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February 14, 2018

競馬における街亭の戦い

 ちょっと前になりますけど、きさらぎ賞で1番人気のダノンマジェスティに松若騎手が騎乗しました。

 結果として無様な騎乗となってしまいました。

 剛腕和田騎手でも扱いが難しいのに、テン乗りで若手が乗って大丈夫かなと心配しましたが、やっぱり難しかった。

 アンカツも暗にチョンボ騎乗である旨のコメントをしていましたし、まあやっぱり無様な騎乗だったなと思いますね。


 話は変わって、三国志の話です。

 面倒なので、申し訳ないですが三国志(演義)を読んでいる前提で話を続けます。


 三国志の話の流れ自体が蜀びいきですし、普通に読んでいけば、劉備、諸葛亮と続く蜀の興亡が気になりますよね。

 私も、もちろん子供のころから諸葛亮の大ファンでした。

 当時は横山光輝著のマンガの三国志をに合わせて読んでいましたので、小説を読めば先が分かるということを知りながらも、あえて読まず、マンガが書店に並ぶのを常に待っていました。

 関羽が死んだところ(41巻)で多くの子供は大ショックを受けるでしょうが、それにもめげず、その後は諸葛亮の活躍ぶりに心を躍らせるわけです。

 南蛮で孟獲を虜にし、出師の表を書き、万全の体制でついに北伐を決行。

 三国志の後半の最大のクライマックスでしょう。


 しかし、大事な北伐の先鋒は、なんと馬謖。

 まずここで、みんな、「え?」ですよね。

 確かに、南蛮を制圧するには、南蛮人の心を捉えることが重要とかなんとか、偉そうな助言を諸葛亮にするシーンはありましたが、そもそも馬謖が戦ったシーンを誰も見たことがない。

 関羽も張飛も死に、確かに人材に枯渇しているのはわかるけれど、まだ趙雲や魏延がいるではないかと。

 趙雲はマンガではいい感じのお年寄りになってしまっているので仕方ないとしても、どう考えてもここは魏延だろうと、普通は思いますわな。


 実際、正史の「三国志」の蜀書、馬良伝の中の馬謖伝にも以下の通り記述されています。

 「当時経験豊富な将軍として魏延・呉壱(呉懿)らがおり、意見を具申した者たちはすべて彼らを先鋒にするのがよいと言った。」


 まあ、当然ですわな。

 しかし、どういうわけか、諸葛亮は以下の判断をします。これも正史の馬謖伝に記述されています。

 「諸葛亮は人々の意見に反して馬謖を抜擢して先鋒とし、大軍を率いて前方にやり、魏の将軍張コウと街亭で戦わせた。」


 そして、諸葛亮伝には、以下の悲しい結末が記述されます。

 「諸葛亮は馬謖を先鋒として魏軍と街亭で戦わせたが、馬謖は諸葛亮の指示に背き、行動は妥当性を欠き、大敗した。」


 この辺は、信じたくないですけど、マンガのとおりです。

 子供の頃、こんなバカな話があるのかと思って、これは創作じゃないのかと思っていました。

 実際、演義には創作部分も普通にありますし、いくら何でもこんなことは史実じゃないだろうと思っていたら、こればっかりはほぼ史実という悲しさ(笑)。

 結局今に至っても、何で諸葛亮がこの大事な場面で馬謖を抜擢したのかはよくわかりません。

 ここはもう、私の勝手な解釈、推理ですが、やっぱり諸葛亮は馬謖に対して「えこひいき」していたのだと思います。

 実際、これも正史の馬謖伝に記述がありますが、劉備は臨終に際し、以下のことをあえて諸葛亮に忠告しています。

 「馬謖は言葉が実質以上に先行するから、重要な仕事をさせてはいけない。君はそのことを察知しておれよ。」

 さすがに劉備は蜀の皇帝。人を見る目があったということでしょう。


 それでも諸葛亮が馬謖を厚遇したのは、兄の馬良と諸葛亮が仲良しだったからと推測されます。

 馬良伝の注釈で、裴松之は、馬良が諸葛亮のことを「尊兄」と呼んでいることから、おそらく共通の親類がいたか、又は、義兄弟の契りを交わしていたのだろうと推測しています。

 ここからは私の勝手な解釈ですが、馬良は夷陵の戦いで出陣する前に、おそらく自分に何かあったら弟の馬謖をよろしく頼むと諸葛亮に頼んでいたと思います。

 諸葛亮としては、馬謖を何とか一人前にしなければという思いもあったでしょう。

 また、諸葛亮は荊州の人ですから、蜀にあっても周りを荊州人で固めたかったというのもあるかもしれません。


 なんにせよ、結果として馬謖は大敗。

 蜀の未来は閉ざされました。

 蜀の国土は魏の3分の1、人口は9分の1です。
 
 そんな弱小国がすべてを賭けた戦いで大敗。

 もちろんチョンボしたのは馬謖ですが、それを選んだ諸葛亮にとっても人生最大のチョンボ采配であったことは間違いないでしょう。


 馬謖は諸葛亮にとっては弟子みたいなものでしょうから、やっぱり育てたいという思いはある。

 しかし、他の人、この一戦にすべての夢をかけていた人たちにとっては、そんな重要な戦いを弟子の修行に使われたのではたまったものではない。

 絶対に失敗すると最初から決まっていたわけでもないですから、結果論ではありますが、それでも納得は行かないです。

 読者は、「おのれ馬謖」ってことになりますよね。


 冒頭の松若騎手については、そもそも和田騎手が勝手に騎乗停止になってダノンマジェスティが回ってきたわけで、そもそも一番悪いのは乗れなくなった和田騎手という考え方もあります。

 また、別に馬謖のように指示に背いたわけでもないですし、単に経験不足で無様だっただけ。

 結果の重大性は共通していますが、このお話とは責任の重さはまた違います。


 それでも、私も一口で出資するようになってから合理的に考えるようになりましたが、大事な馬を若手の経験値の犠牲にされたらたまったものではないと思います。

 「いつも厩舎を手伝ってくれている○○騎手におねがいしました。」

っていうのは、しびれますよね(笑)。

 もちろん、上位騎手がまったくいないのであれば仕方ないですが、その選び方はないだろうと思うときはあります。

 まあ、誰が乗っても同じ結果しかでないであろう馬については文句を言えない部分もありますが。

 基本は上位騎手に乗って欲しい。

 そんなこと言ったら若手が育たないという話については、色々言いたいことはありますが、あえて「甘えるな」と一言だけ言いたい。
 サラリーマンではないのだから自分の努力だけで解決してほしいと思います。


 実際の街亭の戦いのように、散々な結果になるとは限りませんが、やっぱり街亭の戦いのような重要な一戦については、誰もが納得する采配をお願いしたいという気持ちです。

 「○○騎手は、ペースを読まず、騎乗は妥当性を欠き、大敗した」

 という結末だけは避けたいものだなあといつも思います。

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