怪我しない馬を選ぶために
台風も過ぎ去って、いよいよ夏本番という感じになってきました。同時に、夏競馬が始まると、3歳未勝利馬の動向が気になりはじめます。あと何戦できるのか、果たして勝ち上がれるのだろうか、色々と悩みは尽きません。
最終的に勝ち上がれずに引退となってしまう場合に、大きく分けて2パターンあると思います。1つは、残念ながら生まれつき足が遅かったという結論。もう一つが骨折・屈腱炎等の怪我による引退です。その他、ノド鳴り等の疾病による場合もありますが、ここではひとまず考えないことにします。
今日は、そのうちの後者の「骨折・屈腱炎等の怪我による引退」となってしまうパターンをいかにして避けたらよいかということを少し考えたいと思います。
おおまかに区分して、以下の4つくらいが理由のパターンとして挙げられるかなと思いました。
・募集時の段階で目立った欠陥があった
・調整過程で新たな問題が生じた
・血統的に怪我が多い(体質が弱い)一族であった
・能力が高すぎて馬自身のスピードに脚元が耐えられなかった
まず最初の、募集時の段階でわかる欠陥については、わかりやすいものでは繋ぎが立ち過ぎているとか、脚が曲がっているというのがあると思います。
繋ぎについては過去にも色々と考えたことがありますが、基本的に立ち過ぎている馬は避けるというのが自分の考えです。ダート馬の場合とかは、繋ぎそのものが短い馬もいますので、そういうタイプはそこそこ立ち気味でもあまり気にしません。逆に、繋ぎが長くて立ち過ぎていると感じる馬は避けるというのが自分のスタイルです。
さらに、最近は繋ぎが寝すぎている馬もマイナスとして考えています。寝すぎていてもやはり怪我の危険性もあるし、また、能力そのものに影響する場合もあると感じます。
脚が曲がっている馬でも活躍する馬はもちろんいるのですが、怪我のリスクは高くなると思います。
繋ぎや脚の曲りなどは、カタログ・DVDでチェックできるので、その段階で少しでもおかしいとか、嫌だなと「自分が」思うのであれば、なるべく避けるというのが最近の自分の考え方です。
以前、牧場ツアーで脚が少し曲がっている馬を見たとき、牧場の方は全然大丈夫とおっしゃってました。そのときたまたま、別の競馬関係者の方がいたので、これはどうですかときいたところ、「ああ、これくらい別になんともないよ」とおっしゃいました。ただその後に、「でも他の人には勧めはしない。」ともおっしゃっていました。
普通に考えて、経験則も含めて、大丈夫というのがプロの共通の認識なのでしょうが、お金を払うほうは素人です。後でつべこべ言われるのが嫌なので、勧めはしないという意味だったと理解しています。
次に、調整過程で問題が生じるというパターンも多いです。20秒以上に進めなくなってしまうパターンとか、過去に何度も、嫌と言うほど経験しました。
ただ、このパターンは、元々馬に何らかの欠陥があったパターンが多いと思います。調整過程については牧場・厩舎を信じるしかありません。そもそも自分が信用できないと思う牧場・厩舎を選ばないという方法しかないと思います。
それから、これもよくあるパターンですが、種牡馬、母方のどちらかが怪我が多い一族だったというのもあります。競馬は血統のゲームですから、プラスの要素が遺伝すると同時に、マイナスの要素も遺伝します。
一番わかりやすいのはアグネスタキオン産駒でしょう。馬自身も素晴らしい能力を持っていたし、種牡馬としても能力には疑いがなかったですが、脚元の弱い産駒が多かったのでは確かです。私自身もアグネスタキオン産駒に泣かされたこともあります。
一方で、同じアグネスタキオン産駒で全く怪我せず1億稼いだ馬もいました。こういう種牡馬の産駒は取捨が難しいですが、やはり個別に判断しないといけないと思います。
逆に、種牡馬は体質が良くても、母方の血に虚弱な要素が入っていてダメというパターンもあります。これらのことは、馬を外から見てもわからないことが多いと思うので、それこそ血統表を見て、さらに、近親の成績を細かく追跡していくという面倒な作業を行って補足していくしかないと思います。
最後の、能力が高すぎたというのは、仕方ないと思います。新馬戦で不利がありつつ2着で、次こそはと思ったら重度の屈腱炎ということも残念ながら発生します。本当に残念だとは思いますが、これは運が悪かったとあきらめるしかないでしょう。能力が高ければ高いほど、脚にかかる負担も大きいので、仕方ありません。
ということで、出資する側から見て、避けられるというか、避けることができる可能性があるのは、最初の、募集時の段階の欠陥と、3番目の血統面でしょうか。
私は昔デタラメに出資馬を決めていたときは、出資馬の故障率は異常にに高かったです。最近は勝ち上がり率も良くなってきて、同時に、少なくとも勝ち上がるまでに大怪我する率も少なくなってきました。今の3歳馬は12頭いて、ここまで8頭が勝ち上がり。3分の2が勝ち上がることができ、故障が発生したのは2頭。1頭は少し時間がかかるので地方からやり直すことが決まっていて、もう一頭は今週復活します。即引退となる大怪我がここまでなかったことは非常にうれしく思います。自分自身、少なくとも色々と考えて選んだ効果はあったと思っています。
何事もまずは体が資本ですし、丈夫で活躍してくれる馬をうまく見つけ出すことができたらいいですね。
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Comments
競馬悟空さん、こんばんは!
今回の社台ドラフトで、最初フェイドレスシーンの13に申し込んだのですが、その大きな理由がツアーで牧場スタッフの方に「母は小柄な馬だが、32戦もしたタフな馬で、大きく出るようにヴァーミリアンを付けたら狙い通りの子が出来た。父は9歳まで活躍したタフな馬で、本馬に関しては、まず怪我の可能性は少ないだろう」と言われたから。
しかし、募集期間中に馬体故障で募集停止となってしまい、血統からある程度予測はつくものの、絶対はないんだなーと深く思い知らされました。
Posted by: ユウイチ | July 11, 2014 10:34 PM
こんばんは、お久しぶりです。
悟空さん、変なのが居て色々大変だったみたいですね。アンチもいるってことは、ファンもそれ以上にいるということですよ。
ビリーヴミーは実際どう思いますか?
Posted by: べジータ | July 12, 2014 08:13 AM
競馬悟空さん、こんにちは^^
やはりケガのリスクは一番難しいですよね~、相手は生き物なわけですから(。>0<。)
僕も東サラではそのへんに苦労して、シルクで生かされたのか、かなり上手く行っています(o^-^o)
3歳ではレッドラウディーが地方行きが決まっています(^-^;これはデビューも早かったですし、一族が脚が弱いパターンかなと思います。能力も疑うべくもないので、なんとか戻ってきてほしいと思ってます(*^-^)
Posted by: レプティリア | July 12, 2014 12:37 PM
ユウイチさん、こんばんは!
本当にそうですよね。血統から完全に予想できたらいいなあと思うのですが、現実はそこまで甘くないです。色々なことを調べ上げても、自分の中での納得という効果しかないのかもしれません。誰もが丈夫と思った馬がデビューが危ぶまれたりすることもあったりして、本当に難しいです。最後はやはり運なのでしょうか。でも何か少しでも頼れるデータがないか探したくもなってしまいます。
Posted by: 競馬悟空 | July 12, 2014 10:08 PM
べジータさん、こんばんは!
色々とお気遣いいただきありがとうございます。仕方がない部分もあると理解しておりますので、今後も、元々の趣旨をご理解いただいて楽しんでいただいている方に引き続き楽しんでいただけるように頑張りたいと思っています。
あくまで個人的な意見ですが、動きは良いと思いました。ただ4月生まれなので、正直まだよくわからない部分も多いと思います。遅生まれだけに、今後の成長次第で大きく化ける可能性があると思っています。
勝手なことを申し上げましたが、全くの個人的な感想ですので、お気になさらずに。活躍をお祈りしています!
Posted by: 競馬悟空 | July 12, 2014 10:18 PM
レプティリアさん、こんばんは!
そうですよねえ、ウチパクじゃないですけど、馬は生き物ですから強くても怪我をしてしまう場合もありますし、足の遅い馬であっても怪我してしまうこともあります。自分なりの経験値を積んで、また神に祈って、なるべく丈夫に走ってくれる馬を選びたいです。レプティリアさんは、シルクではかなり上手くいってますよね。色々な過去の経験が役に立たのかもしれないですし、これからが楽しみですね。レッドラウディーは残念でしたが、致命的なものではなかったので、とにかく復帰してまた中央に戻ってくることを祈っております!
Posted by: 競馬悟空 | July 12, 2014 10:25 PM
競馬悟空様
はじめまして。いつも大変楽しく拝見させていただいています。すっかりこのブログの
ファンになってしまいました。一口馬主をはじめてかれこれ20数年になりますが本当に
やればやるほど馬の故障に泣かされることが多く、いかに丈夫な馬を選ぶことが重要で、かつ難しいかを実感しています。これからも
時々コメントさせていただこうと思います。
どうかよろしくお願いします。
Posted by: ラムタラゼット | July 13, 2014 05:02 PM
ラムタラゼットさん、はじめまして、コメントいただきありがとうございます!
楽しんでいただけたのであれば何よりです。私などはラムタラゼットさんには経験ではまったく及びませんが、それでもやはり強いう馬でも弱い馬でも怪我には本当に悩まされてしまいます。本当に難しいですが、難しいからこそやりがいがあるというか、かえって挑戦したくなるという気持ちもあります。
またぜひ遊びに来てくださいね!
Posted by: 競馬悟空 | July 13, 2014 10:25 PM
競馬悟空さん、こんばんは。
通常運転のパパディーです。
故障は本当に辛いです。今の所は1頭しかそのような故障で引退はいませんがなかなか忘れられません。
今後もそのような事があるかと思いますが出来れば避けたいです。
これからは気を使わずに書き込みしますので宜しくお願いいたします。
Posted by: パパディー | July 14, 2014 12:00 AM
パパディーさん、おはようございます!
どうも、色々とありがとうございました。
故障で未勝利引退する馬は、自分の場合は過去には山ほどというか、普通のことだと思っていたのですが、できれば避けたいですよね。何かコツというか、自分の中での指標ができたらいいなと思っています。
今後ともよろしくお願いいたします!
Posted by: 競馬悟空 | July 14, 2014 07:44 AM