おめでとう ネオリアリズム 香港クイーンエリザベス2世C
香港の直線は長かった。
直線に入ってから、息を吸うのを忘れていたらしく、コールの後は息苦しくで死ぬかと思いました。
馬よりも見ている人のほうが息が上がってしまいました。
しかし、驚きの展開でした。
逃げるかもというのはあったけど、半歩遅れたところでがっちり抑えて、それで抑え込んでしまうのですから、びっくりします。
思えば、ムーアが騎乗して日本で勝った時もスタートでがっちり抑えて内に入れていました。
今回は内には入れなかったけど、それでも何とかなった。
これがやはり騎手の腕なんでしょうか。
超スローで、結構、カモみたいに首が上がってしまった馬も何頭かいましたし、馬にとってはなかなか厳しい展開だったと思いますが、その中で残り1,000m手前から仕掛けていくとは。
確かに凡人が100万年悩んだところで考えつかないでしょうね。
モレイラ騎手は確かに雷神でした。見事というほかないです。
ネオリアリズムは、そういえばOCDでした。
私は何頭もOCDで手術した馬がいますが、そのうち2頭がG1を勝ちました。
私は獣医ではありませんので、詳しいことはわかりませんが、基本は能力には影響ないんでしょう。
OCDは別に気になりませんが、この馬の場合はなんといっても問題は気性。
金杯のときは勝てるんじゃないかと内心期待していたけど、気性面のもろさが爆発して大敗。
正月早々、中山からの帰り道が欝々として、暗い気持ちになったのを昨日のことのように覚えています。
紆余曲折合ったものの、札幌でついに覚醒。
重賞勝ち馬となりましたが、勝ち方は関脇が横綱をうっちゃったような感じだったので、世の評価もそんなに高いものではなかったですし、私の好きなスピード指数的にも特にコレというポイントもなかったです。
ローテーションの関係もあったけど、今度はマイルに挑戦。
マイルCSでは思った以上の好走もできましたが、その後の香港のマイルでは自爆して大敗。
でも、今思うと、アレが布石だったのかもしれない。
限りなく捨てレースに近かったのかもしれないですね。
私が勝手に思っているだけですが、今回は2度目の香港というのも大きかったように思います。
モレイラ騎手の好騎乗が目立ったレースでしたが、馬自体も強かったと思います。
グリーンチャンネルではレースを支配したとか簡単にまとめていましたが、あんなところから動いたら普通はもたないですよね。
モレイラ騎手は調教で騎乗して「だいたいわかった」と言っていたそうですが、人馬一体の信頼関係が短期間ですが築かれたということなんでしょう。
確かに募集時からいい馬だったけど、正直G1勝つまでになるとは思っていませんでした。
初めてG1を勝ったときは、正直突然のことでもあって、なんだかわからない感じでしたが、今回は自然と涙があふれてきました。
あの中山の帰り道、もう駄目なのかな、これで終わってしまうのかなと考えていたことを思えば、信じられないその後の展開です。
馬に感謝ですが、もちろん騎手にも感謝。
そして、厩舎関係者を含めたすべての「人」に感謝ですね。
この厩舎でなければ、ここまでこれずに、確実につぶれていたと思います。
我慢に我慢を重ねた結果、大輪の花を咲かせてくれました。
人は城 人は石垣・・・
もうこのネタは前にもやったのでやめましょう。
でも人が重要なんだなと思いました。
ネオリアリズムも、一度信じられないチョンボジョッキーが信じられないチョンボ騎乗をしたことがありました。
あのときは、さすがの厩舎でも眼鏡違いはあるんだなと思いました(笑)。
私はいけ好かないマイペース野郎ではありますが、それでもやっぱりG1は勝ちたい。
G1勝ちはやはり最高の気分です。
関係者の皆様、優勝本当におめでとうございます。