カテゴリー「一口馬主と税金」の記事

May 09, 2014

雑になったら

 ここでいう、雑とは、雑所得のことです。

 今日、例の馬券事件の控訴審の判決が出たようですね。一審の内容を踏襲して、今回問題となった馬券の収入は雑所得とされ、ハズレ馬券は雑所得の金額の計算上、必要経費と認められたようです。

 前にも書きましたが、馬券の収入は長らく一時所得という解釈で揺るがなかったのですが、今回の事件のように、機械的に馬券を買うような手法については雑所得に区分すると認められた形です。まだ二審が確定しただけで確定ではありませんが、おそらくこのまま確定するのではないでしょうか。

 今回のように、29億円の収入があっても、実質的な利益がせいぜい2億くらいなら、そこに5億とかの税金をかけられても、そもそも税金を払う原資がない、要するに担税力がないです。税務署もわかっちゃいるけど、法律を適用すると避けられないというか、法律を捻じ曲げるわけにはいかないという事情もあったのでしょう。法律が時代についていけなくなった典型例だったとも言えるのでしょう。

 ところで、じゃあ、もし今回の事件にに限らず、馬券の収入がすべて雑所得に区分されるとしたらどうなるのでしょう。

 基本的にほとんどの人には影響はありません。なぜなら、ハズレ馬券が雑所得の計算上必要経費と認められるわけですから、年間の収支がマイナスなら所得はゼロで、税金をとられることはありえません。私も含めて、ほとんどの人はこのマイナスグループに入ってしまうので心配ないです。

 影響があるのは、WIN5で2億円とか当たった時ですね。一時所得ならば、課税標準が半分になるので、所得税は最高でもだいたい20%の税率で済みますが、雑所得に区分されると課税標準が半分にならないので、最高税率の40%で税金が持って行かれてしまいます。単純計算で4,000万円くらい余計に税金を持って行かれる計算になります。
 WIN5も、ちょっと夢のない話になってしまいますよね。

 じゃあ、もし、そうなった場合に、税金を持って行かれない方法があるのか?

 一応あります。それは、ハズレ馬券をかき集めることです(笑)。

 現状、馬券には名前は書いてありませんから、競馬場、WINSなどでハズレ馬券を片っ端からかき集めて、それを年間で2億円分集めておけば、仮にWIN5で2億円の収入があったとしても、2億円-2億円=0、となり税金は取られないことになります。

 もしそうなったら、競馬場には一切ハズレ馬券のゴミがなくなるでしょう。競馬場やWINSの美化のためには良いかもしれません(笑)。

 上記のお話は、まったくの妄想です。現行、普通の人が、普通に競馬場やPATで買う馬券は一時所得に区分されていることに変わりありません。間違っても明日からハズレ馬券を拾い歩いたりすることのないようにしてくださいね(笑)。

 でも、同じ馬券の収入でありながら、一方は一時所得で、一方は雑所得という現在の法解釈は明らかに歪んでいることになりますので、なるべく早期になんらかの改正が行われることを望みたいです。

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February 05, 2014

2014年一口馬主と確定申告

 今年も確定申告の時期が近づいてきました。そこで今日は、昨年に書いた確定申告がらみの話を再掲しておきたいと思います。先日友人にも確定申告のことをきかれましたので、気になっている方も多いのかなと思います。内容については、昨年のままです。特に関連する改正もありませんでしたし、昨年かなり気合を入れて書きましたので、さすがに内容的にはこれ以上書くこともありません。

 別にこんな長ったらしい記事を読まなくても、よくわからなければ税務署にきけば教えてくれると思いますが、何事も理屈がわからないと納得できないという方もいらっしゃるでしょうし、自分が損をしてるんじゃないかと気になる方もおられるでしょう。そういう方の疑問の解消に役立てば何よりです。

 なお、あらかじめ申し上げておきますが、税金に関する事情は個人ごとに千差万別であり、すべてをフォローすることはできません。疑問等がある場合は、最寄りの税務署に相談していただきますようお願いいたします。


*****

Q1:所得税では「損益通算」により、損失の金額を利益と通算できるという規定があると聞きました。給与所得者の私でも、一口馬主で出た損失の金額を、給与所得から控除して税金の還付を受けることができますか?

A1:できません。
 まず、一口馬主の所得(利益)及び損失は所得税法上、「雑所得」に区分されます。損益通算というのは、「不動産所得、事業所得、山林所得又は譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、一定の順序・方法により、他の各種所得の金額と通算できる。」という規定です。この中に「雑所得」は入っていません。したがって、一口馬主の所得及び損失は、給与所得を含めた他のいずれの所得とも損益通算はできません。


Q2:一口馬主も匿名組合契約で金融商品ですし、上場株式も金融商品の仲間ですから、上場株式の利益又は損失と一口馬主の損失又は利益を通算することはできますか?

A2:できません。
 上場株式の所得は分離課税です。一方、一口馬主の所得は総合課税の雑所得です。その名の通り、株式の所得は他の所得と「分離」して課税する仕組みであるため、原則として他の総合課税の所得と通算することはありません。したがって、総合課税である一口馬主の所得及び損失とは通算できません。


Q3:確か以前はFX(くりっく365以外のもの)の所得及び損失は、一口馬主の損失及び所得と通算できましたよね?これは今年も大丈夫ですか?

A3:改正により平成24年から通算できなくなりました。
 確かに、平成23年分まではFXと一口馬主は通算できました。なぜなら、いずれも同じ「総合課税の雑所得」であったため、雑所得内での内部通算が可能だったからです。ところが、平成24年からは、FXのほうが、「分離課税の雑所得」の区分に引っ越してしまいました。一口馬主が総合所得、FXが分離所得と分かれてしまったため、平成24年分からは一口馬主とFXは通算できなくなりました。
 これは、決して納税者に不利な改正が行われたわけではありません。FXのほうは分離課税になったことにより、所得税の税率も今まで最高40%の税率だったのが、定率(15%)になりました。また、何より大きいのは、3年間の損失の繰越が認められるようになりました。以前はFXも一口馬主と同じ、一番不利な税制だったのが、今は大きくランクアップし、納税者有利な取り扱いとなっています。
 まあ、その代償として一口馬主とは通算できなくなってしまいましたが、これはやむを得ないですね。


Q4:じゃあ、何か一口馬主の所得及び損失と通算できるものって残っていないんですか?

A4:上で話した通り、一口馬主の所得及び損失は損益通算はできません。可能なのは同じ「総合課税の雑所得」に区分されるもの同士での内部通算だけです。総合課税の雑所得となるもので、一般人に関係ありそうなものと言ったら、あとは外貨預金の為替差損益くらいでしょうか。外貨預金の為替差損益と一口馬主の所得及び損失は、今までも、これからも、通算できます。


Q5:雑所得は損益通算できないっていうのは納得しましたが、所得税法には、「雑損失の繰越控除」という規定があると聞きました。ということは、雑所得の損失である一口馬主の損失も、来年以降に繰り越して、来年利益がでたら通算して税金の還付を受けられるんじゃないですか?

A5:まったく違います。一口馬主の損失は翌年以降に繰り越せません。
 確かに、所得税法には「雑損失の繰越控除」という規定があります。しかし、ここで言う「雑損失」は、「雑所得の損失」とは全然違うものです。
 所得税法上の雑損失というのは、震災などの災害等により、住宅・家財などの生活に通常必要な資産について生じた損失の金額のことです。こういう天変地異のような災害によって損失を被った人から税金を取るのは忍びないので、その損失を控除し、また控除しきれない場合は翌年以降3年間繰り越して、税金を軽減又は免除してあげるというのが「雑損失の繰越控除」というものです。
 一口馬主の損失は、私たちが、単なる趣味、要するに無駄遣いで生じた損失ですので、「雑損失」とは似ても似つかない種類の損失です。「雑所得の損失」には、繰越控除の規定など一切ありませんので、損失を翌年に繰り越すことはできません。損失の金額が余ったとしても、その損失の金額は今年で打ち切りということです。


Q6:会社から給料をもらっている給与所得者(他の所得は一口馬主だけ)ですが、結局のところ自分が確定申告しなければいけないのかどうなのかがはっきりしません。一番怖いのは、確定申告する必要もないのに確定申告をして、余計に税金を払うことにならないのかということです。余計なことをして損をしたくありません。

A6:必要もないのに確定申告をして余計に税金を払うという事態は発生しません
 どういうことかというと、所得税法120条の確定申告(確定所得申告)は義務であり、選択制ではないということです。要するに、税金を払わないといけない人は、必ず確定申告をして税金を払うように法律で定められているということです。
 逆に、給与所得者で、所得税を源泉徴収されており、かつ、何らの還付も生じない人は、確定申告したくてもできません。こういう人は、法律上、「確定申告の義務がない人」になります。この場合、「義務がない=申告できない」ということを意味しており、私は税務署が好きだからとか、自分の勉強のためにとかで税務署に行って確定申告させてくれと言っても受け付けてもらえません。そういう変な人が税務署に押し寄せたら、税務署の事務が混乱して行列がさらに長くなってしまうため、そういう意味のないことはできないようになっています。
 クラブからの案内に書いてある、「給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計が20万円超の方」というのは、申告して得になろうが損になろうが、法律上必ず申告をしなければいけない人のことです。この人が確定申告をしないと、確定申告義務違反です。要するに法律違反になります。
 比較のために言うと、給与所得者(源泉徴収されており、医療費控除その他の申告による所得控除がないことが前提)で、一口馬主の雑所得が△10万円、かつ、その雑所得について1円も源泉徴収されていない人は、確定申告する必要はない(したくてもできない)人です。この場合は、仮に申告しても1円も戻ってこないし、1円も支払うこともないので、当然といえば当然ということになります。


Q7:余計なことをして税金が増えるということはなく、法律違反になりたくなければ、義務がある場合は必ず確定申告しなければならないということはわかりました。しかし、上記の説明を読んでも、自分が確定申告義務があるのかないのか今一つはっきりしません。というより、余計混乱してしまいました。何かパターン別の事例とかありませんか?

A7:以下に考えうる限りのパターンを示します。

※特に断りがない限り、給与所得者で年末調整を受けており、かつ、医療費控除等の申告による所得控除がない人が前提です。
※その年において支払いを受けるべき給与の額が2,000万円以下の方が前提です。年収2000万円超の方は必ず確定申告しなければなりません。
※一口馬主の所得とは、クラブから来た計算書の、(収入金額-必要経費)、のことです。クラブの書類上はマイナスの金額でもゼロと表示されている場合がありますが、他の一口馬主クラブの所得と内部通算するときは、ゼロではなく、マイナスの金額を使います。


①給与所得者で、一口馬主の雑所得の合計が20万円以下の方

(例1)
給与所得 500万円
一口馬主クラブAの所得 30万円
一口馬主クラブBの所得 △50万円
源泉徴収税額 6万円

 この場合、クラブAとクラブBの雑所得を通算(内部通算)すると、△20万円となり、「給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計が20万円超の方」には該当しないこととなりますので、確定申告義務はありません。
 しかし、この方の場合、雑所得がマイナス(△20万円)で、かつ、源泉徴収税額がありますので、所得税法122条(還付を受けるための申告)の規定により、確定申告することができます。
 確定申告義務がない人が全員確定申告できないことになってしまうと、こういう、損しているのに税金だけ取られたままの人を救うことができなくなってしまいます。そのため、確定申告義務がなくても確定申告できるという規定が別途設けられているわけです。この122条は、あくまで、「できる」規定で、義務ではありませんので、源泉徴収税額が1,000円に満たないなど、時間の無駄だと思われる場合は、そのまま確定申告しないでおいても何ら問題はありません。税務署側は、得するだけで、損はないですから、来ないでくれればむしろありがたいという感じです。源泉徴収税額というのは、あくまでその年分の支払うべき税額の前払い分です。この場合、前払い分が多すぎただけなので、「返して欲しければ税務署まで来い、面倒なら来なくてもいいよ。」ということです。


(例2)
給与所得 500万円
一口馬主クラブAの所得 △10万円
源泉徴収税額 1万円

 この方も上記の例1と同じで、雑所得がマイナス(△10万円)で、かつ、源泉徴収税額がありますので、法122条の確定申告(還付を受けるための申告)により、源泉徴収税額が還付されます。
 源泉徴収税額というのは、もうかった利益に対する税金の前払いだから、何で損してるのに源泉されてるんだ?と不思議に思うかもしれません。これは、Aクラブ内の、X馬が結構活躍して、出資返戻金以上の配当があったためそのX馬の配当について所得税が源泉徴収されたものの、X馬以外の馬が軒並み活躍できず大損失だったため、Aクラブでの所得としては、合計したら△10万円になったというケースです。
 オレは今年は大損だから確定申告しなくていいんだ、と間違った理解をしてしまうと1万円損することになりますので注意してください。なお、法122条の申告ですから、上記と同じ「できる」規定で、義務ではありません。1万円ごときで税務署など行ってられるか!という太っ腹な方は、もちろん何もしなくても大丈夫です。


(例3)
給与所得 500万円
一口馬主クラブAの所得 △10万円
一口馬主クラブBの所得 △20万円
源泉徴収税額 ゼロ

 この方は例2の方と何が違うかと言うと、源泉徴収税額がありません。つまり、残念ながら、いずれのクラブのいずれの出資馬も出資返戻金を超えるような配当を得られなかったという、大変残念な成績だった方ということになります。この場合も、もちろん確定申告義務はありません。また源泉所得税額がゼロですので、法122条の確定申告(還付を受けるための申告)により、還付を受けることもありません。したがって、このパターンの場合は、「何もしない」というのが正解となります。例2の場合と例3の場合を混同してしまうと、例2に該当した場合に損をすることにもなりかねませんので、心配な方は、もう一度よくクラブからの資料を見直してみてください。


②給与所得者で、一口馬主の雑所得の合計が20万円超の方

※この場合の確定申告は、法120条の確定申告(確定所得申告)となりますので、「できる」規定ではなく、「しなけれればならない」という規定です。したがって、万が一、源泉徴収税額が「還付」となる場合であっても、必ず確定申告をする必要があります。ちょっと変な感じはしますが、「還付」だから何もしなくてもいいというわけではないのでご注意ください。


(例4)
給与所得 500万円
一口馬主クラブAの所得 30万円
源泉徴収税額 6万円

 一番わかりやすい、「確定申告しなければいけない人」の代表的なパターンです。「給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計が20万円超の方」に当たりますから当然ですね。この方の場合、追納(追加で税金を支払う)となるか還付となるかは細かい計算をしなければわかりませんが、仮に追納になるとしても数千円でしょう。そんなにビクビクすることはありません。いずれにしろ、「確定申告しなければいけない」、要するに確定申告義務があることだけは確かですので、2/16から3/15までの間に最寄りの税務署で確定申告を行ってください。


(例5)
給与所得 200万円
一口馬主クラブAの所得 30万円
源泉徴収税額 6万円

 この方も、当然、「確定申告しなければいけない人」です。理由は上記例4と同じです。ただし、この方の場合は、おそらく還付になると思われます。この方の場合、本年分の給与所得が200万円と、一口馬主のようなお金のかかる趣味をやられている方の中ではかなり低いほうだと思います。ご病気等で休職されていた方とかの場合に、こういうパターンがありえると思います。
 雑所得がある(プラス)のになぜ還付になるかについてですが、それは税率のマジックがあるからです。昨年に書いた、「一口馬主と税金に関するよくある事例」の記事でも詳しく書きましたが、源泉徴収の税率よりも、実際の税率が低くなるという逆転現象が起きるためです。
 一口馬主は、「匿名組合契約」であり、匿名組合契約の場合の源泉徴収の税率は20%と決まっています。だから、所得の30万円に対して20%の6万円が源泉徴収されているわけです(注:実際にはクラブから支払われる際に色々と細かい内容があるので、ピッタリ2割が源泉されているわけではない)。
 しかしながら、この例の方の場合は、給与所得が200万円で、雑所得の30万円を加えても230万円です。これらの所得を合計しても330万円以下であり、所得税の税率は10%となります。このため、30万円に対して6万円は取られ過ぎであり、30万円の10%の3万円が適正な税額ということになります。
※話の都合上、基礎控除を含めた所得控除は無視しています。
 源泉徴収税額というのは、あくまで本来払うべき税額の前払い分だと言いました。この方の場合、本年は国が予想していたほど本業で稼がなかったため、その前払い分6万円のうち、3万円が戻ってくるということになります。
 還付になるけれども、忙しいし、面倒だから確定申告しなくてもいいやと思うかもしれませんが、このパターンの場合は、確定申告は義務です。給与所得があり、かつ、「給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計が20万円超の方」に当たりますので、法120条による確定申告(確定所得申告)を行う義務がありますので、必ず確定申告を行ってください。申告しないほうが税務署が得するんだからいいじゃないかと思うかもしれませんが、法律上は申告しなければいけないということになります。まあ実際は、還付ですから放っておいても何も起きないと思いますが。。


(例6)
給与所得 1,900万円
一口馬主クラブAの所得 30万円
源泉徴収税額 6万円

 この方はもちろん確定申告義務があります。理由は上記と同じです。しかも、この方の場合は給与所得が1,800万円を超えていますので、税率が最高税率の40%となり、ほぼ確実に追納となるでしょう。大雑把な計算で、さらに6万円程度の追納になるでしょう。まあ、本業でたくさんの利益が出ている以上、税率が高くなるのは仕方ないですね。


Q8:よく、一口馬主でもうけ過ぎて税率が上がってしまい、損をするというようなことを聞きますが、せっかくもうかったのにもかかわらず、税金で損をするなんて、おかしくないですか?

A8:いや、これは、損したように感じるだけで、実際には損はしてません。超過累進税率の計算を誤って理解している人が結構多いです。この間、何かのテレビでクイズにもなっていましたが、所得が一定額を超えたからといって、その所得全体の税率が上がるわけではありません。具体的に見てみましょう。

Aさん
給与所得 300万円
一口馬主クラブAの所得 40万円
合計340万円

Bさん
給与所得 330万円

 先ほど説明したとおり、所得が195万円超330万円以下の人は税率10%、330万円超695万円以下の人は税率20%と計算してしまうと、

Aさん:340万円×20%=68万円
Bさん:330万円×10%=33万円

と、所得が10万円しか違わないのに、税金は25万も違うというとんでもない逆転現象が起きてしまいます。
 実際はこんな理不尽なことは発生しません。

 なぜなら、0円~195万円までの部分は5%、195万円超330万円以下の部分は10%、330万円超695万円以下の部分は20%と、段階的に計算されるからです。
 この計算方式に従って、Aさん、Bさんの計算を行うと次の通りになります。

Aさん:195万円×5%+(330万円-195万円)×10%+(340万円-330万円)×20%=252,500円
Bさん:195万円×5%+(330万円-195万円)×10%=232,500円

 これなら納得です。Bさんのほうが10万円所得が多いので、その10万円についてのみ、20%である2万円を余計に納税しなければならないのは当然のことですよね。

 で、何で損した気分になる人がいるのかというと、さっきの(例6)のようなパターンで、追納になる場合があるからなんですよね。一口馬主で儲かったと思ったのに、3月になったら、税金を追加で納めろって話になった。損した。と、まあこういうわけです。一口馬主でも源泉徴収でもう税金払っているのに、もちろん給与からも源泉徴収税額が天引きされているのに、また税金払うのか!と腹が立つやら損した気分になるやら。でもこれは仕方のないことです。もうけが出たら、税金も発生するのは当たり前のことですから。気を付けておきたいのは、一口馬主でもうかったからといって、お金を全部使ってしまわないことでしょうか。大きく儲かっている場合は、万が一の追納に備えておく必要がありそうです。
 いろいろ考えると、実は一番損した気分にならないのは、一口馬主の損益がぴったりプラマイゼロになる人なのかもしれませんね。

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May 23, 2013

馬券と税金のつまらない話の続き

 今日の話は理屈っぽいだけで、本当に、心の底からつまらない話です。読む途中で嫌になると思いますので、読まないほうがいいと思います(笑)。じゃあ書くなって話ですが、自分の頭の整理として書いておきます。

 本日、例の馬券裁判の地裁の判決が出ました。
 判決における所得税の取扱いは、奇しくも、私が以前の「馬券と税金のつまらない話」で、落としどころとして考えた内容とほぼ同じ内容の取扱いになりました。

 ※つまらない話をもう一度読み直したいという奇特な方(笑)は、以下をお読みください。

馬券と税金のつまらない話

 判決文そのものを読んだわけではありませんが、各所の報道の内容を条文に照らして簡潔にまとめると以下の通りかと思います。

・無申告については当然有罪。
・所得税の取り扱いについては、今回のケースは、機械的・継続的に馬券を購入し、資産運用的な側面があるため、一時所得の意義である「営利を目的とする継続的行為から生ずる所得以外の一時の所得」にはあたらず、雑所得に区分される。
・雑所得に区分されるため、ハズレ馬券の購入費用は「必要経費」となる。したがって、現実の「もうけ」に対して課税されることになり、約5,200万円の納税額で済んだ。


 結局のところ、今回の被告の方は、実際の現金収入は1億5千万程度だったわけですから、6億円払えと言われても担税力がなく、ない袖は振れないわけです。今回の判決は裁判所が常識的に考えた結果かと思います。
 ひとまずは競馬界全体にとっては平和が戻ってきたというところでしょうか。しかしながら表面上の、とりあえずの判断があっただけで、現状のPAT投票を含めた競馬の事情と税法が乖離してしまっていることに変わりはありません。


 今回の件で色々と議論されている、「余暇としての」競馬の払い戻しによる所得が一時所得か雑所得については、一時所得に該当するというのは、所得税法上の一時所得の意義に照らしても明らかです。その点は裁判所の判断も明らかでした。

 一応、条文の流れに沿って、今回の件が「雑所得」と判断された理由、また、それに関連する問題を考えておきたいと思います。

 まず、「雑所得」と判断されたということについですが、これは、積極的に「雑所得」と判断されたわけではなく、所得税法上の10種の所得のうち、他の9種の所得のいずれにも当てはまらないため、今回のケースは雑所得であると判断されたということだと思います。なぜなら、条文では、雑所得については、「雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しない所得をいう。」と定義されており、積極的に雑所得の内容を定義していないためです。

 どうでもいい話に聞こえますが、結構重要です。報道の記事を読むと、今回、「継続的行為だから」「営利を目的とする資産運用とみられるから」という点で積極的に雑所得に区分されたように読めてしまいますが、そういう見方をすると、じゃあ、事業的規模でやってたら馬券の収入は事業所得なのかという議論になってしまいます。実際、過去にそういう論点で異議申し立てとかがあったという話をどこかで読んだこともあります。

 本当に事業的規模でやってるんなら、事業所得と認めてもいいのでは?と思うかもしれませんが、そうすると、非常にマズイことが生じます。事業所得は損益通算の対象となる所得なので、もし馬券の損失が事業所得に区分されたとなると、その馬券の損失を他の事業所得の金額や、給与所得及び不動産所得の金額などから控除できてしまいます。馬券で損すると給与所得の税金が還付されるなんてことになったら、ギャンブルをやらない人の国民感情としては許せないでしょう。まあ、そういうことは国も裁判所も認めたくないので、馬券の所得が事業所得と認められることは、今後も半永久的にないでしょう。

 ただ、今回、事情によっては雑所得とは認められることになったので、その場合でも、マズイ事情が発生することは考えられます。今回の事件のように、反復・継続して機械的に馬券を買い続けた人で、今回と逆に損失が生じている場合は、雑所得で申告すれば、他の雑所得の金額と内部通算ができてしまうからです。
 総合課税の雑所得は、代表的なものは、外貨預金の為替差損益、作家でない人の原稿料、講演料などが挙げられます。
 例えば、会社員で給料をもらっているけれど、それとは別に雑誌で原稿を書いているという人もいるでしょう。原稿料は雑所得です。その人が上記の資産運用として機械的な馬券購入をしている人だったら、その馬券の損失は雑所得に区分されます。雑所得の損失の金額ですから、給与所得とは損益通算はできません。ここまでは問題ないです。ところが、原稿料(通常10%の源泉徴収)とは同じ雑所得の中で内部通算ができることになってしまい、その10%源泉徴収額が馬券の損失によって還付されることになってしまいます。
 ハズレ馬券で税金が還付されるという、やはり国民感情としてはあってはならないことが起きてしまうわけです。

 今回の判決がそのまま確定判決となるようであれば、まず真っ先にその点をクリアにしないといけないでしょう。おそらくは、租税特別措置法とかで、「馬券の継続的・機械的購入によって雑所得の金額の計算上生じた損失の金額はないものとみなす。」というような整備が必要になるでしょう。

 なお、余暇として買った馬券の所得も雑所得に区分されたらそれでよいのかというと、その場合、一時所得の計算にあった課税標準が2分の1になるという特典がなくなりますので、今度はWIN5で2億円当たったときに半分くらい税金でとられてしまうという悲しいことになってしまいますが。。

 考えれば考えるほど難しく、色々考え始めたらキリがないので、このへんでやめておきます。
 競馬ファン全体が納得できる結論が出るまでは、まだ紆余曲折がありそうですが、競馬の将来に光が当たるような結論を望みたいです。


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February 07, 2013

2013年一口馬主と確定申告その2

 今日は確定申告について、その2です。関係ない方もいるとは思いますが、将来関係する方もいるでしょうし、また、ご友人が疑問を持っているという方もいると思います。そういうときのためにも、疑問が起きやすい内容について整理しておきたいと思います。
※確定申告に興味のない方、確定申告の必要がない方が今読んでも、まったく面白くありませんので、ご注意ください。


Q6:会社から給料をもらっている給与所得者(他の所得は一口馬主だけ)ですが、結局のところ自分が確定申告しなければいけないのかどうなのかがはっきりしません。一番怖いのは、確定申告する必要もないのに確定申告をして、余計に税金を払うことにならないのかということです。余計なことをして損をしたくありません。

A6:必要もないのに確定申告をして余計に税金を払うという事態は発生しません
 どういうことかというと、所得税法120条の確定申告(確定所得申告)は義務であり、選択制ではないということです。要するに、税金を払わないといけない人は、必ず確定申告をして税金を払うように法律で定められているということです。
 逆に、給与所得者で、所得税を源泉徴収されており、かつ、何らの還付も生じない人は、確定申告したくてもできません。こういう人は、法律上、「確定申告の義務がない人」になります。この場合、「義務がない=申告できない」ということを意味しており、私は税務署が好きだからとか、自分の勉強のためにとかで税務署に行って確定申告させてくれと言っても受け付けてもらえません。そういう変な人が税務署に押し寄せたら、税務署の事務が混乱して行列がさらに長くなってしまうため、そういう意味のないことはできないようになっています。
 クラブからの案内に書いてある、「給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計が20万円超の方」というのは、申告して得になろうが損になろうが、法律上必ず申告をしなければいけない人のことです。この人が確定申告をしないと、確定申告義務違反です。要するに法律違反になります。
 比較のために言うと、給与所得者(源泉徴収されており、医療費控除その他の申告による所得控除がないことが前提)で、一口馬主の雑所得が△10万円、かつ、その雑所得について1円も源泉徴収されていない人は、確定申告する必要はない(したくてもできない)人です。この場合は、仮に申告しても1円も戻ってこないし、1円も支払うこともないので、当然といえば当然ということになります。


Q7:余計なことをして税金が増えるということはなく、法律違反になりたくなければ、義務がある場合は必ず確定申告しなければならないということはわかりました。しかし、上記の説明を読んでも、自分が確定申告義務があるのかないのか今一つはっきりしません。というより、余計混乱してしまいました。何かパターン別の事例とかありませんか?

A7:以下に考えうる限りのパターンを示します。

※特に断りがない限り、給与所得者で年末調整を受けており、かつ、医療費控除等の申告による所得控除がない人が前提です。
※その年において支払いを受けるべき給与の額が2,000万円以下の方が前提です。年収2000万円超の方は必ず確定申告しなければなりません。
※一口馬主の所得とは、クラブから来た計算書の、(収入金額-必要経費)、のことです。クラブの書類上はマイナスの金額でもゼロと表示されている場合がありますが、他の一口馬主クラブの所得と内部通算するときは、ゼロではなく、マイナスの金額を使います。


①給与所得者で、一口馬主の雑所得の合計が20万円以下の方

(例1)
給与所得 500万円
一口馬主クラブAの所得 30万円
一口馬主クラブBの所得 △50万円
源泉徴収税額 6万円

 この場合、クラブAとクラブBの雑所得を通算(内部通算)すると、△20万円となり、「給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計が20万円超の方」には該当しないこととなりますので、確定申告義務はありません。
 しかし、この方の場合、雑所得がマイナス(△20万円)で、かつ、源泉徴収税額がありますので、所得税法122条(還付を受けるための申告)の規定により、確定申告することができます。
 確定申告義務がない人が全員確定申告できないことになってしまうと、こういう、損しているのに税金だけ取られたままの人を救うことができなくなってしまいます。そのため、確定申告義務がなくても確定申告できるという規定が別途設けられているわけです。この122条は、あくまで、「できる」規定で、義務ではありませんので、源泉徴収税額が1,000円に満たないなど、時間の無駄だと思われる場合は、そのまま確定申告しないでおいても何ら問題はありません。税務署側は、得するだけで、損はないですから、来ないでくれればむしろありがたいという感じです。源泉徴収税額というのは、あくまでその年分の支払うべき税額の前払い分です。この場合、前払い分が多すぎただけなので、「返して欲しければ税務署まで来い、面倒なら来なくてもいいよ。」ということです。


(例2)
給与所得 500万円
一口馬主クラブAの所得 △10万円
源泉徴収税額 1万円

 この方も上記の例1と同じで、雑所得がマイナス(△10万円)で、かつ、源泉徴収税額がありますので、法122条の確定申告(還付を受けるための申告)により、源泉徴収税額が還付されます。
 源泉徴収税額というのは、もうかった利益に対する税金の前払いだから、何で損してるのに源泉されてるんだ?と不思議に思うかもしれません。これは、Aクラブ内の、X馬が結構活躍して、出資返戻金以上の配当があったためそのX馬の配当について所得税が源泉徴収されたものの、X馬以外の馬が軒並み活躍できず大損失だったため、Aクラブでの所得としては、合計したら△10万円になったというケースです。
 オレは今年は大損だから確定申告しなくていいんだ、と間違った理解をしてしまうと1万円損することになりますので注意してください。なお、法122条の申告ですから、上記と同じ「できる」規定で、義務ではありません。1万円ごときで税務署など行ってられるか!という太っ腹な方は、もちろん何もしなくても大丈夫です。


(例3)
給与所得 500万円
一口馬主クラブAの所得 △10万円
一口馬主クラブBの所得 △20万円
源泉徴収税額 ゼロ

 この方は例2の方と何が違うかと言うと、源泉徴収税額がありません。つまり、残念ながら、いずれのクラブのいずれの出資馬も出資返戻金を超えるような配当を得られなかったという、大変残念な成績だった方ということになります。この場合も、もちろん確定申告義務はありません。また源泉所得税額がゼロですので、法122条の確定申告(還付を受けるための申告)により、還付を受けることもありません。したがって、このパターンの場合は、「何もしない」というのが正解となります。例2の場合と例3の場合を混同してしまうと、例2に該当した場合に損をすることにもなりかねませんので、心配な方は、もう一度よくクラブからの資料を見直してみてください。


②給与所得者で、一口馬主の雑所得の合計が20万円超の方

※この場合の確定申告は、法120条の確定申告(確定所得申告)となりますので、「できる」規定ではなく、「しなけれればならない」という規定です。したがって、万が一、源泉徴収税額が「還付」となる場合であっても、必ず確定申告をする必要があります。ちょっと変な感じはしますが、「還付」だから何もしなくてもいいというわけではないのでご注意ください。


(例4)
給与所得 500万円
一口馬主クラブAの所得 30万円
源泉徴収税額 6万円

 一番わかりやすい、「確定申告しなければいけない人」の代表的なパターンです。「給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計が20万円超の方」に当たりますから当然ですね。この方の場合、追納(追加で税金を支払う)となるか還付となるかは細かい計算をしなければわかりませんが、仮に追納になるとしても数千円でしょう。そんなにビクビクすることはありません。いずれにしろ、「確定申告しなければいけない」、要するに確定申告義務があることだけは確かですので、2/16から3/15までの間に最寄りの税務署で確定申告を行ってください。


(例5)
給与所得 200万円
一口馬主クラブAの所得 30万円
源泉徴収税額 6万円

 この方も、当然、「確定申告しなければいけない人」です。理由は上記例4と同じです。ただし、この方の場合は、おそらく還付になると思われます。この方の場合、本年分の給与所得が200万円と、一口馬主のようなお金のかかる趣味をやられている方の中ではかなり低いほうだと思います。ご病気等で休職されていた方とかの場合に、こういうパターンがありえると思います。
 雑所得がある(プラス)のになぜ還付になるかについてですが、それは税率のマジックがあるからです。昨年に書いた、「一口馬主と税金に関するよくある事例」の記事でも詳しく書きましたが、源泉徴収の税率よりも、実際の税率が低くなるという逆転現象が起きるためです。
 一口馬主は、「匿名組合契約」であり、匿名組合契約の場合の源泉徴収の税率は20%と決まっています。だから、所得の30万円に対して20%の6万円が源泉徴収されているわけです(注:実際にはクラブから支払われる際に色々と細かい内容があるので、ピッタリ2割が源泉されているわけではない)。
 しかしながら、この例の方の場合は、給与所得が200万円で、雑所得の30万円を加えても230万円です。これらの所得を合計しても330万円以下であり、所得税の税率は10%となります。このため、30万円に対して6万円は取られ過ぎであり、30万円の10%の3万円が適正な税額ということになります。
※話の都合上、基礎控除を含めた所得控除は無視しています。
 源泉徴収税額というのは、あくまで本来払うべき税額の前払い分だと言いました。この方の場合、本年は国が予想していたほど本業で稼がなかったため、その前払い分6万円のうち、3万円が戻ってくるということになります。
 還付になるけれども、忙しいし、面倒だから確定申告しなくてもいいやと思うかもしれませんが、このパターンの場合は、確定申告は義務です。給与所得があり、かつ、「給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計が20万円超の方」に当たりますので、法120条による確定申告(確定所得申告)を行う義務がありますので、必ず確定申告を行ってください。申告しないほうが税務署が得するんだからいいじゃないかと思うかもしれませんが、法律上は申告しなければいけないということになります。まあ実際は、還付ですから放っておいても何も起きないと思いますが。。


(例6)
給与所得 1,900万円
一口馬主クラブAの所得 30万円
源泉徴収税額 6万円

 この方はもちろん確定申告義務があります。理由は上記と同じです。しかも、この方の場合は給与所得が1,800万円を超えていますので、税率が最高税率の40%となり、ほぼ確実に追納となるでしょう。大雑把な計算で、さらに6万円程度の追納になるでしょう。まあ、本業でたくさんの利益が出ている以上、税率が高くなるのは仕方ないですね。


Q8:よく、一口馬主でもうけ過ぎて税率が上がってしまい、損をするというようなことを聞きますが、せっかくもうかったのにもかかわらず、税金で損をするなんて、おかしくないですか?

A8:いや、これは、損したように感じるだけで、実際には損はしてません。超過累進税率の計算を誤って理解している人が結構多いです。この間、何かのテレビでクイズにもなっていましたが、所得が一定額を超えたからといって、その所得全体の税率が上がるわけではありません。具体的に見てみましょう。

Aさん
給与所得 300万円
一口馬主クラブAの所得 40万円
合計340万円

Bさん
給与所得 330万円

 先ほど説明したとおり、所得が195万円超330万円以下の人は税率10%、330万円超695万円以下の人は税率20%と計算してしまうと、

Aさん:340万円×20%=68万円
Bさん:330万円×10%=33万円

と、所得が10万円しか違わないのに、税金は25万も違うというとんでもない逆転現象が起きてしまいます。
 実際はこんな理不尽なことは発生しません。

 なぜなら、0円~195万円までの部分は5%、195万円超330万円以下の部分は10%、330万円超695万円以下の部分は20%と、段階的に計算されるからです。
 この計算方式に従って、Aさん、Bさんの計算を行うと次の通りになります。

Aさん:195万円×5%+(330万円-195万円)×10%+(340万円-330万円)×20%=252,500円
Bさん:195万円×5%+(330万円-195万円)×10%=232,500円

 これなら納得です。Bさんのほうが10万円所得が多いので、その10万円についてのみ、20%である2万円を余計に納税しなければならないのは当然のことですよね。

 で、何で損した気分になる人がいるのかというと、さっきの(例6)のようなパターンで、追納になる場合があるからなんですよね。一口馬主で儲かったと思ったのに、3月になったら、税金を追加で納めろって話になった。損した。と、まあこういうわけです。一口馬主でも源泉徴収でもう税金払っているのに、もちろん給与からも源泉徴収税額が天引きされているのに、また税金払うのか!と腹が立つやら損した気分になるやら。でもこれは仕方のないことです。もうけが出たら、税金も発生するのは当たり前のことですから。気を付けておきたいのは、一口馬主でもうかったからといって、お金を全部使ってしまわないことでしょうか。大きく儲かっている場合は、万が一の追納に備えておく必要がありそうです。
 いろいろ考えると、実は一番損した気分にならないのは、一口馬主の損益がぴったりプラマイゼロになる人なのかもしれませんね。

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February 04, 2013

2013年一口馬主と確定申告

 今年も確定申告の時期が近づいてきました。昨年も同時期に、「一口馬主と税金に関するよくある事例」という記事を書きましたが、ほんの少しだけ改正点もありますので、リニューアル版ということで、ありがちな疑問についてQ&A方式で書いておきたいと思います。今日はとくに混乱しがちな、損益通算がらみのところを明確にしておきたいと思います。


Q1:所得税では「損益通算」により、損失の金額を利益と通算できるという規定があると聞きました。給与所得者の私でも、一口馬主で出た損失の金額を、給与所得から控除して税金の還付を受けることができますか?

A1:できません。
 まず、一口馬主の所得(利益)及び損失は所得税法上、「雑所得」に区分されます。損益通算というのは、「不動産所得、事業所得、山林所得又は譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、一定の順序・方法により、他の各種所得の金額と通算できる。」という規定です。この中に「雑所得」は入っていません。したがって、一口馬主の所得及び損失は、給与所得を含めた他のいずれの所得とも損益通算はできません。


Q2:一口馬主も匿名組合契約で金融商品ですし、上場株式も金融商品の仲間ですから、上場株式の利益又は損失と一口馬主の損失又は利益を通算することはできますか?

A2:できません。
 上場株式の所得は分離課税です。一方、一口馬主の所得は総合課税の雑所得です。その名の通り、株式の所得は他の所得と「分離」して課税する仕組みであるため、原則として他の総合課税の所得と通算することはありません。したがって、総合課税である一口馬主の所得及び損失とは通算できません。


Q3:確か昨年まではFX(くりっく365以外のもの)の所得及び損失は、一口馬主の損失及び所得と通算できましたよね?これは今年も大丈夫ですよね?

A3:改正により今年から通算できなくなりました。
 確かに、昨年まで(平成23年分まで)はFXと一口馬主は通算できました。なぜなら、いずれも同じ「総合課税の雑所得」であったため、雑所得内での内部通算が可能だったからです。ところが、今年からは、FXのほうが、「分離課税の雑所得」の区分に引っ越してしまいました。一口馬主が総合所得、FXが分離所得と分かれてしまったため、平成24年分からは一口馬主とFXは通算できなくなりました。
 これは、決して納税者に不利な改正が行われたわけではありません。FXのほうは分離課税になったことにより、所得税の税率も今まで最高40%の税率だったのが、定率(15%)になりました。また、何より大きいのは、3年間の損失の繰越が認められるようになりました。昨年まではFXも一口馬主と同じ、一番不利な税制だったのが、今年から大きくランクアップし、納税者有利な取り扱いとなっています。
 まあ、その代償として一口馬主とは通算できなくなってしまいましたが、これはやむを得ないですね。


Q4:じゃあ、何か一口馬主の所得及び損失と通算できるものって残っていないんですか?

A4:上で話した通り、一口馬主の所得及び損失は損益通算はできません。可能なのは同じ「総合課税の雑所得」に区分されるもの同士での内部通算だけです。総合課税の雑所得となるもので、一般人に関係ありそうなものと言ったら、あとは外貨預金の為替差損益くらいでしょうか。外貨預金の為替差損益と一口馬主の所得及び損失は、今までも、これからも、通算できます。


Q5:雑所得は損益通算できないっていうのは納得しましたが、所得税法には、「雑損失の繰越控除」という規定があると聞きました。ということは、雑所得の損失である一口馬主の損失も、来年以降に繰り越して、来年利益がでたら通算して税金の還付を受けられるんじゃないですか?

A5:まったく違います。一口馬主の損失は翌年以降に繰り越せません。
 確かに、所得税法には「雑損失の繰越控除」という規定があります。しかし、ここで言う「雑損失」は、「雑所得の損失」とは全然違うものです。
 所得税法上の雑損失というのは、震災などの災害等により、住宅・家財などの生活に通常必要な資産について生じた損失の金額のことです。こういう天変地異のような災害によって損失を被った人から税金を取るのは忍びないので、その損失を控除し、また控除しきれない場合は翌年以降3年間繰り越して、税金を軽減又は免除してあげるというのが「雑損失の繰越控除」というものです。
 一口馬主の損失は、私たちが、単なる趣味、要するに無駄遣いで生じた損失ですので、「雑損失」とは似ても似つかない種類の損失です。「雑所得の損失」には、繰越控除の規定など一切ありませんので、損失を翌年に繰り越すことはできません。損失の金額が余ったとしても、その損失の金額は今年で打ち切りということです。


※税金に関する事情は個人ごとに千差万別であり、すべてをフォローすることはできませんので、疑問等がある場合は、最寄りの税務署に相談してください。

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January 17, 2013

馬券と税金のつまらない話

 今日は以前に、チラッと言いましたが、例の馬券の税金について、税金の法律上の建前から現実的な内容までを一通り考えたいと思います。
 一口馬主に直接関係する部分は最後まで読んでも出てきませんので、暇で仕方ないとか、飲み会のネタにしたいとか、そういう人だけお読みください。
 感情論は抜きにして、なるべく税法の条文に沿って考えたいと思いますので、読んでるうちに腹が立つかもしれませんが、その辺はあらかじめご了承ください。
 なお、すでに馬券購入時点で25%のテラ銭を取られて、その一部が国庫に入るにもかかわらず、払い戻し時にも課税されるのは二重課税であるという議論についてはここでは触れません。基本的には課税のタイミングが違うので二重課税にはならないというのが結論になるかと思いますが、今回はあくまで払い戻し時の課税の話だけです。

 まず、昨年末に話題になった、馬券で1.5億儲けたら6億くらいの税金を払えと税務署に言われたという話についてですが、要約すると次の通りです。

*** 要約 ***

・会社員のAさんは7~8年前から、市販の競馬予想ソフトをベースに独自のシステムを構築し、インターネット上で馬券を購入するようになった。

・そして、JRAで開催されている期間の全競馬場のほぼ全レースの馬券を購入し続けていた。

・当初の資金は100万円だったが、順調に増え続け、過去5年間の馬券の収支は、購入金額が合計約35億円、配当金額が合計約36億5千万円となり、5年間で約1.5億円の黒字となった。

・合計としては約36億5千万円の配当を得たことになっているが、実際に口座に入金されていたのは、あたりまえではあるが、購入金額との差額がまとめて週明けの月曜日にJRAから入金されていただけで、口座の残高は多いときでも数千万円だった。

・ その後Aさんは、国税当局から上記競馬の収支について「一時所得であるため、的中レースの的中した買い目以外の購入金額は一時所得の支出した金額としては一切認められない」として、実際の所得(もうけ)ではなく、約36億の収入金額から、的中レースの的中した買い目の購入金額(収入の5%程度)を差し引いた金額である約35億円に対して課税処分を受け、6億円以上の追徴税額が生じた。

*****


 さて、上記の話の要約を踏まえて、順を追って、馬券と税金の関係について考えていきたいと思います。


1.馬券のもうけは課税されるのか

 個人の所得(もうけ)に課される税金は、普段我々が給料から源泉徴収されている、要するに「天引き」されている「所得税」だということは誰もがわかっていることだと思います。
 では馬券のもうけは、そもそも課税なのか?宝くじは非課税だってきいたことあるけど、なぜ馬券は課税なのか?と疑問に感じるかもしれません。
 所得税法においては、非課税のものについては、所得税法の本法(法律そのもの)で定められており、そこで定められている非課税項目以外のものについてはすべて課税となります。
 宝くじの当選金については、所得税法よりも優先されて効力を発揮する特別法である「当せん金付証票法」で「非課税」と定められています。一方、馬券のもうけについては、所得税法本法においても、他の法律においても、非課税の定めはありませんので、自動的に課税となるわけです。


2.所得税の区分

 話を進める前に、所得税の計算について説明しなければなりません。所得税では、個人の所得(もうけ)を10種類の所得に区分しています。それぞれの所得の金額に応じて色々な控除や特別な計算があるわけです。所得税の計算は結構面倒で、4段階に分けて計算していきます。

 まず、個人の所得(もうけ)を、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得及び雑所得の10種類に区分して、「各種所得の金額」を計算するまでが、所得税の計算の第1段階です。

 次に、その各種所得の金額を合計したり、一定の所得については、損失がある場合は他のもうけと通算したり(損益通算)し、さらには、前年に一定の損失が生じていた場合は、それを本年に繰り越して控除(繰越控除)したりして、「課税標準額」を求めます。ここまでで第2段階の計算が終了です。

 さらに、その「課税標準額」から、各種の「所得控除」を差し引きます。所得控除は結構なじみがあると思います。健康保険や年金などの金額が控除できる社会保険料控除や、1年間に10万円以上の医療費の支出があった場合には医療費控除の適用があります。それらの控除を「課税標準額」から差し引いて、「課税所得金額」を算出します。これで第3段階。

 最後に、その課税所得金額に一定の方法で5%~40%の税率に応じて計算した金額が「算出税額」という、まあ簡単に言うと納付すべき税額になります。住宅ローン控除とかがある場合はこの算出税額から、さらにその金額を控除した金額が実際に納付する額となります。

 馬券の税金お話からかなりずれてしまった感じがしますが、ここの部分を説明しないと、最終的に上記の事件の大事な部分が理解できなくなってしまうので、あえてくどくどと説明しております。


3.馬券のもうけは何所得?

 さて、所得税法では10種の所得があって、それぞれで計算方法が違っていたりするということは上で説明しました。ということは、個人の所得(もうけ)は、それが何所得になるかで税額が変わってくるわけです。したがって、そのもうけが何所得に該当するのかというのは非常に重大なことなわけです。
 馬券のもうけは、「一時所得」に通常区分されます。しかし、これについては、所得税法やその他の法律に明文があるわけではありません。所得税法では「各種所得の金額(第1段階の金額)」の一時所得に区分されるのは次のような所得であると記されています。

 「一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。」

 まず、馬券のもうけは、まず不動産所得等の上記いずれの所得にも該当しないのは明らかです。
 
次に、馬券のもうけというのは、通常、あくまで通常ですが、土日に趣味の範囲で、お小遣いの範囲内で購入し、偶然性を含みながら当たったり外れたりしながら生じるものです。少なくとも、月給取りであれば、馬券のもうけで生活しようとは思っていないはずです。とすると、「営利を目的とする継続的行為」ではありません。ここでいう「営利」とは、事業(業務)活動による利益であり、単なる偶然の産物のもうけは対象としていないと考えるのが普通です。また「継続的行為」についても、業として反復継続して行うことを前提にしていると考えられます。いずれにしても馬券の購入は、通常、「営利を目的とする継続的行為」ではありません。

 また、馬券のもうけというのは、毎週毎週発生するものでもないというのは私を含めて全員が同意できると思います。ひどいときは、1か月負けっぱなしなんてのも良くある話です。そう考えるとまさに「一時の所得」と言えます。

 さらに、馬券は誰かのためにサービスとして買うものではなく、自分の愉しみとして買うものです。また、家のテレビや冷蔵庫と交換してもらうものでもないため、「役務の提供」でも「資産の譲渡の対価」でもないことは明らかです。

 そう考えると、我々が普段自分の愉しみとして買った馬券のもうけは、一時所得の意義とぴったり合致するわけです。


4.一時所得の計算

 ということで、普段愉しみとして買う馬券のもうけについては一時所得であるということで誰も異論はないと思います。まあ、異論があってもいいのですが、これに異論をはさむと、結局自分が損をすることになります(理由は後でわかります)。
 では、一時所得の計算方法はどのようになっているでしょうか。上でいうところの、「各種所得の金額(第1段階の金額)」の計算の仕方です。
 これについては、所得税法第34条で次のように定められています。

 「一時所得の金額は、その年中の一時所得に係る総収入金額からその収入を得るために支出した金額(その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る。)の合計額を控除し、その残額から一時所得の特別控除額(最高50万円)を控除した金額とする。」

 馬券のもうけに置き換えて考えてみましょう。

 例)10万円分の馬連(1点1万円の10点買い)で100万円の払い戻しを受けた。

 ①100万円(総収入金額)-1万円(支出した金額)=99万円
 ②99万円-50万円(特別控除額)=49万円(一時所得の金額)

 ここで大事なことは、収入から差し引くことのできる「支出した金額」が買い目全部の10万円なのか、それとも、的中した買い目の1万円のみなのかということです。
 上記の条文では「支出した金額」は「その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る」となっています。この「その収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額」というのが、「的中した買い目の1万円のみ」だというのが国税側の主張です。
 国税側はそう解釈したとしても、この条文だけでは、買い目全部の10万円なのか、それとも、的中した買い目の1万円のみなのかは断定はできないとも思えます。

 この「支出した金額」と対比されるのが、不動産所得、事業所得、雑所得等の「必要経費」です。
 「支出した金額」という言葉は馴染みがなくとも、「必要経費」はよく聞く言葉です。この必要経費というのは、不動産所得、事業所得、山林所得及び雑所得のみに認められている概念ですが、次の通り所得税法で規定されています。

 「その年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、これらの所得の総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用の額とする。」

 「支出した金額」の説明と一部違っています。どこだかわかるでしょうか。
 「支出した金額」の説明では、「その収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額」となっていたものが、「必要経費」の説明では「総収入金額を得るため直接に要した費用の額」となっています。

 「必要経費」のほうでは、「直接に要した費用の額」として、ある意味包括的に、収入を得るための費用は大体全部必要経費になるという概念であるのに対し、「支出した金額」のほうは、わざわざ、「その収入を生じた原因の発生に伴い」と前置きがしてあります。条文の内容が違うということは、当然、意味があって違うわけです。
 国税側の考え方は、おそらく以下の通りと思います。

 もし、馬券のもうけが、雑所得であるならば、「必要経費」となるので、「直接要した費用の額」である馬券購入金額全額が総収入金額から控除されてしかるべきである。しかし、一時所得である以上、「その収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る」のであるから、「的中した買い目の1万円のみ」が「支出した金額」となると考えるのが妥当である。

 確かに、言われてみれば法律の条文を読む限り、国税側の言っていることは間違っていない気がします。


5.雑所得ってことでいいんじゃないですか?

 ここまで読むと、じゃあ、そういえば一口馬主の税金も確か雑所得だったし、競馬も毎週やってるわけで継続的だとも言えるし、一時の所得なんて面倒なこと言わないで、馬券のもうけも雑所得ってことにすればいいんじゃない?それで解決でしょ、と思うかもしれません。
 ところが問題はそうは簡単にはいきません。馬券の所得(もうけ)を雑所得に区分してしまうと、WIN5が的中したときにひどい目にあいます。

 その理由は、「2.所得税の区分」で説明した「課税標準額(第2段階の計算)」にあります。

 実は、一時所得というのは、納税者にとって、とても有利な所得区分なのです。なぜかというと、なんと太っ腹なことに、一時所得の金額は、第2段階の課税標準額の計算において、1/2になってしまうのです。課税標準額が1/2になるということは、税金が半分(超過累進税率を考慮すると半分以下)になるということですから、これはとてつもなく有利な所得区分なのです。
 だから、馬券のもうけが一時所得に区分されているのは、納税者側から見れば大ラッキーです。
 どれくらい有利かは以下の計算の差を見れば一目瞭然です。

(例)馬券以外の所得が1,800万円だった人がWIN5で100円馬券を購入し、2億円の払い戻しを受けた。
※超過累進税率の計算が面倒になるので、所得1,800万円というお金持ちがWIN5により支払う税金のみを計算しています。また所得控除は全額馬券のもうけ以外から既に差し引かれている前提です。

(1)馬券のもうけが一時所得の場合

①第1段階
 2億円(総収入金額)-100円(支出した金額)=199,999,900円
 199,999,900円-50万円(特別控除額)=199,499,900円(一時所得の金額)

②第2段階、第3段階
 199,499,900×1/2=99,749,950→99,749,000円(千円未満切捨)

③第4段階
 99,749,000×40%=39,899,600円(所得税額)


(2)馬券のもうけが雑所得の場合

①第1段階
 2億円(総収入金額)-100円(必要経費)=199,999,900円

②第2段階、第3段階
 199,999,900→199,999,000円(千円未満切捨)

③第4段階
 199,999,000×40%=79,999,600円(所得税額)


 なんと、恐ろしいことに、馬券の所得が雑所得になってしまうと、税金が4千万円も増えてしまいました。
 これが上のほうで予告しておいた、一時所得であるということに異論をはさむと自分が損をするという理由です。

 普通に、普段の愉しみとして馬券を買っている人からすると、雑所得に区分されるのは受け入れがたいということがよくわかると思います。

 結構、税金のことって、わかっていない人が多いのです。以前ある日曜の朝の番組では、弁護士が、「宝くじは非課税ですけど、競馬や競輪の払戻金は半分くらい税金で持って行かれてしまいます」などと真顔で大嘘を言っていました。この方は一時所得は課税標準の計算で1/2になるということを知らなかったんですね。
 今回の件も、色々なニュースの記事を読みましたが、意外と大事な部分を無視して、馬券のもうけが一時所得に区分されるのは通達を根拠としているだけだとか、雑所得に区分してはずれ馬券を必要経費とすべきだという内容の記事も散見されました。
 ここまで来ると、そんな簡単な問題じゃないんだということをご理解いただけるのではないかと思います。


6.落としどころはあるのか

 しつこく、一時所得の「支出した金額」に話を戻しますが、この支出した金額の計算においては、「その収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る」のであるから、「的中した買い目の1万円のみ」が「支出した金額」となるという話は、所得税法の本では非常に有名な内容で、どの本にも一時所得の解説をするときに出てくるくらいの、ある意味今までは、「あたりまえ」の話だったわけです。
 所得税法が考えられた頃は、まさかPCやスマホで馬券を買いまくる人が現れるなんて想像もしてなかったわけですし、そもそも期待値が75%のギャンブルで勝つ人間が出るということも前提としていないわけです。いたとしても、それはごく一部の例外で、まさしく、たまたまWIN5や3連単の高額払い戻しを受けたラッキーな人だという前提なのです。そのラッキーな人から、払い戻しの半分近くもむしり取ったら、あまりにかわいそうだし、夢も希望もないじゃないかということで、一時所得に区分され、課税標準が半額サービスになっているわけです。

 だから、国税側としては、一時所得に区分しているのは納税者有利のはずなのに、それに文句をつけるなんて!という気持ちもあるでしょうし、それ以前に、先ほど申し上げた通り、「あたりまえ」のことを変更するのは容易なことではないのです。
 
 ただ一方で、この渦中のAさんは馬券のもうけを全額使わずにとっておいたとしても、約1億5千万円の現金しかないわけで、6億円も課税されても、ない袖は振れないわけです。
 ここは、国税側も理解できているはずです。理解できていないとすれば、よっぽど気が触れているとしか思えません。そもそも税金というのは、「担税力」、文字通り税金を担う余力のある人から徴収するというのが前提です。このAさんの場合、6億円は払いたくても払えない、まさしく「担税力」はないわけです。
 明らかに担税力がない人から取ろうとするのは、行政コストの無駄ですし、誰も得をしません。その行政コストは、それこそ我々の税金が原資なのですから。

 以上のことを踏まえて、落としどころを考えてみたいと思います。

 まず、馬券のもうけを全部雑所得に区分するというのは、私は受け入れられません。おそらく多くの人もそう考えると思います。なぜならほとんどすべての競馬ファンにとって不利な変更になるからです。これで有利になるのは、独自の予想ソフトを駆使して全レースで機械的なベッティングを行う人だけでしょう。これはJRAが予定している従来の競馬ファンの利益にもならないでしょう。

 次に、従来通り、国税側の主張通りに馬券のもうけすべてを一時所得とするというのは、今回のような別に犯罪行為を行ってるわけでもない人の人生が破滅してしまいます。今までの教科書通りのやり方では、今回のような誰も得をしない無益な争いが繰り広げられるだけです。

 落としどころとしては、上記を融合させ、いわゆる一般の競馬ファン、馬券ファンに該当する人は、今まで通り一時所得として課税する。一方で、独自の予想ソフトを駆使して、もはや趣味や余暇とは言えない程度の「業務」として馬券を買う人の所得は雑所得とするしかないでしょう。

 じゃあ、一般の競馬ファンと、業務規模の馬券購入者とをどうやって区別するのかが問題です。
 まず、競馬場での購入は一時所得で問題ないでしょう。だって機械的に大量ベッティングしようとしても、マークカードを書いているうちに時間切れですから、これは心配無用です。
 問題は、即PATなど、インターネット経由で独自の予想ソフトを駆使して機械的に購入している人をどうやって割り出すかということです。
 これは、JRAが全PAT会員のBET数を調べることにより対応可能かもしれません。おそらく、予想ソフトで大量のBETをしている人というのは、ごく一部、全体の0.01%くらいとか、そんなところでしょう。そういう人は、BET数が突出して多いはずですので、そういう人に対しては、JRAが個別に警告を出すなり、国税側に報告するなりすれば、割り出して課税することが可能でしょう。

 これならば、従来の一時所得という解釈も維持され、国税側の威厳も保たれますし、今回のAさんのような人にとっても、純粋な「もうけ」に対して課税されるので、納税の原資がないというような悲惨な状態は発生しません。

 でも、これをやったら、PATの会員は減りそうですね。足がつくなら競馬場やWINSで馬券買うわってことで。一方で競馬場やWINSに人が戻ってくるかもしれませんね。

 まあ、上記の落としどころというのは、私が考えた稚拙なアイデアに過ぎませんので、今後関係各所を含めた議論の末に、良い落としどころが見つかることを期待したいです。

 競馬を含めギャンブルというのは、いつの日も日陰者です。まじめに働いて稼いでいる人がバカをみないように、ギャンブルに課税が行われるというのは、社会秩序を維持していく以上必要不可欠であるという議論がなくなることは今後もありません。

 ただ、余暇で愉しむ人が不利益を被らないように、国税を含めた関係各所に配慮をお願いしたいですね。


※上記内容は個人の感想であり、上記案件の裁判等には一切関係がありません。ただの競馬好きのバカの感想文だということをご理解ください。


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February 02, 2012

一口馬主と税金に関するよくある事例

 いよいよ確定申告の時期が迫ってきました。
 今日は、一口馬主を始めた人が悩みそうな事例を集めて、Q&Aとしました。まあ、ネタに近いものも含んでいますが、参考になれば幸いです。ちなみに私は税務署の人でも税理士でもなんでもない、ただの競馬好きのバカですので、本当によくわからなかったらクラブなり税務署なりに聞いてみてくださいね。


(0)そもそもなんですが、よく聞く、「損益通算」って結局のところ何なんですか?そんで一口馬主のもうけは、その損益通算とやらはできるんですか?

→所得税の計算では、世の中の所得(もうけ)を10種類に分けて計算します。給与所得とか退職所得などという区分が10種類あるわけです。サラリーマンにはなじみがないですが、世の中には雑貨屋を経営しながらアパートの経営をやってる人もいます。この場合、雑貨屋の所得は事業所得で、アパート経営の所得は不動産所得です。もしこの場合に、雑貨屋では大損、アパート経営で大もうけだったらどうしましょう。損は無視されて、もうけのほうだけ税金を課されたらたまりません。もしこの人が個人ではなく、法人だったとしたら、雑貨屋の所得もアパートの所得も通算されて法人税が課されるのに、個人だったばっかりに損が無視されたらひどすぎます。
 そこで、個人の場合でも、不動産所得、事業所得、山林所得又は譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、一定の順序・方法により、他の各種所得の金額と通算できると規定されています。
 この、不動産所得、事業所得、山林所得又は譲渡所得、というのが肝で、この中に雑所得は入っていません。一口馬主の所得は雑所得ですから、損益通算は「できない」ことになります。
 なお、間違えやすいのですが、損益通算というのは、不動産所得と事業所得など、区分が別の所得の黒字と赤字を通算して課税することをいうのであって、同じ区分の所得の中での通算は損益通算とは言いません。各種所得の中での通算は内部通算と言いますが、これは雑所得であっても可能です。一口馬主の雑所得とFXの雑所得を通算できるのは、損益通算ではなく、内部通算だからということになります。
※これは平成23年までの古い内容です。平成24年以降はFXと一口馬主は改正により内部通算できなくなりましたのでご注意ください。


(1)残念ながら本年は一口馬主で損失が生じました。でも3歳馬に期待馬がいて、来年は絶対もうけが出ると思うんです。一口馬主の損失の金額って翌年に繰越して、翌年分の一口馬主の利益から差し引けますか?

→繰越せません。一口馬主の損失の金額は、(総合課税の)雑所得の金額の計算上生じた損失の金額であるため、繰越控除の適用はありません。本年分の損失は本年で打ち切りです。どうやっても繰越すことは不可能なのであきらめてください。
 

(2)今年は未勝利馬で引退ばかりで一口馬主で大損しました。大損した人は確定申告をすると税金がけっこう還付されると聞きましたが本当ですか?

→ウソに近いです。本年分の一口馬主の損益がマイナスの方のうち、クラブから送られてきた書類の中で「源泉徴収税額」に金額の記載のある方だけが還付の可能性があります。
 昔と違って、今は、賞金が分配される際に、馬の減価償却費等を考慮した出資返戻金(我々が出資した元手と考えてください。)を超える部分の分配があった場合のみ源泉徴収が行われます。したがって、一口馬主で損失が出ている人は基本的に源泉徴収されませんので、源泉徴収税額はほとんどないはずです。クラブから送られてきた書類の源泉徴収税額がゼロで、かつ、損失の方は、確定申告しても何も還付されないでしょう。
※JRA源泉税はまったく別の話です。JRA源泉税は3月か4月にクラブから還付されます。JRA源泉税については確定申告は関係ないです。


(3)サラリーマンで一口馬主を楽しんでいます。今年は運よく一口馬主でもうけが出ました。もうけが出たら必ず確定申告しないといけないんでしょうか?

→いいえ、もうけが出たからといって、即、確定申告しなければならないわけではありません。
 基本的には、一口馬主のもうけが20万円以下であれば確定申告の必要はありません。
 ただし、FXでも利益が出ている方は一口馬主のもうけが20万以下でも確定申告をする必要がある場合があります。
 所得税法では、「一ヶ所のみから給与等の支払を受け、かつ、その給与等の全部について源泉徴収される場合において、その年分の給与所得及び退職所得以外の所得金額の合計額が20万円以下であるときは、確定申告を要しない。」とされています。一口馬主のもうけは、給与でも退職でもない、雑所得に区分されますので、一口馬主のもうけが20万以下なら上記の規定に合致し、確定申告を要しないこととなります。
 注意を要するのはFXをやっている方です(ただし、FXでもクリック365は除きます)。一口馬主でもうけが15万円、FXでも儲けが15万円の方は、両方を足すと30万円になります。一口馬主もFXもどちらも所得税法上、雑所得に区分されますので、雑所得の金額が30万円になってしまい、20万円を超えてしまいます。そうすると上記の規定にあてはまらなくなります。この場合は「確定申告義務」が発生します。「義務」なので、申告すると100円還付されるとか、そういう場合でも申告しなければなりません。仮に100円の追納(申告時に100円払うということ)だったとして、面倒だからといって申告しなかったら罰せられます。が、これはあくまで建前の話で、100円追納しなかったからといって、必ず税務署が怒鳴り込んでくるわけではありません。むしろ税務署側としては、本心は、そういう「おいしくない」人には、申告時期の忙しいときには来て欲しくないでしょうね(笑)。でもあくまで義務ですから、義務を果たすには、この場合は申告するしかないということをハッキリ申し上げておきます。
※これは平成23年までの古い内容です。平成24年以降はFXと一口馬主は改正により内部通算できなくなりましたのでご注意ください。


(4)一口馬主で20万円以上のもうけが出ました。私は税金なんて払いたくありません。もうかったといっても大した金額ではないですし、このままシカトを決め込んでも構わないですよね?

→まず、上記(3)で「確定申告義務あり」となった方は、確定申告する義務があります。税金の額の大小は関係ありません。税務署が本当にあなたの家に怒鳴り込んでくるかどうかは別として、申告義務がありますので、確定申告されることを強くお勧めいたします。
 次に、一口馬主で20万円以上のもうけが出たからといって、必ずしも税金を払うことになるかどうかはわかりませんよ。還付の場合もありえます。もうかってるのに還付?そんなわけないでしょと思うかもしれませんが、ありえます。
 一口馬主は、法律上、「匿名組合契約」であり、雑所得に区分され、20%の所得税が源泉徴収されます。20%って結構高いですよね。上場株式なんて10%(住民税含む。)なのに。20%というのがミソで、税率が20%より低い人だったら・・・?
 所得税は超過累進税率といって、所得が多い人のほうが税率が高くなります。JRAのリアル馬主の条件でもある年間所得が1800万円超の方は最高税率の40%になります。
 では、所得税の税率が20%とはどれくらいの所得の人でしょうか。税率20%は、課税所得金額が330万円超695万円以下の方が当てはまります。課税所得金額とは、大雑把にいうと、サラリーマンの人であれば、給与の額面金額から給与所得控除を控除し、さらに所得控除を控除した金額です。源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」から「所得控除額」を差し引いた金額と言ったほうがわかりやすいでしょう。そうすると、一口馬主をやっているサラリーマンの多くの方が330万超695万の間に入るのではないでしょうか。うまくできてますよね。もし、330万を下回っていれば、その方は税率が10%になりますので、一口馬主で20万円以上のもうけが出ていても、申告すれば還付になる可能性があります。
 逆に言うと、本業で大変活躍をされ、所得が1800万円超の方は、申告すれば確実に追納になるでしょう。


(5)わしはキャロットで400口、社台・サンデーで40口もっとるんじゃ、参ったか。リアル馬主の場合は2頭以上競走馬を持っていれば、雑所得ではなく事業所得になる場合があるそうじゃが、わしの一口馬主の巨額の損失も、事業所得として他の所得と損益通算できんかのう~。

→できません。まあ、こんな変な人は実在しないでしょうが(笑)、競走馬ファンドの匿名組合契約は雑所得と決まっています。もう決まっていることなので、どうにもなりません。何口持っていようと、いくら出資していようと、競走馬ファンドの匿名組合契約である限り雑所得です。雑所得である以上、損益通算はできません。
※匿名組合契約にも事業所得となるものもありますが、少なくとも一口馬主は雑所得以外ありえません。

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November 01, 2011

一口馬主はFXと仲良し

※これは平成23年までの古い内容です。平成24年以降はFXと一口馬主は改正により内部通算できなくなりましたのでご注意ください。


こんばんは。今年も残り2ヶ月、GⅠシーズンに入り、競馬も佳境を迎えますね。

年末を迎えるに当たって、考えておかないといけないのは税金ですよね。もちろん給与所得だけであれば年末調整だけで済んでしまうので、何も考える必要はないのですが、一口馬主で損益が出た場合にはちょっと知っておいたほうがいいことがあります。

今日は意外と知られていない可能性のある、一口馬主の損益とFXの損益の通算について、ちょっとお話したいと思います。

皆さんご存知のように、いわゆる一口馬主は匿名組合契約に分類され、一口馬主の損益は、所得税法上、雑所得に区分されます。この雑所得の金額は、残念ながら損益通算することはできません。

ここで、損益通算について簡単に説明しておくと、損益通算とは、「課税標準の計算において、不動産所得、事業所得、山林所得又は譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、一定の順序及び方法により、他の各種所得の金額から控除することができる」という所得税法上の決まりです。

要するに、よくあるマンション投資とかで、不動産所得の金額の計算上損失が生じた場合に、その損失を給与所得の金額から控除できるので、給与で源泉された税金が還付されて、マンション投資はお得ですよ~っていう奴です。業者から電話かかってきますよね。あれは、まさにこの損益通算の決まりを使って節税?を勧めてくるわけです。

この損益通算は、「不動産所得、事業所得、山林所得又は譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額」だけしか対象にならないので、残念ながら、一口馬主の損失は「雑所得の損失」であるため、給与所得と通算したりはできないわけです。

しかし、あくまで損益通算ができないだけで、「雑所得」の範囲内であれば、内部通算することは可能です。

一番簡単な例を挙げると、社台の一口で100万円のもうけ(雑所得)がでて、キャロットで100万円の損失(これももちろん雑所得)が出た場合、この両者を通算すると、差引0円になり、雑所得はゼロとなります。これはよく知られていることですよね。

これと同様に、雑所得の金額同士であれば、損失と利益で通算することが可能です。

現実に一番ありがちなのが、FXと一口馬主の組み合わせです。FX(外国為替証拠金取引)の損益も一口馬主と同様に、「雑所得」に区分されます。したがって、FX(くりっく365を除く)の損益と一口馬主の損益は雑所得内で内部通算することができます。

今年、一口馬主で多大な利益(利益が20万円超)が出た人は確定申告義務があり、その人の税率にもよりますが、一定の場合には、確定申告で税金を追加で払わなければならない可能性もありえます。

このときに、もし、その人がFXで残念ながら損失が生じているときは、そのFXの損失と、一口馬主の利益を通算でき、既に20%源泉徴収されている一口馬主の利益に係る税額が確定申告で還付されます。

(具体例)
1.一口馬主の利益 50万円(源泉徴収税額10万円)
2.FXの損失 100万円

雑所得の金額=50万円-100万円=△50万円<0 ∴雑所得は0円

この場合、すでに源泉徴収されている10万円が確定申告により還付されます。

もちろん、FXで利益が出て、一口馬主で損失が生じた場合も、同様に通算できます。ただし、FXの利益からは通常は所得税は源泉徴収されていないはずなので、確定申告しても還付はありません。
※この場合、FXと一口馬主での内部通算後の雑所得の金額が20万円以下である場合は確定申告の必要はありません(他の所得が給与所得のみの場合)。

上のほうで、FXでも「くりっく365」は除くと書きましたが、いわゆる「くりっく365」は取引所経由の取引であるため、雑所得ではあるものの、一口馬主とは別区分の分離課税の雑所得となってしまうので、一口馬主とは通算できません。今回話題に挙げているのは、「外為オンライン」とか「外為ドットコム」とかの一般のFXのことです。

さて、長々書きましたが、このFXと一口馬主の内部通算は、実は本年限りです。なぜなら、来年からFXの損益はすべて分離課税の雑所得(現行のくりっく365と税制上統一される。)となるため、来年からは一口馬主とFXは仲良しさんではなくなってしまい、内部通算できなくなります。

一口馬主で今年かなり損が出ている人は、今年はFXでかなり儲けが出ても税金を払わなくて済む最後の年となります。心置きなくFXで儲けましょう!
(注)FXを勧めているわけではありません。私は去年FXで大損失が出ましたが、一口のほうも損失だったため、通算もクソもありませんでした。。

ちなみに、このFXの税制改正は、基本的には納税者有利となります。なぜなら、分離課税のほうのFX(くりっく365)は税制上の優遇がありまして、税率が15%でかつ3年間の損失の繰越が可能です。来年からは、外為オンラインとか、通常のFXもいくら儲けても税率は15%になり、かつ、大損失がでても3年間繰越せるという、「損しても安心?」な税制になります。


ちなみに、来年以降も一口馬主の損益と通算できる損益とは・・・

・割引債、利付債の償還差損益
・抵当証券の償還差損益、譲渡損益
・学校債、組合債の利子

などなど。よっぽどの財テク好きでもなければ手を出しそうに無いものばかりです。実質的には、「普通の人」にとっては、一口馬主の損益と通算できるものは来年以降はほとんどないということですね。

確定申告に関しては、また別の機会に、もう少し詳しく書きたいと思います。


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