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April 04, 2013

ダンスインザダークの実力

短評:「4億9,000万円も今は昔」

 今日はダンスインザダークの実力です。かつてはセールで高額で取引されたり、クラブでも高額馬が多数いました。さて最近はどうなっているでしょうか。


Dance

(注)
・母集団は2006年産から2009年産までの4世代の社台RH、サンデーR、キャロット、東京HR、G1、グリーン、シルク及びウインで募集の社台グループ生産馬です。
・募集馬のうち原則として、社台F、ノーザンF、白老F及び追分F生産馬のみを対象としています。
・馬主・・・社台GO→社台グループオーナーズの略です。
・回収率・・・募集価格に対する獲得賞金の割合です。100%を超えていれば募集価格分は回収したことになります。ただし維持管理費などは考慮されていない値なので、100%超だから利益が出ているというわけではありません。
・表中ピンク色は回収率100%以上、グレーは未出走馬を示します。。
・打率とは、募集馬全体のうちに、回収率100%以上馬の占める割合のことです。
・長打率とは、募集馬全体のうちに1億円以上獲得した馬の占める割合です。
・三振率とは、募集馬全体のうちに獲得賞金が0円の馬が占める割合です。獲得賞金0円の馬とは、レースに出走したものの1回も掲示板に載らなかった馬及びデビューできなかった馬の合計となります。


1.全体の回収率

全体 65.8%

 高くはない、というか、低いですね。タッチミーノットを含む社台GOの馬を含まなければもっと低くなります。オーナーズの所属馬を除く実質的な一口クラブの馬だけで考えると39.2%と非常に低くなります。最近は特にその傾向が高いのですが、ダンスインザダーク産駒で走る馬はほとんど個人馬主の所有となっている感じで、クラブにはいい馬は回ってきていないという印象です。まあそれも2007年産までの話で、それ以降は社台G生産馬でも活躍馬はいないのが現状です。


2.牡牝別

牡馬 103.2%
牝馬 44.9%

 一般に言われているように牡馬優勢となりましたが、これもタッチミーノットが頑張って引っ張り上げているだけです。それを除けば、最近のクラブ馬に関しては言われているほど牡馬優勢ではありません。むしろ、牡馬については2007年産くらいまでは非常に高い値段がつけられていたこともあり、どのクラブにも高額地雷が発生した関係上、むしろ牡馬のほうが回収率は悪いと言ってもいいくらいです。


3.東西別

東 90.0%
西 41.7%

 東西別もタッチミーノットが東のデータを押し上げているだけで、特別な偏りはなさそうです。


4.生産牧場別

社台F 165.0%
ノーザンF 20.9%
白老F 39.0%
追分F 100.1%

 最近は社台F生産馬が高い値です。ノーザンFは逆に低くなっています。社台Fではまだ細々と産駒が生産されていますし、社台F産が一番期待できそうです。


5.クラブ別

社台RH 46.5%
社台GO 243.1%
サンデーR 28.9%
キャロット 20.2%
その他 108.9%

 非常にわかりやすく、社台GOが飛びぬけています。純粋なクラブ馬ではグリーンのオルトリンデが頑張っていて、その他のクラブのデータが高くなっています。


6.打率・・・0.175

 打率も悪いです。社台GOの馬を除くと0.114となり、さらにひどい値になります。ここ最近でダンスインザダーク産駒に出資して満足な成績を収めた人はかなり少ないのではないでしょうか。


7.長打率・・・0.025

 40頭の母集団に対して長打はタッチミーノット1頭のみです。純粋な一口クラブ馬としてはゼロということになります。

8.三振率・・・0.150

 意外にも三振率は高くないです。元々はG1馬も複数出している種牡馬ですから、クズばかり出すということではないということでしょう。


9.デビュー率・・・ 0.975

 デビュー率は良い値です。最近は安い馬が多いですが、デビューまではたどり着けている馬が多いのは心強いです。


10.総評

 デルタブルースやザッツザプレンティをはじめ、クラブでもG1馬を輩出してきましたし、一時はサンデーの後継一番手という感じの期待がかかっていた時期もありました。有名馬主のお二方がセリで産駒を争い、4億9,000万円という破格の値段がついたこともありました。今となっては、早くも懐かしい感じがしてしまいます。
 最近でも、2009年産のクラレントなど、ごくわずかに活躍馬が出てきていますが、ほとんど例外に近い存在です。2008年産以降では、クラブ馬に限らず、ほとんど活躍馬はいません。
 クラブ馬に関しては、最近はオーナーズ所属の馬を除くと、本当に成績が低迷しています。打率も悪く、長打もなし。デビュー率は高く、三振率は低いですが、逆に言えば下級条件でくすぶってしまう馬が多いということでもあります。
 2011年に社台SSを追放となっていますが、まだわずかながら社台Gでも産駒の生産は続いており、今年もクラブで募集されると思います。しかし、この種牡馬によっぽどの思い入れがあるか、または母方に思い入れがない限りは、手を出すのは避けておいたほうが無難でしょう。


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Comments

競馬悟空さん、おはようございます^^

やはりというか社台を追放になったのも頷ける結果ですね(-_-)
菊花賞を2勝してるように、スタミナはあるけど、
日本競馬に欠かせないスピードが足りないのが
多かったということなんでしょうかね~。゜゜(´□`。)°゜。
フジキセキとよく長男二男なんて言われますが、
フジキセキにはスピードありますもんね(^-^;
さて、いつも種牡馬分析お疲れ様ですm(_ _)m
有力どころが何頭か残ってると思いますが、
あとどれくらいでしょうか?各馬の結果を並べて見てると
興味深くて、ずっと考えてしまいます(*゚ー゚*)(笑)

Posted by: レプティリア | April 04, 2013 08:09 AM

レプティリアさん、こんにちは!
さすがにダンスインザダークはここからもう一花・・というわけには行きそうにないですね。長距離向きで胴長の産駒が出ることが多く、最近の競馬の傾向とはズレてしまっていたのかもしれません。でもこういうタイプは逆にBMSとして活躍することもありますので、今後はそちらに期待したいです。
 種牡馬の実力シリーズで、あの残っている馬でやることを決めているのは、ディープインパクト、キングカメハメハ、ネオユニヴァースは当然として、サクラバクシンオー、ゴールドアリュールまでのつもりです。ダイワメジャーは現4歳世代からしか産駒がいませんので、他の種牡馬と横の比較が困難であるため、やるかどうかわかりません。やったとしても参考情報という程度になるでしょうか。
 本当に各種牡馬を比較してみると色んな特徴があって面白いですよね!

Posted by: 競馬悟空 | April 04, 2013 12:32 PM

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