒はノーザンF生産が好成績をあげています。理由はよくわかりませんが、この傾向は少し心に留めておいた方が良いです。


5.クラブ別

社台RH 81.6%
社台GO 60.8%
サンデーR 182.2%
キャロット 66.1%
その他 177.8%

 クラブ別ではサンデーRが抜きんでています。このへんの考察は後でします。その他が非常に高いのは、イタリアンレッドがデータを引っ張り上げているという事情が大きいです。


6.打率・・・0.253

 打率は高くはないですね。かといって低くもないので、まあリーディング上位種牡馬の中では許せる範囲かなという感じです。 


7.長打率・・・0.080

 長打率は平均よりも高く、クラシックを狙える種牡馬としては及第点というところでしょう。


8.三振率・・・0.213

 個人的には三振が凄い多いイメージがあったのですが、そんなこともないですね。三振率に関しては至って普通という感じです。打率、長打率、三振率を考えると、プロ野球でいうなら、長打もありうる7番打者という感じでしょうか。


9.デビュー率・・・0.947

 デビュー率もまあ、普通くらいかなという感じですね。


10.総評

 ネオユニヴァース産駒は専門家にも判別が難しいそうです。岡田牧雄氏も雑誌でそう語っていましたし、実際、POG本でも、誰もかれもが絶賛していた産駒が今一つ期待通りに走らないというのも、この種牡馬の産駒によくある話です。そう考えると、ネオユニヴァース産駒は馬体で判別すると、かえって罠にはまってしまうのかもしれません。

 ということでデータ面からのアプローチになるわけです。ネオユニヴァース産駒はかなり偏りがあります。少しずつ見ていきましょう。
 まずは、誰もが気になる牡牝の差についてです。先ほど、回収率で見ると、牝馬のほうが優勢になってしまいました。牝馬もイタリアンレッドやミクロコスモスなど、長打がないわけではなく、回収率では決して牡馬には劣りません。また、牝馬は極端な傾向があって、高額馬は走らないという不思議な傾向があります。過去、2,500万円以上で募集された牝馬は1頭も回収率は100%に達していません。全クラブ全牧場で考えたとしても、未出走も含めて、2,500万円以上の募集馬の半数が獲得賞金ゼロ。三振率5割という恐ろしい結果です。
 原因は色々あると思います。体質難、脚部不安もあるでしょうが、一番多いのは気性難(入れ込み、やる気ゼロ)でしょう。ネオユニヴァースの産駒は気性が安定しない産駒が多いのですが、牝馬は特に多い印象です。しかも、牝馬の場合はセン馬にするなどの気性対策も不可能なので、「気性難=終わり」ということになりかねません。気性面は価格に反映されていないと思うので、血統的にはいい馬だが、蓋を開けてみたら気性難等でダメでしたというパターンが多いのかなと思います。要するに、この気性に関する部分が、ネオユニヴァース産駒に関して、専門家をも悩ませる原因だと思います。まとめて、至極簡単に言うと、ネオユニヴァースの牝馬に関しては、社台Gの設定価格はあまりあてにならないということです。
 牝馬に関しては、逆に、低価格とまではいかない、中価格の馬が非常に高いパフォーマンスを発揮しています。募集価格が1,600万円以上2,400万円以下で見た場合、回収率169.1%、打率0.353、長打率0.118、三振率0.235と、全体の平均と比べてもかなり高い値になります。
 ネオユニヴァースの牝馬に関しては、毛嫌いする必要はなく、とにかく気性に問題がなさそうで、体質が良さそうな中価格馬を選べば、意外と面白いのかもしれません。

 では、ネオユニヴァース産駒全体で見た場合は何に気をつければいいでしょうか。これも、ものすごく偏ったデータが出ました。ネオユニヴァース産駒全体で言えば、「ノーザンF生産のサンデーR所属馬」に絞れば、回収率206.9%、打率0.700、長打率0.300、三振率0.100という素晴らしい成績になります。
 これは、ノーザンFのほうがネオユニヴァース産駒に合った育成ができているということでしょうか。いや、と言うよりは、キャロットの同様のデータを調べると、回収率70.1%、打率0.143、長打率0.071、三振率0.429と、あからさまな差があるので、牧場側からすれば振り分け易い種牡馬であり、良駒がサンデーRに残った結果こういう偏りが出たと考えるのが妥当な気がします。
 そう考えると、今後もサンデーRからはネオユニヴァース産駒の大物が出てくる可能性は高いと思います。ただし気性面だけは、幼いうちから見抜くのは専門家でも難しいでしょうから、データに整合しても、その点で残念な結果になってしまうことはあるでしょう。

 ネオユニヴァース産駒は、いかにも良く見える高額馬も結構多いのですが、変に馬体で判断するよりは、データである程度絞ってから判断したほうがいいのかもしれません。

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Comments

競馬悟空さん、こんばんわ
ホーカーハリケーン、マエストラーレ、ミクロコスモス、ペンテシレイア、この4頭は募集時に出資を前向きに検討した馬で、共通点は牝馬にしては大型馬であるという事でしょうか。
ネオユニヴァース産駒は元々大型馬が多く、芝でも骨格の大きさを生かしてパワーで走る感じなので、活躍するには性別を問わず馬体重が470kg以上ある馬が有利な気がします。

Posted by: うりうり | April 29, 2013 at 09:34 PM

競馬悟空さん、こんばんは^^

いよいよ残り少なくなってきましたね(^_^)v
今回のネオも一般的なイメージとは違う結果で驚いています(>_<)
牝馬のほうが良くて、回収率も100%を超えてるなんて。
高い馬が走ってないから、イメージが悪くなってるってことでしょうか(^_^;)
馬体でだまされるというのはシンクリと似たものがありますね。
あとは気性という見た目で不確定な要素が最大のポイントとなりそう(-_-)
僕的にはサンデーRには縁がないから、この貴重なデータは
POGで生かしたいところです(^^)/

Posted by: レプティリア | April 29, 2013 at 09:52 PM

競馬悟空さん、こんばんは♪この企画、大変興味深く拝見しております。ご一緒のネオリアリズムにとってあまり良いデータではないですが、あの馬は別と信じたいですね。友達が某有名調教師に自分の預託馬以外でキャロ馬で1頭選べって言ったらどれにする?ってお聞きしたら、ネオリアリズムだったので良い馬だとは思っているのですが…
ネオ産は、曲飛、気性難、アタリハズレ大きい、早枯れなど、色々と言われますが、牝系によって変わりますよね。イタリアンレッドも決して 早熟じゃなかったですし…
私、キャロでもう一頭、ステラストリームというネオ産駒ももっていてこっちも期待しているんですが♪ ではまたー。

Posted by: 谷中小学校 | April 29, 2013 at 10:40 PM

競馬悟空さん、こんばんは。データを見させて頂きました。ちょっと意外な結果でしたね。ノーザンF産でもキャロットとサンデーRで差がありますね。今回の2歳馬でネオリアリズムとピオネロがネオ産駒ですが、気性面では正反対の様ですので、よく判ります。競馬悟空さんも見ているネオリアリズムは大人しいですがピオネロは神経質というか落ち着きがない感じでした。ネオ産駒の気性は見てきたので判った気がします。でもこればかりは見ないと駄目ですね。牝馬が走らないというイメージは捨てた方が良いですね。

Posted by: パパディー | April 29, 2013 at 11:19 PM

うりうりさん、おはようございます!
教えていただきありがとうございます。確かに馬格のある馬のほうが成績が良いですね。牝馬でもあまり馬格がない馬は苦戦しそうです。馬体の大きさで、ある程度絞り込みをかけていくというのは使えそうですね!

Posted by: 競馬悟空 | April 30, 2013 at 09:26 AM

レプティリアさん、おはようございます!
ネオの牝馬は確かに高額馬が走っていないというのもありますし、やはり牡馬に比べてクラシックで通用する馬がいないというのもイメージが悪い理由でしょうね。ネオユニヴァース産駒はとにかく気性が問題となることが多いので、その点は出資する前に十分気をつけたいですね。ただ、競馬に行ってどうなるかは、誰にもわからない部分でもあるので、専門家も頭を悩ませる事態になるんだと思います。専門家でも眼鏡違いがよくあるくらいなので、自信がなかったら、サンデーR以外のネオ産駒にはあまり突っ込まないほうがいいかもしれないですね。

Posted by: 競馬悟空 | April 30, 2013 at 09:33 AM

谷中小学校さん、おはようございます!
ネオリアリズムにとっては、確かに芳しくない内容となってしまい、ちょっと残念です。でも、気性がおとなしめなのはプラスに働くはずなので、その点に賭けたいです。また、ご友人のお話は非常に心強いですね!馬体は品があって、厩舎も信頼できるところですから、データを覆す活躍を祈りたいです。
 ネオ産駒だから早熟というわけではなさそうですよね。クラシックを目指した結果競走生活が短くなったり、いろんな事情があると思います。ただ、絶対走ると言われていた馬が走らないパターンは、ほとんどが気性の問題なので、その点はやっぱり気になります。ステラストリームも順調そうで何よりですね!厩舎もこの種牡馬の産駒をよくわかっていると思いますし、これからが楽しみですね。

Posted by: 競馬悟空 | April 30, 2013 at 09:47 AM

パパディーさん、おはようございます!
ピオネロは牧場のコメントからは、若干気性面は心配なところがありそうですね。牧場で実際に見てみると、気性面のことをじかに感じることができるので、その点実際に見るというのは意味がありますよね。牝馬は価格も安いので、回収率で見た場合は、むしろ良いんですよね。ただ、G1レベルの馬はいないので、その点は物足りないかもしれません。でも最優先で外れた場合の押さえとしてなら、十分アリなデータだと思います。

Posted by: 競馬悟空 | April 30, 2013 at 09:53 AM

競馬悟空さん、こんにちわ!
ネオユニが現役時代は応援していた一頭ですが、産駒の読みが余りにも難しいとのことで私の様な素人には難しいと避けております。

やっぱり今年の本家募集馬は無難にシンクリ産駒に注目しようかなって思っています。

Posted by: ねこだねこきち | April 30, 2013 at 11:23 AM

ねこだねこきちさん、こんにちは!
ネオユニヴァース産駒は、牡馬ならクラシックを狙えるというのが何よりの魅力ですが、その分選定が難しいです。クラシックを狙いに行くのでなければ、シンボリクリスエス産駒のほうがデータ上も有利ですよね。私も今年は、よっぽど気にいった馬でなければ、ネオユニヴァース産駒は無理に狙うのはやめようかなあと思っています。でも実際にカタログを見たら、データを無視して買いたくなったりするかもしれないので、結局は自分の精神力が一番大事なのかもしれません(笑)。

Posted by: 競馬悟空 | April 30, 2013 at 12:37 PM

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