自分自身への戒めのために・・・。
※この物語はフィクションであり、登場する人物団体等は実在のものとは一切関係ありません。
※専門家の指導のもと出資しております(ウソ)。
ああ・・・・・・・・それにしても馬が欲しいっ・・・・・・・・・!!
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
ここは、とある地下一口クラブのラウンジ・・・。
Kイジは、悩んでいた。。
現役出資馬が次々に故障。。
気がついてみれば、現役稼働馬なし。。
追加で出資したいところだが、もうすぐ15年産の募集も始まる。。
そもそも所属しているクラブでは、もう残口のある馬がほとんどいない。。
しかし、この地下一口クラブにはまだ残口のある良血馬がいるという。。
ガヤ・・・ガヤ・・・
クラブ社員石和:「はいはいはい・・・!一口5万円、5万円」
クラブ社員沼川:「大丈夫大丈夫、残口はたくさんあるから・・・!なくならないよ・・・!。」
会員A:「おれにもアソヒビールの14を一口・・・!」
会員B:「おれにも・・・!」
会員M田:「おれはロングカンの14・・・・・・!」
クラブ社員沼川:「はい一口6万円」
会員M田:「ポテチの14も!」
クラブ社員沼川:「はいはい合計9万円・・・・!」
会員C:「カキピーの14・・・・!」
クラブ社員石和:「はいはい・・・・!カキピーの14、一口1万円・・・・!」
”バカがっ・・・・!”
がや・・・がや・・・
”欲に流れて・・・・
夢も追えないのか・・・・!?
自堕落な連中めっ・・・・・・!”
”もうすぐ15年産の募集が始まるんだぞ
なのに・・・こいつらときたら・・・”
”オレは違うっ・・・・!
オレは貯めるっ・・・・!
誰が使うかっ・・・・!”
”使うかっ・・・・!”
がや・・・がや・・・がや・・・
”しかし・・・・
くそっ・・・・・・・!
ざわめきやがるっ・・・・・・!”
”オレは買えるっ!
マルボロの14も、ポテチの14も、カンコーヒーの14、ヤキトリの14・・・サケの14・・・
その気になりさえすれば・・・・!
アソヒビールの14も・・・・!”
”くそっ・・・・!”
ミシ・・・
クラブ班長:「フフ・・・」
Kイジ:「え・・・・・・・?」
クラブ班長:「15年産駒だろ・・・・・・!
考えることは一緒だ・・!」
「わしも最初そうだった。
となりゃあ・・・・・・
こんなとこで使っちゃあ いられねえよな」
「気持ちはわかるよ
けど・・・・・・・・
無理はいけねえ・・・・
無理は続かない・・・・」
「適度に自分を許すことが一口のコツさ・・・・!」
パサッ・・・・
Kイジの前にカタログが置かれる。。
Kイジ:「は・・・・・・・・?」
クラブ班長:「Kイジくん新入会のお祝いさ
入会金は取らねえよ・・・・・・・・!」
”班長・・・・・・・・”
”ううっ・・・・・・・・!”
”ひっ・・・・!まだガンガンに残口が残ってやがるっ・・・・・・!”
”あ・・・ありがてえっ・・・・・・!”
”犯罪的だっ・・・・・・
魅力的すぎるっ・・・・・・”
”本当にやりかねないっ・・・・・・・・!
一口のために・・・・・・借金だって・・・・・・”
Kイジ:「はぁ~~~~~っ・・・!」
クラブ社員石和:「さあ・・・・一口5万円、5万円・・・・!」
クラブ社員沼川:「もうすぐ入厩するよっ・・・・!」
”くそっ・・・・!”
うま・・・うま・・・
”ディープ産駒・・・・
ううっ・・・!”
”ディープ産駒に出資できたら・・・・
さぞっ・・・・・・!”
”いったい・・・いくらするんだ? ヤキトリの14(ディープ産駒)・・・・・・”
”えっ・・・・? 一口20万円・・・・!?”
”バカ野郎っ・・・・・・・・!”
”買えるわけねえじゃねえかっ・・・・!
くそっ・・・・!”
”くそっくそっくそっ・・・・!
足元見やがって・・・・・・!
しかし・・・・・・・・・・・・・”
”本当は違うっ・・・・・・・・
買えなくもないっ・・・・!
その気になれば・・・・・・”
”バカっ・・・・・・!
ダメだダメっ・・・!
そういう考えが破滅を呼ぶんだ”
”こんなとこで使えるかっ・・・・・・!”
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
クラブ社員石和:「どっこいしょ・・・・」
クラブ社員沼川:「フー・・・・・・・・」
クラブ社員石和:「一段落ついたな」
クラブ社員沼川:「ああ・・・・・・・・」
!
Kイジ:「・・・・・・・・」
スッ・・・
クラブ社員沼川:「はいはいはいっ・・・・なにっ・・・・?
なんなの? Kイジくん・・・・・・・・どうしたの・・・・・・・・?」
Kイジ:「・・・・・・・・だけ・・・・」
クラブ社員沼川:「は・・・・?」
Kイジ:「・・・・・・・・一口・・・・・・・・」
クラブ社員沼川:「一口・・・・・・・・!?
一口って、それ・・・・・・
アソヒビールの14かい・・・・?
アソヒビールの14を一口ってことかい・・・・・・?」
コク・・・
クラブ社員石和:「はいKイジくん、アソヒビールの14一口お買い上げっ・・・・・・・・!」
”一口はいい・・・・・・
考えてみれば・・・
十分我慢した・・・・・・
今日は特別な日だ・・・・・・!”
クラブ社員沼川:「で・・・・他の馬は・・・・?」
Kイジ:「は・・・・・・・・?」
クラブ社員沼川:「せっかく入会するんだよ・・・・・・・・!
1頭だけってんじゃ味気ないって・・・・・・・・!
もう1頭出資しようよ・・・・・・・・なんでもいいからさ・・・・・・!」
Kイジ:「・・・・・・・・」
Kイジ:「じゃあ・・・・・・カキピーの14・・・」
クラブ班長:「嘘をついちゃいけない・・・・!」
ノソ・・・
Kイジ:「え・・・・?」
クラブ班長:「フフ・・・・・・ヘタだなあKイジくん」
Kイジ:「え・・・・?」
クラブ班長:「へたっぴさ・・・・・・!
欲望の解放のさせ方がへた・・・・」
「Kイジくんが本当に欲しいのは・・・
ディープ産駒(ヤキトリの14)・・・・・・!」
「これに出資してワクワクしてさ・・・・
重賞やG1で口取りしたい・・・・・・!
だろ・・・・?」
Kイジ:「うっ・・・・?」
クラブ班長:「フフ・・・・・・
だけど・・・それはあまりに値が張るから・・・・
こっちのしょぼいカキピーの14でごまかそうって言うんだ・・・・・
Kイジくん、ダメなんだよ・・・・・・!
そういうのが実にダメ・・・・!
せっかく新クラブに入会してこれからって時に・・・・
その妥協は痛ましすぎる・・・・・・・・!」
「そんなんで出資しても楽しくないぞ・・・・・・・・!」
「嘘じゃない
かえってストレスがたまる・・・・・・!」
「買えなかったディープ産駒がチラついてさ・・・・・・・・
全然スッキリしない・・・・!
心の毒は残ったままだ
出資のし方としちゃ 最低さ・・・・!」
「Kイジくん・・・・・・
出資ってやつはさ・・・・・・・・
小出しはダメなんだ・・・・・・・・!」
「出資するときはきっちり出資したほうがいい・・・・!
それでこそ次の世代の出資までの励みになるってもんさ・・・・!」
「違うかい・・・・・・?」
”言われてみれば・・・・
確かにそうかも・・・・・・”
Kイジ:「じゃあ・・・・・・・・」
クラブ社員沼川:「はいっヤキトリの14一口お買い上げっ・・・・・・・・・!」
Kイジ:「実はポテチの14も・・・・・・・・」
クラブ社員沼川:「はいっポテチの14一口お買い上げっ・・・・・・・・・!」
クラブ社員石和:「となると・・・・・・牡馬ばっかりじゃ全然物足りないよね・・・・!
Kイジ:「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
コク・・・
こうしてKイジは地下一口クラブの新規会員となるべく申込書を書くのであった・・・・・・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
クラブ社員沼川:「バカ丸出しですね」
クラブ班長:「バカだからね。
あんなもんよ・・・・・・
今の会員なんて皆・・・・・・!」
「申込書を書き終えたら・・・・・・
奴はとりあえず満足して・・・・
こう考えるだろう・・・・・・」
「明日からがんばろう・・・・
明日からはもう出資しない・・・・と・・・・」
「その考えがまるでダメ・・・・・・・・
『明日からがんばろう』という発想からは・・・・
どんな芽も吹きはしない・・・・・・・・」
「明日からがんばるんじゃない
今日・・・・・・
今日だけ がんばるんだっ・・・・・・・・!」
「今日をがんばった者・・・・
今日をがんばり始めた者にのみ・・・・・・
明日が来るんだよ・・・・・・!」
「そういう意味で奴はもうダメ・・・・
終わったよ・・・・!」
カシッ・・・
クラブ班長:「乾杯っ!」
ゴク・・・
クラブ社員沼川:「フフ・・・」
クラブ班長:「ククク・・・・
フ~~~~~~~~」
クラブ社員沼川:「また一人会員確保ってこってすね・・・!」
クラブ班長:「ああ・・・・・
ってことになるな・・・・!」
「一口の誘惑は強烈・・・・・・・・!
一度知ったらもう抗えない・・・・・・!」
「特に・・・・・・初年度から崩れるような奴にはな・・・・・・!」
「結局のところ・・・・・・・・
ちょっと一口ってのが大甘なのよ・・・・・・・・!」
「その一口がこの地獄の・・・・・・・さらに地獄・・・
地獄の底へ転がり落ちる
最初の一歩・・・・
入り口・・・・・・!」
・
・
・
一口破戒録Kイジ・・・完
※元ネタが知りたい!という方は、ぜひこのマンガをお買い上げください。損はしませんよ!
(注)競馬とは関係のないマンガです。ギャンブルっていう点では共通かもしれませんが・・・。
これです