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June 04, 2015

合理的な出資金額

 世の中色々な人がいて、現金決済のみで生きていてクレジットカードすら使わない人もいれば、カードでの分割払いやリボ払いに抵抗のない人、さらにはカードローンでお金を借りる人もいます。もっと進むと、マンガのカイジのように次から次へと借金をこさえて、地下牢獄に行ってしまう人もいるかも?

 お金の計算って色々と難しいことがあります。現金収支と期間損益が一致しないことで、損したのか得したのか、最近では銀行に預金があっても、勝手に月末に引き落とされる電話代、クレジットカードでの利用料金とかもあって、とにかく正確に把握するのは難しいです。

 普段の生活ですら、それですから、一口の収支なんて、より一層不明確です。
 もちろん、きっちり毎月自分で計算していれば済む話なのですが、そういうのって本当に億劫になりますよね。
 損したら、損したで、「ああ~こんなに損失が膨らんでしまった・・・」とガッカリして気分が落ち込むかもしれません。
 逆に利益がでていたら、それはそれで一時はうれしいでしょうが、すぐに、「ああ~こりゃあ来年の税金が増えるなあ・・・」と、やっぱり憂鬱になるかもしれません(笑)。

 プラマイゼロで終われれば、そんな悩みもなくていいのですが、なかなかそう上手くはいきません。

 この前書いたように、すごく大雑把な計算ですが、馬券の回収率が75%であるのに対し、一口はおおよそ50%くらいです。普通にやっていたら損するのですから、わざわざ毎月一生懸命に損失の計算をやりたい人は、私も含めてあまりいないですよね。


 一口を始める際には、ある程度の損は覚悟しなければいけません。
 オレだけは大丈夫と思う人もいるかもしれませんが、おしなべて、ほとんどの人が損になるのですから、あまり楽観的な計算はしないほうがいいでしょう。

 悲観的になるのも嫌ですが、損してもよい金額をあらかじめ設定しておけばよいかもしれません。

 今現在で100万円があったとして、それは自分一人だけで自由にできるものだとします。
 その100万円のうち、捨てていい金額はいくらなのかを自分で考えます。

 何をバカなことを言っとるか!捨てていいはずの金なぞあるか!という方は、あまり一口には向かないかもしれません。
 実際にはほとんどの場合損失で終わりますので、捨て金が必要になります。

 仮に100万円持っているけれど、そのうち捨てていいと思っている金額は20万円だとしましょう。

 回収率が50%という前提に立てば、その場合、今年の出資に充てられる金額は40万円ということになります。
 これが合理的な出資金額ということになるでしょう。

 その現金100万円は、出資額の40万円が差し引かれて、すぐに60万円になります。
 その後、数年間、維持費の支払やら賞金収入やらで減ったり増えたりしながら、最終的にその40万円を費やした馬が全部引退したところで80万円になるという計算です。
 100万円が80万円になって、見事20万円がドブに捨てられました(笑)。

 重要なのは、どうせ50%戻ってくるならばと言って、100万円全額を出資してしまわないことです。
 維持費や保険料は、出資馬が出走して賞金を稼ぐ前からかかりますので、最初は出資額の支出の他に、維持費などの現金支出のみが続くことになります。
 なので、本当に現金100万円以外の財産がない人が、100万円出資してしまったら、早速翌月の会費や維持費で資金がショートすることになります。
 100万円捨ててもいいと思っていても、実際にはそれ以上の現金がないと、資金が回らなくなるので注意が必要です。

 まあ、こんな極端な例はないと思いますが、50%戻ってくると言っても、全額戻ってくるのは4年後とか5年後です。感覚的には、引き出せない定期預金で、利率がマイナス50%だと思えば良いかもしれません。


 ここまでの話は、あくまで平均的な話です。
 受験生で言うなら、偏差値50の場合の話です。

 当然、一口でも、馬券と同様に、より上手な人と下手な人がいるわけですから、上手な人の回収率はもっと高くなりますし、下手の人は低くなります。

 上の例と同じ、100万円持っていて、捨ててもいい金額が20万円の人でも、回収率が75%に達する上級者であれば、損失率は25%になります。20万円÷25%=80万円 となり、80万円が合理的な出資可能金額ということになります。これなら、残りの20万円で当面の維持費も大丈夫でしょう。


 過去に何年も一口で出資し続けてきたのであれば、自分の表面上の回収率はすぐに求められます。

 全馬がすでに引退した世代のみを対象として、

①各出資馬の獲得賞金合計(本賞金+付加賞のみ)
②各出資馬の募集価格の合計額

上記①②を計算して、①÷②を求めます。
これが表面上の回収率<③>です。

実質的な回収率は、表面上の回収率のおおよそ半分ですから、③÷2=実質的な回収率<④>、となります。

 この実質的な回収率<④>を100から引けば、実質的な損失率<⑤>となります。

 自分が捨ててもいいと思っている金額を⑤で除せば、合理的な出資可能金額が求められます。

 簡単な例を示すと、過去に以下の出資馬がいて全馬引退したとします。そして、今年の出資のために捨ててもいいと思う金額が50万円だとします。

引退済A馬 募集価格2,000万 獲得賞金合計3,000万
引退済B馬 募集価格4,000万 獲得賞金合計2,000万
引退済C馬 募集価格6,000万 獲得賞金合計1億3,000万

(3,000万+2,000万+13,000万)/(2,000万+4,000万+6,000万)=1.5=150%<③>
150%÷2=75%<④>
100%-75%=25%<⑤>

50万円÷25%=200万円

※上記計算はすべて、すべての出資馬が1/40、1/100、1/400など、に統一されている場合です。口数が混ざっている場合は、その重みづけを計算に入れなければいけません。面倒なので、あくまで簡便法として考えるのであれば、重みづけなしで考えてしまってもよいでしょう。


 この例だと、200万円が合理的な出資可能金額ということになります。
 合理的な出資可能金額が200万円だとしても、実際に現金がなければ、分割払いにするか、借金するかしないといけませんので、その点は気をつけないといけません。まあ、借金は論外だと思いますが、分割払いは普通にあるでしょう。


 この考え方自体、最初に、「いくら捨ててもいいかを決める」という、ものすごく後ろ向きな発想から成り立っているので、なかなかやろうと思えないかもしれないですね。

 でも、家族や友人から、「またそんなに馬買って!」とか言われた場合には、上記のような計算で、あらかじめ損失を見積もった上でやっていますからご心配なく!と言えるかもしれません。


 なお、これから一口を始める人、又は、始めて間もなくて全馬引退した世代がないという場合は、平均値である実質的な回収率50%で計算しておけば、とりあえず大きな間違いは発生しないかなと思います。

 ダラダラと意味不明な計算式を書いてきましたが、あくまでも「理論上」の計算であり、かつ簡便法です。出資頭数が少なければ少ないほどブレが出ますので、その点ご留意ください。


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