基本英文700選
カタログを見て、さらに、DVDを見ると、色々と思うところがあります。
ありがちなのが「思っていたの違う」ってやつですよね。
血統だけ見て、きっとこういう馬だろうと思っていたら、カタログを見て、全然予想と違っていた。
次に、カタログを見て、きっとこういう馬だろうと思っていたら、DVDを見て、全然予想と違っていたとか。
まあ、これは自分の思い込みですから仕方ないですし、誰のせいでもない。
それもまた、このときばかりの楽しみと割り切ればいいんじゃないなのかなと。
カタログの前に、厩舎の発表があるわけですが、ここが一番のガッカリポイントだったりもしますよね。
何でこの馬がこの厩舎なんだよ!と怒りに震える場合もあるかもしれません。
自分がコレと思っていた馬がリーディング上位の有名厩舎だったら、ヨシと思う反面、ものすごい人気になるかもしれないと早速票勘定を始めてしまうかもしれません。
ただ、厩舎って、本当に自分の出資馬を扱ってもらって、それで初めて特性というか特徴がわかることもあります。
名前で勝手に色々と期待しすぎていたということも起こり得ます。
その昔、大学受験で、「基本英文700選」という本を買った(買わされた)んですよ。
なんでも、その筋では「名著」と呼ばれる本で、これをマスターすれば、どんな大学も(英語に関しては)怖くないとか。
ただまあ、能の足りない学生にとっては、非常に面白みのない文章の羅列で、到底マスターする気にならず、本棚の飾りとしての役目がほとんどでした。
今じゃ考えられないと思うんですけど、その頃は今の少子化と逆の子供の数が妙に多い時代だったので、予備校もとにかく盛況でした。
夏期講習とか、駿台に朝から申し込みのために並ぶんですよ。
そんで、人気講師の講座から順に、早い者勝ちで埋まっていってしまうのです。
今みたいにインターネットで動画配信とかない時代ですし、とにかく何でも行列の時代でしたね。ドラクエでも何でも。
その夏期講習で、「基本英文700選」の著者であるI先生の講座があったんです。
あの有名な名著の著者の授業を受けられるんですから、これはもう、大変なことですよ。
人気の講座でしたけど、友人がその口座を取れたんですよ。
よかったね~。楽しみだねえ~。なんて言いながら、私も大して勉強するわけでもないのに、なんとなく興奮しつつ、皆それなりの夏期講習の講座を申し込んでその日は終わりました。
月日は過ぎて、夏期講習も終わりに近づいたところ、その友人に、I先生の講座どうだった?って聞いたんですね。
友人曰く、「すげえつまらなかった。」と。
え~?だって、あの有名な著者の先生でしょ?
ひょっとして、誰かの代講になったとか?
納得が行かずに友人を問い詰めましたが、友人曰く、
「本は凄いけど、授業はつまらなかった。」と。
ちなみに、その友人は普通に東大に行ったので、その友人の能力がその授業を理解するレベルになかったということではありません。
全受験生が泣いた!かどうかは知りませんが、それくらいの名著と言われる参考書を著す先生でも授業はおもしろくなかったという。
やっぱり実際に経験してみないことにはわからないもんなんだなと、若いながらに痛感したわけです。
結局名前だけにひかれて、期待値が上がり切ってしまって、そしてその後、出資馬が冷たい仕打ちを受けたと感じ、期待を裏切られる。
そんなことを考えながら、色々と昔のことを思い出しました。
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