アモス
またドラクエの話なんですけどね。ドラクエ6で、アモスっていう旅の戦士が出てくるんです。
このアモスは、上手くすれば(というか普通に進めれば)仲間にすることができるのですが、そこはドラクエ。いかにもな堀井雄二らしいシナリオが展開されます。
主人公がモンストルという町に行くと、一人の戦士が病気で休んでいる。それがアモスです。
アモスは、町の子供が怪物に襲われて危ないところを見事に助け、町の英雄となりました。
その戦闘の際に魔物に噛まれてしまい、その傷が治るまで町の人の看護を受けながら、町で休んでいたのでした。
ところが、町の人は大いに困っていました。実は魔物に噛まれてしまった、その英雄アモスは、夜な夜な怪物に変身し、町で暴れまわるようになってしまったのです!
魔物を倒そうにも、その魔物の本体はアモス自身ですから、倒すわけにもいかない。
また、町を救ってくれた英雄アモスに対して、「あんた魔物になって暴れるから出て行ってください」なんて言えたものでもない。
アモス自身も、自分が夜になると怪物になって暴れているなんて知る由もない。
八方ふさがりで困っているところに主人公たちが訪れるという展開です。
ハッピーエンドとしては、アモスには真実を告げないまま主人公たちが活躍し、とあるアイテムを手に入れて、アモスを治療し、その後アモスが主人公たちの仲間になります。
一方、そうではない、「真実を告げる」という選択肢もあるのです。
私、これ、ずっと知らなかったんですよね。
ドラクエ6って自分の中では、そんなにおもしろかったという記憶もなくて、結局1回しかやっていませんし。
その「真実を告げる」という選択肢があること自体は知っていましたが、そうするとどうなるのかは知らなかった。
確か大学の時に、なんかの飲み会で高校時代の友人A君とゲームの話をしたときに初めて知りました。
丁度ドラクエ6を二人ともやっていたんでしょうね。自然とドラクエ6の話になって、なんか知らないけどアモスの話になったんですね。
そうしたら、A君が、ぼそっと、
「アモスって仲間になるんだ・・・。」
って言ったんです。
こちらからすると、えっ?A君は仲間にならなかったの?って話になって、そこで初めて、アモスに「真実を告げる」とどうなるのかを知りました。
実直な性格のA君は、ここは真実を告げるべきと思ったんでしょう。
主人公たちがアモスに「夜な夜な怪物に変身して暴れまわっているのはアモス自身である」という真実を告げると、アモスは、
「またまた そんな じょうだんを!わっはっはっは。」
と、その場では笑い飛ばすのですが、おそらく自分自身でも何か町の人の態度がおかしいとか、気づいていた部分があったんでしょうね。アモスは、真実を知ったその夜、何も言わず町を去ってしまいます。
アモスが去った後、町の人と会話すると、町の人から真実を告げてしまったことをなじられたりするんですよね。。ゲームとはいえ、なんというか本当に心の痛む話です。
シチュエーションは全然違うのですが、私もこういう何とも言い出せない経験があります。
よく行くインドカレー屋があって、そこで持ち帰りで色々頼むのですが、私が待っている間に必ず「ビール」をサービスで出してくれるんですよ。
実は私あまりビールが好きじゃないとうか、どっちかというと嫌いでして。。
お酒は飲むんですが、普段家では飲まないですし、外でも基本は焼酎とかワインとかが多く、ビールは乾杯で口つけるだけって感じです。
いや、断ればいいだろうって話なんですが、だいたいいつも買うものも決まってるので、もう店に入った瞬間にビールをサーバーから注いじゃってる感じなんですよね(笑)。
で、その厚意を無にできず、断れなくて、ビールを飲み干すという感じになります。
飲み干さずに残せば、次からはサービスしなくなるんじゃないのって話でもあるんですが、それもできない。
出されたものをそのままにするなんて私はできない。
で、結局いやいやながら全部飲んでしまう。
そうすると、次に行ったときも、またビールが出てくるという(笑)。
向こうからしたら、毎回全部飲み干してるんだから、当然ビールが好きなんだと思いますものね。
結局のところ、どうしたらいいのか、いまだに解決に至らず、とりあえず今も出されたビールは飲んでます。
やっぱりなかなか「真実を告げる」ってできないですよね。
私の場合は、ドラクエですらできないですから、現実世界ではより一層できないです。
馬の世界も、真実を知らないほうが良いこともありますよね。
真実を言えないというか。
乗馬となった引退馬がどうなったのかとか、追跡してもなにも良いことはありません。
馬の状態とかも、牧場やクラブからしたら、言いにくいこともあるんでしょうね、きっと。
それを問い詰めたところで、何か得るものがあるんでしょうか。
何も知らされないのも問題ですが、何もかも知らされるのも問題かもしれません。
何もかも、100%知らなければ気が済まないという人は、あまり馬の世界には向いていないのかなあとも最近は思ったりもします。
ブログとかにしたって、何でもかんでも思ったことを書いていいってもんでもないでしょうしね。
一定の配慮は必要でしょう。
まあ、そういうことを言い始めたら何も書けなくなるっていうのもあるのかもしれませんが。
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