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January 2024

January 31, 2024

ガチョウと白鳥と成駿氏と

※いろいろ紆余曲折あったガチョウvs.白鳥ですが、私の最終見解は次の「続・ガチョウvs.白鳥」に書きました。そちらも併せてお読みください。結論として、例の騎手は「不起訴処分」ということで(笑)。

 

 とある外国人騎手が、「一身上の都合」により、短期免許を返納して、先日クニに帰られたそうな。

 様々な事情があるでしょうから、それはそれでいいのですが、帰った後に、ご自身のクニのマスコミに、「ガチョウを白鳥にすることはできない」と語ったとか。

 まあ、つまりは、騎乗馬のレベルが低く、どうやっても勝ち星を量産できそうにないので、日本の短期免許でこれ以上乗ってもしかたないと。

 プライドもあるでしょうし、昔だったら遠い外国での発言が日本に伝わることもなかったでしょうからいいんですが、今は何でも瞬時に伝わる世の中ですから。

 あんまりそういう恥ずかしい発言はしないほうが良かったのかなと思います。

 先日ススキノで暴れて捕まった元騎手も、結局は馬の質で、いい馬には誰が乗っても同じというようなことを言っていましたが、それも確かに半分は真実ですが、「いい」馬を潰す「悪い」騎手がいるのも真実。

 30年以上競馬を見てきて、ヒト3、ウマ7ではなく、ヒト1、ウマ9、の場面も確かに多く見てきましたが、一方でヒト5、ウマ5の場面も確かにあった。

 騎手はすべての関係者が精魂込めて創り上げた「作品」を最後の最後で台無しにすることもできる責任の大きな職業。

 ウソでもいいから「オレが乗っていたら違った」くらいのことを言って欲しいですね。

 その上で、1,000勝以上するようなジョッキーになったのであれば、引退間近になったら、「こんなに追ったのは何十年ぶり」というリップサービスがあってもいいんだと思います。

 そのようなユーモアのある謙遜も日本の騎手ならではだったのかもしれません。

 

 ガチョウvs.白鳥の話を聞いて、懐かしく思い出すのは故・清水成駿氏のこと。

 もし成駿氏が今生きておられて、この発言を聞いたならどんな辛辣な発言をしたのかなと思ってしまいます。

 その昔、短期免許の騎手が日本に来始めた頃、その少し前のマル外ブームもあってか、とにかく外国は凄いんだという「前提」がありました。

 そんな中、短期免許で来日したサンチャゴ・ソト騎手は、まだ競馬を始めてから数年の私でも、アレ?この騎手はどうなんだろうかと思うことが度々ありました。

 ある日、ラジオ日本で最終レースの実況・解説を聞いていると、時間が余ったんでしょうね、話を振られた清水成駿氏が、突然咆え出しました。

 あの軽妙な、かつ、趣のある語り口で、あいつは一体何なんだとボロクソに語り始めたんです(笑)。

 歯に衣着せぬタイプの解説者でしたから、それだけファンも多かったですし、また、聞く価値もあったわけです。

 外国人騎手というだけでありがたがられているが、あいつは違う。

 雑な騎乗で日本を舐めている。

 というような評価だったと思います。

 

 今、東スポもまったく買わなくなりました。

 一馬はもっと前から買わなくなっていましたが、G1になると東スポに清水成駿氏のコラムが一面に載るのが楽しみで、東スポを買っていた自分がいました。

 今回はどんなお話し、どんな切り口でレースを予想するのだろうと、ワクワクしていました。

 今は、あれは言ってはダメ、これは触れてはダメ、という世の中ですから、仮に成駿氏が生きておられたとしても、あの鋭い批評を聞けたかどうかわかりませんが、ガチョウと白鳥の話を聞いたならきっとコラムで触れたでしょうし、また、皮肉たっぷりのユーモアあふれる文章で我々を楽しませてくれたんだろうなと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

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January 30, 2024

なんとなく、よろしいですか

 もう月末。

 自然大災害に始まり、その後もいろいろな出来事があった1月でした。

 原作の漫画家さんが原作を改変しないように「契約」してあったのにもかかわらず、テレビドラマの脚本家が勝手に改変しようとして、色々揉め事になり、途中省略しますが、結果として原作者である漫画家さんが命を落とすことになるという事件がありました。

 人が一人死んでるのにテレビ局側は何か他人事。

 一方で松本人志の過去の事績については、何も確定していないにもかかわらず早々に半ばクロと決めつけて「存在しなかった人」として対応しようとする。

 まずこのマスコミの態度に大いに怒りを感じます。

 松本人志の件については、ジャニーズ事務所のジャニーという明らかな犯罪者とは全く事情が異なりますし、そもそも何で過去をほじくり返して有名人だからと言ってプライベートなことを報道する権利があるのか謎です。

 公益性があるという話ですが、どう考えても公益性なんてない。

 被害者だという方が裁判でキッチリ白黒つけようとなったのであれば報道する価値があるでしょうが、その「被害」についてどうせ裁判で争うつもりはないわけでしょう。

 であれば、相手が有名人であれば騒ぎ立てたほうが得というか、過去に聖人君子であった人以外はテレビに出られなくなるということだと思います。

 正直言うと、私もぜひ週刊文春に記事にしてもらいたいことがあります。

 それは私が新卒で入った超ブラック企業について(笑)。

 誰でも知っている有名企業でしたが、今から考えると超ブラックでした。

 とんでもない人権侵害が行われていました。

 新卒は全員強制入寮で、家(実家)から十分通える距離であっても強制入寮でした。

 ここまででは人権侵害とは言えないでしょうが、ここからが「カイジ」っぽいわけですよ。

 寮の食事が「粗末な食事・・・」であるのはまあ許しましょう。

 問題は風呂。

 有名な、「家畜だってもう少しまともに身体を洗ってる」というセリフを思わず発したくなる寮の風呂でした。

 どういうことかというと、量の風呂のボイラーが夜10時で止まるんですよ。

 そんでその後は水しか出なくなるわけ。

 風呂は夜11時まで入って良いのですが、そもそもスーパーブラック企業ですからほぼ毎日終電。

 11時までに寮に戻れません。

 そうなるとどうなるか。

 朝5時から再び朝風呂に入ることが可能になるのですが、なんとボイラーは動かない。

 つまり冷たい水か、風呂釜にある昨日のぬる~い残り湯を使うかしか選択肢がない。

 冷たい水よりは、わずかながら、ぬる~い残り湯のほうが温度が上ですが、朝から水での修行か汚いぬるま湯を使うしかない。

 嫌だからといって、寮を出ていくわけにもいかない。

 もちろんそんなことをしたらクビでしょうし、寮のジジイは何か文句を言うとすぐに「人事部に言うぞ!」というようなヤベー奴。

 結局カイジのように「家畜だってもう少しまともに身体を洗ってる」と思いながら日々を過ごすしかなかったわけです。

 ちなみに100%マジの話で一切脚色していません。

 その他、上司に朝財布の中身を確認されるとか、競馬をやっていることを上司に知られたら「お前の人生にとって明らかなマイナス」とか言われたり。

 インフルエンザになった先輩は休みたいと言ったら上司に「死んでも来い!」と言われ、マジで死にそうな状態で会社に来たら、その来いと言った上司のさらに上役から、「なに?インフルエンザ?すぐ帰れ!」と会社に来て5秒で帰らせられる始末。

 まだまだありますが、とにかくこういうことが日常茶飯事。

 まあ、同世代の方なら、うちもそうだったよという方も結構いると思います。

 なかにはもっとひどいエピソードもあるでしょう。

 今だったら、訴えれば確実に勝てると思います。

 録音機器だって常備できますし、映像だって取得できるかもしれない。

 しかし、私の人権侵害をされた話を文春が取り上げることはないですよね。

 有名人ではありませんし、誰も競馬悟空の風呂の話に興味ない。

 でも人権侵害があったことは事実です。

 神に誓って事実だと言えます。

 だからといって、今さら過去のスーパーブラック企業を訴えることもできんでしょう。

 どこかの国の訴訟と同じになってしまいます。

 

 松本人志から被害を受けた人がいて、その人にとっての被害は被害であることは間違いありません。

 私にとっての人権侵害も人権侵害であることは間違いない。

 ただそれを遡って、騒ぎ立てるのはどうなのかなと思います。

 明らかな刑事事件、犯罪であれば話は別ですが、幸いにも私は殴られたりとか刑事事件になるような出来事はありませんでした。

 そこはさすがスーパーブラック企業というべきか、その一線は超えてこなかったですね。

 普通にCM打ってる有名企業でしたしね。

 

 話は少し変わって、マスコミが勝手に印象操作というか、言葉を切り取ってイメージを作ることがありますよね。

 被害に遭った政治家は特に多いでしょう。

 政治家だけでなく、有名人もやたらと「揚げ足取り」される時代になりました。

 発信するから揚げ足取りされるという原則はあると思います。

 小島太元騎手(元調教師)の「こんなに追ったのは何十年ぶり」という発言は、当時であっても揚げ足取りされましたが(笑)。

 今はもう、マスコミにはウイニングポストのような提携コメント以外は発信しないほうが良いでしょう。

 そこで思い出すのが、初代ウイニングポストの「日原成樹」騎手ですよね。

 どんなレースでも、

「今日は何となく追い込みで行きたいですが、よろしいですか?」

とか言って。

 いいわけないだろ!って突っ込むしかないわけですが、結局どう乗ったところで最終的に負けたら非難される騎手の立場からしたら、このコメントが一番いいのかなと思いました。

「今日はなんとなく追い込みで行きたかったのですが、最後の直線でお馬さんが疲れてしまいました。」

これが将来の騎乗後のコメントとしてベストなんじゃないかなあと思います。

 なんでそんな乗り方したんだ!と言われたら、「なんとなくです。」と答えればいいです。

 なんとなくは、なんとなくなんだから、それ以上説明のしようはない。

 勝てなかった理由は、「お馬さんが疲れたから。」です。

 だって実際そうですもんね。

 細かいこと言えば色々あるのかもしれないけれど、結果としてお馬さんが最後の直線で疲れてしまったから負けたわけです。

 勝ったお馬さんは疲れていなかったわけですから。

 

 個人的には、楽しいニュースが増えてくれたら、またテレビも見たくなるのになと思います。

 嫌なニュースなら文字だけで十分かもしれないです。

 

 

 

 

 

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January 03, 2024

とりあえず新年

 おめでとうございますと言っていい雰囲気なのかどうか、迷ってしまう感じになりましたが、とりあえず新年を迎えることができました。

 地震は、東京に住んでいる私には直接的な影響はなかったものの、正月早々に家を失われた方、さらには最悪の事態になってしまわれた方もいらっしゃるわけで、なかなか新春ムードにはならない部分もありました。

 元旦に記事を書こうと思ったのですが、なかなか筆が乗らずというか。

 災害の被害に遭われた方にこの後良いことが起こりますように祈っております。

 飛行機爆発については、こっちは他人ごとではなく、JAL516便は何度か乗ったことがありますし、心底戦慄しました。

 海上保安庁の乗務員に方が亡くなられたのは誠に残念ですが、JAL側に一人の死者も出なかったのは正直信じられないくらいの偉業だったと思います。

 着陸してから燃えたわけではなく、着陸途中で燃え出したわけで、その状態で全員脱出できるってすごいことだなと。

 緊急時のための動画、毎回見させられて、もう内容も暗記してしまうくらいですが、結局はそのような日頃の行いが生死を分けるんだなと思いました。

 代ゼミではないですが、まさに日々是決戦、そのような訓練をしている乗務員もさすがですし、そこに対応できた乗客も無事で何より。

 その昔、海外旅行が趣味の知らない人のブログで、世の中のたくさんの航空会社の機体に登場した経験がある人が語っていたんですが、ロシアのアエロフロート機に登場し、CAさんに救命道具の使用方法を尋ねようとしたと。

 CAさんはCA席に脚を組んで座ってタバコを吸いながら、「飛行機が落ちたら全員死ぬからおまえはそんなものの使い方を知る必要はない」と言われたと(笑)。

 タバコが吸えた時代の話ですから、今とは違うでしょうが、アエロフロートってよく落っこちますしね(笑)。

 でも、今回の事件がJALとかではなかったら、死人が出ていてもおかしくなかったのかなと思います。

 私は人生で一度もLCCに乗ったことはないのですが、こういうことがあると、かえってJALへの信頼度は上がります。

 多分一生LCCには乗らないだろうなと、私個人は思うのでした。

 

 色々あっても、直接的に関係のない人間は普段通りの生活をするべきだと私は思っていますので、世の中の安定を祈りつつ、1月6日の金杯から、また競馬を見ていきたいと思っています。

 新年早々初来日も含めて外国人騎手が大挙してやってきますが、どなたさまが日本の競馬に合わせることができるのか、そこがポイントになりそうですね。

 外国人騎手もさまざまで、さすがと思わせる安定感のある騎手もいますが、基本は「稼ぎに来ている」わけで、そこは日本人騎手とは心構えが違う部分もあります。

 誰とは言わないですが、ガンガン行って最後アラアラというなんかいつぞやの弥生賞でこんな競馬を別の騎手で見たことがあったなあというデジャブが最近あった気もします。

 外国人騎手も一長一短というか、誰でも乗れるような簡単な馬ならば腕っぷしを信用していいのでしょうが、そうでない馬にはそれなりの力しか発揮しない人もいるので、今回の外国人騎手たちがどのような活躍を見せるか注目したいと思います。

 

 

 

 

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