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March 29, 2018

2018年桜花賞出走予定馬のスピード指数的位置づけ

 昨年末にスピード指数的2歳牝馬ランキングというのを示しましたが、桜花賞1週前の現時点でどのように勢力図が変化したか、及び、スピード指数的な桜花賞の展望を考えたいと思います。

年末のスピード指数的2歳牝馬ランキング
2017年スピード指数的2歳牝馬ランキング

 なお、私が使用しているのは西田式スピード指数というものです。「西田式スピード指数」で検索すれば公式サイトが出てきますので、興味のある方はどうぞ。

 以下、現時点で桜花賞出走予定の馬のうち、優先権のある馬及び賞金順で出走可能な位置にいる馬を並べていました。

 各指数は、その馬の過去のレースのうち最高の指数を出したレースとそのときの指数です。
 5着以内であったときの指数のみをピックアップし、6着以下の場合は指数が高くともカウントしません。
 レベルの高いレースでただただ流れ込んだだけで高い指数が出てしまうこともありますが、そういう指数は基本的には価値のないものなので、そのような事例を除くためです。
 ただ今回はほとんどそういう事例はなく、ツヅミモンのクイーンCの指数を除外したくらいです。


ラッキーライラック 
指数73 上がり指数14 (阪神JF1着)


マウレア 
指数 71 上がり指数 12 (阪神JF3着)


リリーノーブル 
指数 72 上がり指数 12 (阪神JF2着)


リバティハイツ 
指数 66 上がり指数 -8 (フィリーズR1着)


アンコールプリュ 
指数 65 上がり指数 -1 (フィリーズR2着)


デルニエオール 
指数 65 上がり指数 -11 (フィリーズR3着)


ハーレムライン 
指数 73 上がり指数 -1 (3歳未勝利1着)


レッドレグナント 
指数 66 上がり指数 1 (アネモネS2着)


アーモンドアイ 
指数 59 上がり指数 12 (シンザン記念1着)


プリモシーン 
指数 66 上がり指数 6 (フェアリーS1着)


モルトアレグロ 
指数 68 上がり指数 2 (紅梅S1着)


アンヴァル 
指数 74 上がり指数 -16 (福島2歳S1着)


コーディエライト 
指数 60 上がり指数 14 (新潟2歳S2着)


レッドサクヤ 
指数 70 上がり指数 0 (エルフィンS1着)


アマルフィコースト 
指数 64 上がり指数 5 (中京2歳S1着)


ツヅミモン 
指数 56 上がり指数 1 (シンザン記念2着)


スカーレットカラー 
指数 64 上がり指数 5 (フェアリーS2着)


トーセンブレス 
指数 69 上がり指数 15 (フラワーC2着)


フィニフティ 
指数 74 上がり指数 0 (クイーンC2着) 


 桜花賞では、指数的にはポイントが2つあると思っています。

 まずは過去に70以上の指数を出していること。

 さすがに桜花賞までに70台の指数を出したことがない馬が桜花賞を勝ち切るのは至難です。

 そのような馬は2008年の優勝馬レジネッタまで遡らなければいません。ちょうど10年前の優勝馬です。
 レジネッタは過去最高の指数が69でした。

 それ以外は過去10年すべて70以上の指数を出したことがある馬のみが桜花賞を優勝しています。


 2つ目のポイントは、実は1つ目のポイントと重なる部分もあるのですが、ハイペースを経験していることです。
 ハイペースの定義は色々あるのですが、基本前半3ハロンが後半3ハロンよりも速いレースに出走していることをここでのポイントに挙げます。
 ハイペースを経験というよりは、典型的なスロー以外の流れを経験していることと言ったほうがいいかもしれません。

 スローのみのレースしか使わず、桜花賞を勝った馬は、私が指数を始めてから25年近く、1頭もいないと思います。

 これについては、典型的な事例もあります。

 2015年に桜花賞に出走して1番人気だったルージュバックは、桜花賞までの3戦すべて圧勝でしたが、すべてスローのレースでした。

 決してルージュバックが弱かったわけではなく、その証拠に、次走のオークスでは2着に巻き返しています。
 ただやっぱり、桜花賞の流れは経験もなく、いかにも合わなかったということだったのでしょう。
 なお、スローしか経験がないのが敗因というのは、あくまでスピード指数的な視点であって、今さら当時の敗因を分析するつもりはありませんので、そこはお考え違いのないようにお願いします。

 これは極端な事例ですが、基本的にペースが速くなる桜花賞で、いきなりハイペースにぶちこまれても、なかなかお馬さんも実力を発揮できないということなのでしょう。


 上記の視点を中心に、全馬見ていきたいと思います。

 ラッキーライラックはここまで無敗。
 指数も73と桜花賞出走馬の中では2番手。
 前走の上がり指数も13と丁度良いです。
 スローでの上がり勝負の馬は上がり指数が20近く出ることもあるのですが、桜花賞はそういう馬は基本的に来ません。上がり指数10~15くらいのレースをしたことがある馬がいいですね。

 しかし、実はラッキーライラックも厳密な意味ではハイペースを経験していないことになってしまいます。
 昨年の阪神JFも今年のチューリップ賞も両方スローになってしまいました。こういうケースは非常に珍しいのですが、事実なので仕方ないです。
 ただ、アルテミスSは前半35秒4、後半35秒1というほぼミドルペースという流れでしたので、これで、スローペース以外を経験したということにすれば、特に問題はないことになります。
 私はラッキーライラックについては、特にペース経験のことをとやかく言う必要もないかなと思っています。

 どっちかというと、この馬の場合は、枠順と鞍上がカギでしょう。
 外枠になれば、自爆しない限り間違いなく馬券圏内に来ると思います。

 一方、内枠に入って鞍上が捌ききれなかった場合は…。

 間違いなく桜花賞は1番人気になりますが、1番人気でG1を勝ったことがない騎手がクラシックの大舞台で圧倒的人気を背負うプレッシャーは相当なものでしょう。
 能力は間違いない。しかし鞍上は不安というのが正直なところでしょう。

 指数的には、ちゃんと乗れば間違いなく上位に来るはずです。


 マウレアは、ディープ牝馬。
 この馬はハイペースのクイーンCを経験しており、かつ、70以上の指数で走っていますので、前提はクリア。
 体調次第ということろはありますが、鞍上の好プレー次第では本番で逆転も不可能ではないと思えます。
 指数的には候補の1頭ですね。


 リリーノーブルは阪神JFとチューリップ賞で上位に来ているのですが、今年の場合は、それでもスローペースしか経験していないことになってしまいます。
 ローテー的にはこれがベストですし、指数も当然70以上出ていますので、特に心配する必要はないかも。
 ただ、条件的にも相手関係的には、1着となると難しいのかなというイメージはあります。
 馬券内に入る可能性は大いにあります。


 リバティハイツは、フィリーズレビューでハイペースを経験できたのは良いのですが、肝心の指数が66ではちょっと勝つまではどうかなという位置取り。トライアル3戦の中で、フィリーズレビューが一番レベルが低いレースだったこともあり、この組からはあまり指数的にも押せないですね。


 アンコールプリュも同様で、ハイペースの経験はあるものの、指数が足らずという印象です。


 デルニエオールも同様です。うまい具合に出走権を獲得しまいたが、本番では指数的には厳しい位置です。


 ハーレムラインは、実は未勝利勝ちの際の指数が73と牝馬にしては非常に高く、指数的には非常に面白い存在です。その未勝利戦でハイペースを経験していますし、指数的には文句なしの存在。
 指数的には本番で非常に楽しみな1頭です。


 レッドレグナントは、新馬戦で速い流れを経験しているのでそこは問題なし。しかし肝心の指数が足りない状況です。


 アーモンドアイは、最高指数が59と非常に低いです。というのも、前走のシンザン記念は馬場が1日の間に大きく動いた日で、しかも不良馬場。
 指数的に判断のしようがないレースでした。
 そのシンザン記念の59という指数を鵜呑みにはできないです。
 さらに、その前の2戦もスローのレースで指数が低いので、現時点では指数ではまるっきり判断できない状況です。
 桜花賞馬の条件に照らすと、ハイペースの経験もなく、指数も低いので、合わないということになります。
 しかし、そもそもこういうローテ及び指数の出方で桜花賞に挑戦してきた馬が記憶にありません。

 非常に迷いますが、指数から離れて考えるのであれば、ローテーションは万全ではないですね。
 そこをどう考えるか。

 いずれにしても指数からは判断できないので、他の要素で考えるしかないでしょう。


 プリモシーンは2戦目の未勝利勝ちが非常に強く、この世代の牝馬の最高指数78をクイーンカップで出したテトラドラクマを打ち破っています。
 テトラドラクマが桜花賞に出てきていたのであれば、本命級の評価になるはず。そういう意味では、プリモシーンお評価も上がることにはなります。

 ただし、プリモシーン自体は、スローの経験しかなく、かつ、指数も70に届かず。
 素質はありそうですが、ローテーション的にも、ここは勝負ではないと見るのが妥当でしょう。


 モルトアレグロは前走は大敗しましたが、その前の紅梅Sは勝っていますし、ハイペースも経験あり。
 ただ、指数がわずかに70に届かず。勝ち切るまでは難しいのかなという評価です。


 アンヴァルはハイペース経験あり。かつ、桜花賞出走馬の中では最高指数の74という指数を出しています。
 指数的には本命級の扱いになるのですが、いかんせんマイルの経験がない。

 ある意味当然のことなのでポイントには入れませんでしたが、やっぱりマイル経験は重要です。マイル未経験の馬が勝った例もほとんどないはずです。ワンダーパヒュームまで遡らないといけません。

 毎年のようにこういう馬がいて、過去何度もこういうタイプから行って失敗した自分自身の過去の経験から、勝ち切るシーンまで想像するのは難しいです。
 それでも、指数的な観点からは、馬券的には絶対に加えたい1頭です。


 コーディエライトは、指数的に現時点では上位と差がある状況なので、本番で急に上昇というのは考えづらいです。


 レッドサクヤは前走のエルフィンSでハイペースの経験あり。かつ、前走でギリ指数70を出しています。
 ギリギリではあるものの、指数的には桜花賞候補の1頭にはなります。

 ただ、現時点でまだ鞍上が決まっていないようですし、そういう馬が本番で結果が出るというのもあまり記憶にないです。本番の馬場状態や流れ次第では面白い存在になる可能性はあるでしょう。


 アマルフィコーストは前走が非常に残念なことになってしまったのですが、無事で何より。
 新馬でハイペースを経験している馬なので、そこは問題なし。ただ、指数はわずかに及ばずというところです。


 ツヅミモンは、ある意味、前走が非常に注目されていたと思います。
 シンザン記念でアーモンドアイの2着だった馬ですから、比較の意味で、ツヅミモンがクイーンCでどれだけやれるのかと思ったら12着大敗。

 だからといって、別にアーモンドアイが弱いということにはなりません。
 わかったことは、クイーンカップで12着だったツヅミモンは指数67だったので、アーモンドアイも当然それ以上の指数は出るだろうということ。
 しかし、こんなことがわかったところで馬券には何の足しにもなりませんから結局よくわからないままです。

 ツヅミモン自身の指数としては、前走12着の指数は取りません。流れが速かっただけで、流れ込んで出た指数ですから、シンザン記念のほうの指数を取りました。
 いずれにしても、この馬自身は桜花賞候補に近い存在ではないです。


 スカーレットカラーは、個性派の鞍上が乗り続けていたこともあり、ハイペースをマイルでも経験できています。ただ、指数は足らず。勝ち切るまでは難しい印象です。


 トーセンブレスは、末脚強烈なのですが、この馬も厳密な意味ではアルテミスのミドルペースしか経験がなく、ハイペースの経験はなし。指数も70には届かず。やっぱりスローの決めて勝負の馬という印象は拭えません。
 あと、鞍上も現在では頼りなく感じてしまいます。


 フィニフティは、前走指数が74と桜花賞出走馬の中ではアンヴァルと並んで最高。クイーンカップでハイペースの経験もあり、2戦の経験しかないものの、桜花賞候補としての条件を満たします。
 出てきたら非常に楽しみなのですが、現時点では3分の2の抽選で出走可能かどうか決まる状況。
 ローテーは確かに疑問で、勝ち切るまでは厳しいかなとも思えますが、出てきたら、指数的には大注目の1頭となります。


 以上から、現時点での指数的な注目馬は、ラッキーライラック、マウレア、リリーノーブルのチューリップ組、アネモネSからのハーレムライン、そのほか、アンヴァル、レッドサクヤ、フィニフティくらいまででしょうか。

 ここから本番までの調子や成長力も加味され、楽しみな桜花賞となりそうです。

 なお、くどくど言う必要もないとは思いますが、上記のお話は、スピード指数という側面から考えているだけです。スピード指数に興味のない方は一切気にする必要はありません。
 御自身の信じる道を進んでクラシックを楽しんでください。


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