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January 16, 2014

種牡馬の実力2014(総合その5)

 今日は総合データの5回目となります。

 前回、4回目の終わりに、次回から個別の種牡馬ごとのデータですとか言いながら、結局「総合その5」が始まってしまいました。大変申し訳ありません。もう少しだけ総合的なデータを補充してから個別の種牡馬について記事にしたほうが良いと判断したためです。

 5回目の今日は、募集価格についてです。価格は人間側が決めているものですが、基本的にはその募集馬の血統で決まるものと考えられます。ごくまれに、馬体が素晴らしいのでその分価格が上積みされたという例もありますが、その場合でも、上積みの幅は1割2割程度です。普通は値段が倍になることはありません。なので、大雑把ではありますが、馬の価格は8割が血統から構成され、残りの2割が他の要素によると考えて良いと思っています。

 そもそも、リーディング上位種牡馬は成績が良い仔をたくさん輩出するから上位に居られるわけです。普通に考えれば、種付け料の高い上位種牡馬の産駒であり、価格が高い馬のほうが当然成績も良くなるはずです。
 良血繁殖牝馬にリーディング上位種牡馬がついた馬が高額になり、近親に活躍馬がいない繁殖牝馬にマイナー種牡馬がついた馬が低額となるというのが原則です。わかりきった話ではありますが、理論的には、血統で価格の大部分が決まるというのは納得がいきます。

 ここでは、その募集馬の価格と成績を、「種牡馬の実力」で扱うデータに擦り合わせて考えてみましょう。

 今回は、社台G生産馬のデータのみを用います。何でかと言うと、社台G生産馬の値付けは、牧場側での値付けの意志決定が概ね一定していると考えられるため、より価格と成績の関係性が明確になるはずであると思うからです。

 まずは、理論的な前提を考えてみましょう。


1.回収率

 募集価格に対する回収率は、基本的には価格がいくらであったとしても、一定であるはずです。募集馬の価格は、生産者側が、血統的な価値に準じて金額を設定してくると考えられます。価格に血統的な価値が含まれている以上、回収金額は募集価格に応じたものとなるはずです。社台G生産の2,000万円の牡馬だったらデータ上の97.9%(社台G牡馬)を乗じた1,958万円くらいに収束してくるはずです。同様に、4,000万円の牡馬だったら、やはり97.9%を乗じた3,916万円くらいに収束するはずであるということです。
 基本的には、1,000万円の馬も、1億円の馬も回収率的には同じであるはずというのが理論上の仮定となります。


2.打率

 これも回収率と同様と考えられます。1,000万円の馬も、1億円の馬も募集額まで回収できる確率は理論上同じはずです。


3.長打率

 これは、価格が高いほど上がっていくと考えられます。価格が1,000万円の馬と価格が1億円の馬で、1億円稼ぐ確率が同じだったら、誰も1億円の馬は買わないですものね。したがって、理論上は長打率は価格とともに逓増していくはずです。


4.三振率

 これは長打率と逆で、価格が高くなるほど下がっていくと考えられます。高い馬はその募集価格が高いだけに、一度も掲示板に上れないような、とんでもない大ハズレは少ないはずです。結果として1勝で終わってしまってハズレだったなということはあるでしょうが、まるっきりダメの可能性は比較的少なくないはずです。
 まるっきりダメの可能性が安馬と同じであったら、回収率が安馬と高馬で一定になるはずという上記1の理論が成り立たなくなります。


 とまあ、考えればどれも当たり前の傾向になるはずですが、実際のところはどうでしょうか。
 では見てみましょう。
 
 なお、価格の区分については、何ら理論的な根拠があるわけではなく、私が今まで集めてきたデータ等から、安い、安め、普通、やや高め、高め、高い、というような感覚で、なるべく頭数が近くなるように区分しています。牡馬について1800万未満と以上で区分したのは、長打が出るのが1,800万以上だったためです。


価格別社台G牡馬
Kakaku_shadaig_boba


(1)回収率

 全然理論と一致しないですね。頭数もある程度まとまっていて少なくはないですし、明らかにブレがあるということです。ただし、このブレは、場外ホームラン的な馬が作り出しているとも言えなくはないです。1,800万~2,399万の区分ならばフェノーメノやウインバリアシオンがデータを引っ張り上げていますし、6,000万以上でもオルフェーヴルが引っ張り上げているという傾向はあります。
 でもまあ、そういう馬も含めての平均データでなければ意味がない部分もあります。データを素直に受け止めるなら、6,000万以上の高額牡馬には確実に大当たりが多く含まれているということです。
 同時に、なぜか1,800万~2,399万のところも高くなっています。これについては理由はよくわかりません。確かに先ほども指摘した、フェノーメノやウインバリアシオンがデータを引っ張り上げているというのが一番の原因ですが、この区分は長打率も悪くないですし、偶然として片づけたくない何かがありますよね。
 ここで理由付けとして考えられるのは、やはり馬の値段は血統を根拠にされているということです。つまり、血統的には大したことなかったけれども、競馬に行ったら強かったという馬が結構いるということでしょう。血統だけではない、何か。馬体なのか、厩舎なのかはハッキリしませんが、違う要素が絡んでいるということは確かでしょう。まああんまり深く考えず、素直に、よくわからないけどお買い得な区分と考えておいても良いと思います。
 逆に、1,800万未満は明らかに値が低いですね。これは、例えば、牡馬の場合は1,000万が実質の最低価格なわけですが、実際には1,000万円に満たない価値の馬が多く含まれているということを意味する部分もあるかと思います。


(2)打率

 打率も一定であるべきなのですが、やっぱり偏ってしまいますね。やはりここも6,000万円以上の馬が抜けています。打率は回収率と違って、特定の馬がデータを引っ張り上げることはできません。したがって、偏りが出ているということは人間側の値付けが理論値と食い違っているということになります。
 これはさっきの1,000万円未満の馬の理論と逆の理論で、いくら素晴らしい馬でも、青天井で値付けすることができないというクラブの特性もあると思います。回収率の部分にも共通して言えることですが、要するに5億稼げそうと思っても、4億という値付けにはできないということですね。もしかしたらそれでも買う人もいるのかもしれませんが、現実には難しいと。
 あとは、馬の質が素晴らしくて、値付けをする側の予想を超えて走ってしまったということも考えられます。これは良血繁殖牝馬を多数抱える社台Gだからこそ生じ得る「恵み」であると思います。
 逆に、1,800万未満のデータが低いのは、先ほど回収率のところで指摘した内容と根拠は同じであると推測されます。


(3)長打率

 長打率は、6,000万円以上の馬の中には、募集価格がすでに1億円以上である馬が11頭いるわけです。なので、6,000万円以上のところが圧倒的に高くなるのは自明ではあります。2,400万~2,999万の部分が理論に反して下がってしまっているのが気になるところではありますが、まあ誤差の範囲でしょう。そもそも区分自体に根拠があるわけではないので、ある程度のブレは当然とも言えます。
 一応、概ねではありますが逓増していると見えなくもないので、だいたい理論通りと考えていいのではないでしょうか。長打が出る根拠は、まずは血統にあるのだと言えるかもしれません。


(4)三振率

 やっと理論通りのデータが出ました。三振率は綺麗に価格が上がるにつれ、逓減していきます。血統どおりとも言えます。

価格別社台G牝馬
Kakaku_shadaig_hinba


(1)回収率

 牡馬よりは理論に近いと思います。2,200万未満であれば概ね一定と言えそうですし、3,200万以上は、ジェンティルドンナがデータを引っ張り上げているからとも言えます。


(2)打率

 これも、牡馬に比べれば安定していて、概ね一定と言って良さそうです。3,200万以上のところが高めなのは、牡馬のときと同じで、血統以上に走った素晴らしい馬が多かったということでしょう。
 牝馬の場合は、安めの馬でもデータの値は安定しており、牡馬よりも、血統に対して素直に結果が出るとも言えるかもしれません。


(3)長打率

 まあ、これも牡馬と同じで、一応は理論通りの逓増と見ておきたいです。


(4)三振率

 三振率も牡馬同様にほぼ理論通りで、逓減していると捉えて良さそうです。


 さて、色々見てきましたが、価格については、個人的にはあまり気にしすぎる必要はないと思います。もっと大事なことが他にあると思うので。ただ、指標としては無視するのも惜しい気がするデータではあります。

 今回、価格について取り上げたのは、単純に、どのあたりの価格がお買い得なのかということを知りたいというのもありますが、さらには、種牡馬ごとのデータとリンクさせたいというのもあります。

 例えば、ある種牡馬は、安馬は平均データよりも悪いけれども、高馬は平均データを超えてくるというバラツキがあるかもしれないなと思ったからです。繁殖牝馬のレベル以上に走る可能性のある血統(種牡馬)なのか、血統どおりの結果が出る種牡馬なのか、それとも繁殖牝馬のレベルと無関係なバラツキの出る種牡馬なのか。そういうのも、今年は調べられたらいいなと思っています。

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Comments

競馬悟空さん、こんばんは^^

こうなると種牡馬別の特性を掴んでいくのが重要になってきそうですね(^_^)v
キンカメは母の能力を反映しやすいとか、ステゴは雑草血統のほうが合うから安めもOKとか。今後は血統問わず上がっていきそうですけど(^_^;)
馬体の好みはありますが、僕は今後も血統をメインに考えていきたいと思ってます(^^)/~

Posted by: レプティリア | January 16, 2014 at 11:04 PM

競馬悟空さんこんばんは(^-^)
種牡馬毎のデータ気になるっす!
当たりハズレのぶれ幅が大きいとか小さいとか色々ありそうですね。
少しずれますが、岡田牧雄さんがパーティーでホワイトマズル牡馬は安定してプラスとか言ってたんですけど、生まれか馬体か何かヒミツのマズル特有の小アタリ条件があるんでしょうね。

Posted by: コズン | January 17, 2014 at 12:26 AM

レプティリアさん、こんにちは!
そうですね、種牡馬ごとに母方の能力を素直に引き出すタイプなのか、それとも種牡馬としてのアクが強いタイプなのかとかがわかったら面白いなと思います。何かちょっとしたことでも発見があったらいいなと思います。上位クラスに行けば行くほど血統的な要素が出てくると思いますので、馬体も大事ですが、血統面も常に意識していきたいと思っています。

Posted by: 競馬悟空 | January 17, 2014 at 01:01 PM

コズンさん、こんにちは!
種牡馬ごとのデータのほうは遅れてしまっていて、申し訳ないです。でも、しっかり前提を踏んでデータを見て行かないと、後で戻れなくなるので、もう少しお待ちください。ホワイトマズルは間違いなく能力のある種牡馬なんですが、受胎率が悪く頭数が少ないため、牡馬はなかなかクラブには回ってこないんですよね。生産者の方は何かポイントを掴んでいるのかもしれませんね。頭数が少ないとデータが取れないのが悩ましいところです。

Posted by: 競馬悟空 | January 17, 2014 at 01:05 PM

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