2017年スピード指数的2歳牝馬ランキング
今年もこの季節になりました。
スポーツ紙等で2歳番付とか、2歳ランキングとかありますが、あれは選定者の好みというか偏りがあるといつも思っています。人間が選ぶ限りそのような偏向は避けられない。
ということで、客観的な指標である(と私は考えている)スピード指数で現時点のランキングを出したらどうなるか、並べてみました。
なお、私の言うスピード指数とは「西田式スピード指数」のことです。
本来は競馬の予想に使うものです。興味のある方は「西田式スピード指数」で検索すればWebサイトが出てきます。1レース50円で指数の載った馬柱も買えますので、ご興味のある方はどうぞ。
なお大体の目安ですが、古馬1,000万下条件勝ち馬で指数80前後。古馬500万下勝ち馬で70~75くらい。
クラシックでは、牝馬は70台後半から80前後で勝ち負け。牡馬は皐月賞が85~90で勝ち負け、ダービーが90前後で勝ち負けになります。
あくまでスピード指数のランキングです。競馬予想TVの亀谷氏のように、「なんか指数って信用ならないんだよなあ~」って方は、こんなものを信じる必要は全然ありません。ご自身の信じる道をお進みください。
ちなみに、以下が昨年載せた阪神JF終了時点でのランキングです。
結果的には、桜花賞馬とオークス馬が上位に来ていました。
【2016年12月11時点終了時点ランキング】
1位 ソウルスターリング 指数75(阪神JF) <社台RH>
2位 リスグラシュー 指数73(阪神JF) <キャロット>
2位 レーヌミノル 指数73(小倉2歳S)
4位 ジューヌエコール 指数67(デイリー杯) <サンデーR>
4位 ディーパワンサ 指数67(阪神JF) <キャロット>
4位 アリンナ 指数67(秋明菊賞) <ノルマンディー>
7位 ミスエルテ 指数66(ファンタジー) <サンデーR>
7位 ヴゼットジョリー 指数66(阪神JF) <社台RH>
前置きが長くなりましたが、以下が今年の現時点での2歳牝馬の指数ランキングです。
<2017年12月10日終了時点2歳牝馬指数ランキング>
1位 アンヴァル 指数74 福島2歳S1着 <社台RH>
2位 ラッキーライラック 指数73 阪神JF1着 <サンデーR>
3位 リリーノーブル 指数72 阪神JF2着 <サンデーR>
4位 マウレア 指数71 阪神JF3着
5位 テトラドラクマ 指数70 未勝利1着
6位 トーセンブレス 指数67 阪神JF4着
6位 ナスノシンフォニー 指数67 百日草特別2着
8位 モルトアレグロ 指数66 阪神JF5着
8位 モズスーパーフレア 指数66 新馬1着
阪神JFが終わって、指数を見て、ラッキーライラックが73だったので、これが1位だと思い込んでいたのですが、実はその上がいました。
裏街道を突き進んできていたので忘れていましたが、アンヴァルが福島2歳Sで出した74が、現時点での2歳牝馬の最高指数です。
偶然出た値とか、指数側にバイアスが生じていて出た指数というわけではなく、強いと思います。
ただ、あくまで千二であればということにはなります。
マイルとかはまだ走ったことがないので何とも言えないのですが、過去25年の経験から言うと、こういう千二で高い指数を出して桜花賞に乗りこんでくるタイプは高い確率で本番でいなくなってしまいます。
指数が高いので必ず買うんですが、なかなか難しい。
まだ陣営はどういう路線を進むのか明言はしていませんが、普通に考えてアンヴァルも当然に桜花賞を目指すはずですから、いずれにしても次のレースは距離を伸ばしてくるはずです。次のレースで本当に桜花賞候補となりえるのかがわかるでしょう。
2位のラッキーライラックは、マイル路線、要するに桜花賞候補という点では1番手になると思います。
高い指数を出し、それなりに切れる脚を持っているというのは大きいです。
桜花賞は切れすぎる感じの馬が勝つ可能性はそんなに高くありません。
基本的にはある程度の速いペースでそれなりの切れ味を発揮する馬が上位に来る可能性、特に勝ち切る可能性は高いです。
そういう意味では。桜花賞で一番多い流れにマッチする馬だと思いますし、現状はG1でマイル路線の牝馬最高指数で勝ったのですから、文句のつけようがないでしょう。
あとはこれから出てくるかもしれないニューヒロインとの戦いになるのかなと思えます。
阪神JFで負かした馬とは差があると思います。
3位のリリーノーブルは、阪神JFも惜しい競馬でしたが、切れ味という点で一歩足りない感じはします。
ラッキーライラックとは指数の差はわずかですが、レース内容には差があったと感じます。
しかし、ペースが速くなった場合は、こちらのほうが優位に立つ可能性も考えられます。
崩れにくいタイプだと思うので、勝ち切るまでには至らずとも、来年のクラシックで常に上位には来るイメージがあります。もちろん、今後の成長次第では逆転の可能性もあるでしょう。
4位のマウレアは、阪神JFの走りが私としては驚きでした。
スローの凡戦しか経験しておらず、それでいて阪神JFではいきなりのG1での流れで指数は71を出し、3着に食い込みました。
想像していた以上に器は大きそう。
阪神JFで昔からよくいる、「なんだかわからないけれど流れに乗って突っ込んできちゃった」という3着ではなかったので、素直に評価できると思います。終いの脚は元から良かったですし、今後の成長次第では大化けもあるかも。
5位のテトラドラクマは、何と未勝利戦で70という指数を出してしまいました。
この未勝利戦では2着馬を5馬身ちぎりましたので、指数がおかしいわけではありません。実力です。
先行して結果を出しているので際立った終いの脚はまだ見せていないのですが、ルーラーシップ産駒らしい良さを持っている馬でしょう。
この馬の場合は、馬自体は間違いなく強いですが、厩舎がG1に縁のあるところではないので、本番ではどうでしょうか。
自走フェアリーSのようなので、そこでの走りに注目です。
6位のトーセンブレスは、上位とは差があり、指数は67です。現時点では世代上位と言えますが、これからさらなる上積みがあるのかどうかが重要になるでしょう。
なんだかんだ言っても、やっぱりディープ産駒はクラシックにおいて魅力がありますし、鞍上とともに頑張ってくれたら面白いなとは思います。ただ、その辺はシビアな厩舎なので、上位騎手が空いていたらあっさりまた乗り替わりになりそうでもありますが。
同指数で6位のナスノシンフォニーは、牡馬相手の百日草特別で2着と健闘。
今年は、牡馬との混合戦の上級条件で、牝馬で上位に食い込んだ馬がほとんどいない年でもあります。
その中で、牡馬と500万下で戦って堂々の2着で指数67というのは評価できます。
ホープフルSに出てくるようですし、そこでまた牡馬と互角にやれるようであれば、非常に楽しみになります。
8位のモルトアレグロは、阪神JF5着で指数66ですから、特に評価に値するようなものでもないのですが、今年は他の重賞、特に牝馬重賞はレベルの低いレースが多かったため、結局のところ阪神JF5着でも全体として上位ということになります。
5着でそれなりの指数は出しましたが、上位とは現時点では明らかな差があると思います。
同指数で8位のモズスーパーフレアは8月の新馬戦の指数が66と高かったのですが、この時期に短距離でこういう指数を出す馬は早熟馬の可能性が極めて高いです。
なんとなく、その後のレース結果からも、そのような方向にある感じがします。
距離にも限界がありそうですし、新馬が最高でその後指数を下げていますので、クラシック云々という馬ではないでしょう。
ということで、今年は上位3頭がクラブ馬、それも40口クラブの馬でした。
牝馬は相変わらずクラブ馬が強いですね。
しかし、今年の牝馬戦線は昨年に比べると指数上のレベルは全体的に明らかに低めで、まだまだニューヒロインの台頭の余地はあると思います。
今回ランキングに入らなかった馬も、年が明けてからグイグイ成長して見事戴冠ということもあるかもしれません。
2歳戦の結果を踏まえつつ、今後のクラシックロードを楽しみに待ちたいと思います。
※2歳牡馬については、ホープフルSが終わった後、年末にやりたいと思います。
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