一口やってると、一般の人(一口をやっていない人)から、何ていう名前の馬に出資しているのかときかれることがあります。
馬名を言うと、難しい、とか、覚えられない、と言われることがありますね。冠名つきのクラブ馬ならばまだ覚えやすいのでしょうが、最近は複雑な馬名も増えていますから致し方ありません。
それでも、友人、同僚とかはまだ良いのです。
たまに、メインレースに出る予定の馬がいると、親から、レース見るから馬名を教えてくれと言われることがあります。面と向かって話すなら、紙に馬名を書くなどして、これだよって言えばいいのですが、電話だとそういうわけにいきません。
親はもうそれなりにジジババですし、特に母の方は携帯も持っておらず、メールもできません。なので、じゃあメールで送るわってわけには行かないんですよね。
馬名を言うと、「アリラン?」と聞き返され、「いや、違う、アリオン。」というのですが、もう本人の中では、完全に「アリラン」になってしまっていますので、そこから修正するのは容易なことではありません。
「はいはい、レッドアリランね。」
もう、そうそう、レッドアリラン!って言ってしまおうかと思います(笑)。
現行の、馬名9文字制限は不都合な面もありますが、長すぎてもお年寄りとかにはかえって難しい問題が発生するのかもしれないですね。難しい問題です。
ところで、電話で馬名が伝わりづらいという話で、昔のことを思い出してしまいました。
私は大昔、パソコンのテクニカルサポート、要するにパソコンの電話サポートをやっていたことがあるんです。
丸1年くらいやっていたのですが、1年でおよそ6千件くらいの電話に対応しました。
やってみて思ったのは、世の中には本当に色々な人がいるなあということです。ある意味、自分の視野が広がったというか(笑)、貴重な経験でした。
ネタだと思うかもしれませんが、
「インターネットを○○カメラで買ってきたんだけど、つながんねーんだよ!」
っていう電話が本当にかかってきます(笑)。
この時点で、内心、「この電話は長くなるな」と覚悟することになります(笑)。
もちろん、こちらもプロですから、そういう場合にも順序立てて説明し、解決に導くことになります。
すかさず、「プロバイダには加入されていますか?」ときくと、
「なんだそれは?」
と、やはり予想通りの回答が返ってきます。この時点でこれはかなりまずいことになったと思います。
というのは、1件1件の電話に丁寧に対応するが最重要事項であることは言うまでもありませんが、同時に、1日あたり何件の電話に対応できたのかというのも、電話サポートにおける重要事項なわけです。
サポートする方としては、1件の電話対応をなるべく短くしたいわけで、それが自分の成績にも直結するのです。
まあ、こういうプロバイダが何だかわからないというようなお客様の場合は、もうこちらも半ばあきらめてお付き合いすることになります。
一方で、早く解決できそうな内容については、なるべく手短に済ませたいと思います。
そういう時にイライラするのが、電話で単語、特にアルファベットを伝えるときですね。LとMとか、紛らわしいものもありますよね。
普段の電話でも、皆さん「ABCのC」とか、間違いが起こらないように伝える工夫はしていると思います。
ある日、隣の席の同僚が電話対応していました。1件に結構時間を取られていて、少しイライラしている様子でした。口頭でアルファベットを伝えて、その通りにお客様にキーボードで打って欲しいのですが、なかなか伝わらないようでした。
何分か経った後、
「え?え~、ええ、ええ、そうです、そうです、ジャーマニーのJです。」
と同僚が言ったのが聞こえました。
休憩時間に、同僚に、「ジャーマニーって、Germanyでしょ?先頭のアルファベットはGじゃないの?」 と訊くと、
「いや、そうなんだよね。オレもすぐ気が付いたけど、電話先のお客様が、自信満々で 『ジャーマニーのJですね!』って言うもんだから。。こっちとしては、「J」って打ってくれればいいんだし、そのまま受け入れたよ(笑)。」
とのことでした。
その後、近くの席の同僚何人かで昼飯を食いながら、その話で結構揉めましたね(笑)。いや、そこは、ジャーマニーはGですと言うべきとか、ジャパンのJですねと畳み掛けろとか(笑)。オレも今度ジャーマニーのJですって言ってみようとか、まあ皆、他人事だと思って好き放題言ってましたよ。
円滑にコミュニケーションを行うことの難しさを感じますが、今となっては楽しい思い出話です。