特別な世界ではなくなりつつあるのかも
最近は、乗り続けた馬であっても、前走で結果を出した場合であっても、あっさりと騎手が乗り替わりになることが多くあります。
リーディング上位騎手に乗り替わる、イコール、外国人騎手に乗り替わるということにもなりつつあります。
なりつつあるというか、もうなってますね。
競馬の世界では、主戦、という言い方をして、この馬にはこの騎手という「組み合わせ」が成り立っていました。
しかし、最近では外厩の発達もあり、そもそも厩舎と騎手と馬との結びつきが薄れた部分もあって、「組み合わせ」にこだわるようなことは、少なくなってきました。
乗り替わりと言うと、何か特別なことのように思いますが、むしろ、一般社会では普通のことかもなと思いました。
大事な顧客や、一大プロジェクトを信頼のおける成績の良い人間に任せることは会社組織ならば当然の話です。
自分が育てた市場や顧客を、配置転換とかジョブローテーションとか言う言葉でもって、あっさり手放して会社の言うとおりにしなければならないことなんて、従業員数の多い上場会社ならば、当然の話でしょう。
若手騎手が乗り替わられて、ひどい話だ、義理も人情もないという話になりますが、会社だったら大プロジェクトで何の経験もない若手を起用するなんて基本的にあり得ない話です。
チョンボがあっても誰も責任取れないですし、誰も責任取りたくありませんから、そういう采配はないです。
騎手の場合は、個人事業主で、すべて自己の危険と責任において行動しています。だからこそ、サラリーマンでは手に入らないような高収入が得られているというのもあるでしょう。
でも、最近はどちらかというと、無難に乗って、無難な結果を目指す、サラリーマン的な騎手も増えたなと思います。
競馬全体が、一般的な職業の世界に近づいている気がします。
そうであるならば、成績が下位の騎手から成績が上位の騎手に乗り替わるのは当然。
特にクラブ馬の場合は、最大の利益を挙げるファンドであるというタテマエから言えば、期待値の高い上位騎手を据えるのは当然の施策ということにもなるでしょう。
私は、個人的には、上位の騎手に乗り替わるのは当然だと思いますし、それが嫌なら他の職業に就くしかないのかなと思います。まあ、他の職業に就いたとしても、そういう人は同じ結果になるとは思いますが。。
ただ、それで競馬が面白くなるのかどうかというと、話は別。
しかしながら、昔のように「主戦」が決まっている世界に戻せと言っても、それはもう無理な話。
とすると、何か新しい施策を打つしかないでしょう。
将来的には騎手ハンデ戦なんていうのもありうるかもしれませんね。
若手の減量ではなく、リーディング上位騎手には斤量を加算し、下位騎手には斤量を減量すると。
ルメール騎手とかデムーロ騎手とかは、当然にプラス2kgくらいでしょうねえ。プラス3kgもありうるかも。
年に一桁しか勝たないリーディング下位騎手の場合は、マイナス2kgとか。もう、大盤振る舞いでマイナス5kgくらいしてもいいかも。でも、そうすると減量が厳しくて乗れないという人もでるかもしれませんが、さすがにもうそういう人は引退するしかないでしょう。
馬券が売れるのであれば何でもするのが今のJRAですから、あながち寝ぼけた話でもないかなあとも思うのですが。
一つ言えることは、どの世界でもプロである以上厳しいのは当たり前。
泣き言をいう人間から去っていくのだろうなとは思います。
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